アセタールとヘミアセタールとは何かが面白いほどわかる記事

アセタール,ヘミアセタール,違い

糖類の勉強をする上で非常に重要なのがこの「ヘミアセタール構造」です。

  

ですが、このヘミアセタール構造、アセタール構造をきっちり理解していない人が多いです。

 

なので、今回この記事では、「アセタール」と「ヘミアセタール」の違いがキッチリわかり、そして特に重要な「ヘミアセタール」がどのような役割をするのかをお話しします。

アセタールとヘミアセタールの構造

「アセタール構造なのか

アセタール構造

アセタール構造とはこのような構造の事です。

アセタール,エーテル
R1,R2は炭化水素なので、C-O-C-O-Cという構造が出来ている事になります。C-O-Cはエーテル結合なのでエーテル結合が2つ並んでいる状態です。

このダブルエーテル構造のことをアセタール構造と言います。

ヘミアセタール構造

ヘミアセタール構造
この構造をヘミアセタールといいます。ヘミアセタールのヘミというのは、半分を表しますので、エーテル結合が半分しかありません。

 

片方がアルキル基でなくOHになっていますね。

 

このような「半分エーテル」をヘミアセタールと言います。

 

α型β型に大きく関わるヘミアセタール構造

糖というのは、α型と鎖状とβ型が平衡状態にあります。

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グルコースは、ほとんど環の状態ですが、水中で鎖状構造になります。

 

そして、この環が鎖状になる、つまり「環が開く場所」が『ヘミアセタールのヒドロキシ基』です。

グルコースを例に考えますが、

このような非共有電子対がC=Oの正電荷にアタックしていきます。

このようにして、緑の部分が『ヘミアセタール』になります。

 

そして、水中でこの環構造は再び鎖状に戻る事があります。なので可逆反応です。

 

 

このヘミアセタールのOHが無い場合環を開く事が出来ません。

 

 

 

だから糖同士が結合する「グリコシド結合」でヘミアセタール構造が抹殺されたスクロースでは、

スクロース,グリコシド結合,開環 グリコシド結合,スクロース,ヘミアセタール

こうなってしまうと、この「スクロース」は二度と鎖状になる事が出来ません。

 

グリコシド結合時ヘミアセタールはごっそり抜ける

ヘミアセタール,グリコシド結合

まさにこの画像が全てを物語っていますが、グリコシド結合をするときには、「ヘミアセタールのOH」はごっそり全て取り除かれます。

 

なぜヘミアセタールのヒドロキシ基がごっそり抜けるのかと言うと、

グリコシド結合,ヘミアセタール

このように、-OHが抜けた後すぐに、近くの「Oの非共有電子対」から電子を「借りてくる」ことが出来るのです。

 

こうすることで、Cの+が補填されるのです。不安定さが解消されます。

 

しかし、ヘミアセタール以外のOHだった場合、このように埋めてくれる『Oの非共有電子対』のような存在がありません。

 

グルコース ヒドロキシ基

 

なので、『OHのOをとられるわけにはいかない!』わけです。

 

 

開環後の還元性

グルコース,糖,鎖状構造,還元性

グルコースは開環反応において鎖状構造が存在します。その鎖状構造には-CHOがあるため、還元性を示します。

 

このため「フェーリング反応」や「銀鏡反応」が陽性となります。

 

フェーリング反応と銀鏡反応に関してはこちら

フェーリング反応の覚え方と反応式の作り方がスッキリわかる!

銀鏡反応の構造決定の使い方と反応式の作り方まとめ

 

そして先ほども言いましたが、「開環」できるのは「ヘミアセタール」があるからです。これを考えると、

 

先ほどのようなスクロースのように「グリコシド結合」にヘミアセタールを使われてしまっている物質は、「還元性」を示しません。

 

 

なので、このようなマルトースは、

マルトース,還元性,グリコシド結合,ヘミアセタール

ヘミアセタールが残るので、開環が出来るため、還元性を示します。

 

が、

 

このようなスクロースは、グルコースとフルクトースのヘミアセタールのヒドロキシ基を使っちゃうので、

スクロース グリコシド結合 ヘミアセタール

ヘミアセタールがありません。よって開環せずに還元性を示しません。

 

その代わりにアセタールが2個できています。

 

 

まとめ

アセタール、ヘミアセタールは糖を勉強する上で絶対に重要な構造。

 

ヘミアセタールがあることで「開環」可能になる。

 

「開環」すると、鎖状構造になり、アルデヒド基が表れるため、還元性を示す

 

二糖類を形成するグリコシド結合でヘミアセタールのヒドロキシ基が残れば還元性を持つ

 

ヘミアセタールのヒドロキシ基がグリコシド結合に使われたら開環することができず還元性を持たない

 

 

ということになります!

 

いかにヘミアセタールが重要かを理解できたと思います。何度もこのヘミアセタールについて復習してください!

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8 件のコメント

  • 僕は理系大学生なのですが環化の原理がわかってませんでした。
    このサイトのおかげで正直とても助かってます。

  • グリコシド結合時にヘミアセタール構造のOHが取り除かれる理由の説明で分からない所があります。
    OHが取られると、Cに不対電子ができて+に帯電するとしたら、その+を消すのに電子を近くのOから借りてくる際、借りてくる電子の数は一