エステル化など絶対に押さえておくべきカルボン酸の反応5選!

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受験化学コーチわたなべ
ども、わたなべです。

カルボン酸は非常に重要な有機物で、最も入試に出るエステル化を構成するものなのです。

 

エステル化は構造決定で非常に重要なので、必ず今回どのように反応するか、どのような事が構造決定に出るのかと言うのも

 

注目してご覧下さい!

カルボン酸の脱水反応

分子間脱水

カルボン酸の脱水反応は、

カルボキシ基が2つ、

カルボキシ基

からH2Oがとれて、

カルボン酸無水物
カルボン酸無水物になります。

カルボン酸無水物 反応
このように反応します。

でもこの画像を見てもわかるように、

電気陰性度が、Oよりも小さい

Cがメチャクチャにいじめられてますよね。

普通の酢酸では、

酢酸 構造式
水素が合った分Cがいじめられる度合いが小さかったわけです。

でも今回Hを失ったので、全てCから電子が奪われるため、Cの電荷が+への偏りっぷりが非常に大きくなっています。

よってカルボン酸無水物は、非常に不安定です。

不安定な方向へ進んで行こうとしますか?しませんよね!

この不安定な方向には、無理矢理進ませなければなりません。

有機物の脱水反応は、濃硫酸H2SO4をよく使いましたが、今回濃硫酸では足りません。

もっと強い試薬である、P4O10(十酸化四リン)を用いてやっとのことで、脱水できるのです。

酢酸の脱水反応
そしてカルボン酸無水物、つまり無水酢酸は速攻水と反応します。この反応の逆反応が起ります。

無水酢酸 加水分解
この反応が起り、元のカルボン酸に戻ります。あまりにも無水酢酸が不安定なので触媒無しで水と反応します

分子内脱水

次は分子内でH2Oが取れて、脱水反応が起ります。まず具体例を見て行きましょう!

入試で出るのは、マレイン酸とフタル酸です。

マレイン酸
まずマレイン酸ですが、見ての通り、幾何異性体が存在します。これはシス形ですので、トランス形のものは、

フマル酸 
このようになります。

もうこのマレイン酸とフマル酸は、分子式も重要すぎるので、分子式ごと覚えちゃってください。

C4H4O4です。

C4H4O4なら入試に出るのはほとんどがマレイン酸とフマル酸です。

これは、

「トランス形がどっちだっけな〜?」

と迷ってしまうので、ちゃんと区別する事が出来る語呂をお教えします。割と有名な語呂なので、知っている人も居るかもしれませんが、

C4H4O4=(CHO)4

の分子式は、

トランスがフマル酸

シスがマレイン酸です。

語呂にすると、

調子((CHO)4)乗り虎に踏まれてまれに死す

と覚えます。

そして、今回脱水反応をするのは、シス形のマレイン酸です。マレイン酸はこのように脱水します。マレイン酸はシス形で、メチャクチャ衝突しまくります。なので、先ほどの分子間脱水の用に強い試薬は必要なく、加熱だけで脱水します。

マレイン酸 脱水
一方でトランス形のフマル酸は、-COOHが離れているため、衝突が少ないため反応しにくいです。

フタル酸
そして次はフタル酸です。このようにベンゼン環のオルトの位置に-COOHが2つくっついているものが、フタル酸と言います。

このフタル酸も異性体があります。

イソフタル酸とテレフタル酸があります。

イソフタル酸 画像
イソフタル酸

テレフタル酸 
テレフタル酸

で先ほどの考え方を使うと、

-COOHの衝突が多い、普通の

フタル酸が脱水反応をします。

約230度の温度まであげると、

フタル酸は脱水反応をして無水フタル酸になります。

ちなみに、フタル酸とフマル酸が

「どっちがどっちやったっけ、、、、」

ってなるひとが非常に多いと思われるので、覚え方としては、フタル酸というのは、『ナフタレン』を酸化バナジウムV2O5で、酸化開裂のようなものをして出来た物なのです。

慣用名〜それは有機化学で覚えるしかない化合物

ナフタレン→フタレン→フタルえん

フタル!!!!!

と言う風に変化して行ったわけだ!

エステル化

そして次はエステル化、最重要反応です。

エステル化、加水分解、エステル化の強い版、ケン化、実は全て同じ反応なのです。

全てメカニズムが同じなのでその辺にも注目しておいてください。

※注意

一部アダルティーな記述、描写がある事をご了承下さい

 

エステル化
こういう反応でH2Oがとれるんだな〜って覚えていると思います。

 

 

そして、有機化学で水が取れると言えば、普通は、濃硫酸ですので、エステル化では濃硫酸が触媒として使われます。

濃硫酸が脱水剤として使われる理由が構造式から明らかに!



でも実際は下のように反応が起っているのが、電子を見れば速攻わかります。

エステル化

このようにカルボン酸は、カルボニル基の電荷の偏りがあります。

エステル化

そしてアルコールは、このように非共有電子対があります 。

エステル化 エステル化

この2つが反応します。

エステル化

このようにアルコールの非共有電子対がカルボン酸の正電荷、電子が無くなっている事で出来た、穴に突っ込みます

 

まるで、

セックス

ですね♥️

 

ちなみに、エステル化は可逆反応です。つまり、全てエステル化できるわけではなく、割と酢酸とエタノールも残ると言うわけです。

エステル化を不可逆反応にする方法

エステル化を不可逆反応にするためには、この反応の勢いを激しくしないと行けない

エステル化
CH3COOH+CH3OH⇄CH3COOCH3+H2O

の反応で右辺の方が安定だな〜と思わせれば良いのです。

なので、左辺のCH3COOHを超不安定で有名、先ほども濃硫酸では歯が立たず、P4O10を使わないと脱水できなかった

そう!!!

無水酢酸を使います!

無水酢酸は不安定なので、右辺の酢酸メチルの方が安定になります。これは、酢酸に限らず、エステル化を不可逆反応にするには、カルボン酸無水物にしてやれば良いのです!

エステル化 無水物
ということで、これでカルボン酸無水物にして先ほどの反応

セックス
をすると、エステル化が不可逆反応になります。

これによりCH3COOCH3とCHS3COOHが生成されます

 

 

ちなみに、エステル化をするカルボン酸が酢酸の場合、アセチル基

アセチル基

ができますので、この酢酸、無水酢酸によるエステル化のことを

アセチル化

と言います。

 

 

 

エステルの加水分解

そして次はエステルの加水分解ですが、エステルの加水分解をするには、エステルに希硫酸を触媒として反応させます。というのも、加水分解と言うのは、その名の通り水を加えて分解します。

てことは、水が無いとダメなので、希硫酸です。濃硫酸だと水が少なすぎます。

希硫酸の希とは、薄いという意味です。薄いということは、H2SO4が水溶液中の割合が小さく水が多いと言うわけです。

なので、先ほどのエステル化のときは、濃硫酸(脱水しなければ行けないから)を触媒に使い、エステルの加水分解のときは、希硫酸(水を加えなければならないから)を用います。

そして、これも

セックス
反応です。

エステルの加水分解
このように反応が起ります。この加水分解ですが、これもまた可逆反応です。希硫酸を入れて加熱する事で加水分解は起ります。

エステルの加水分解を不可逆反応にするけん化

エステルの加水分解は可逆反応なので、それを不可逆反応にする方法をお話しします。

そもそも、エステル化の加水分解ですが、水がそんなに激しく反応をしてくれるように思えますか?

水のOHがアタックする勢いなんて大した事無いんですよ。だから、このOHのアタック能力をあげれば良いのです。OHのアタック能力をあげるには、NaOHやKOHなどの強塩基を使って加熱をすれば反応がドバドバ起ります。

けん化
このように反応が起こり、

CH3COOCH3+NaOH→CH3COONa+CH3OH

と言うような反応式になります。

エステルの特徴

エステルはフルーティーな臭いがします。また覚えておいてほしいのは、水に解けにくいです。そして分子量も比較的小さいので、揮発性です。

エステルの名前の付け方

酢酸メチル
これを酢酸メチルと言います。

『カルボン酸+アルコールのアルキル』

という名前の付けたかです。

なぜこの順番なのかというと、エステルは中性物質だから最後に○○酸とついてはいけません。○○酸とつくのは、酸性物質です。

なので、酸性じゃないから、最後に○○酸となってはいけない、だから○○酸△△と言う名前のつけかたになります。

ギ酸エチル

なので、こちらの物質の名前は、ギ酸エチルです。

どうでしたか、非常に重要な反応が5つありました。特に、けん化、エステルの加水分解は非常に重要です。構造決定でエステルの加水分解は非常に頻出の反応です。

なので、ここで反応をキッチリ理解しておいてください。

また、有機反応を理解するには、今回のようにキッチリ電子レベルまで理解した方が良いです。

頭の定着率が全然違います。さらに、構造決定を解くときにも反応を理解できている方が圧倒的に答えが見えやすくなります。

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2 件のコメント

    • 厳密に言うと脱水しています。調べてみてください。
      そして脱水剤は触媒の一種です。

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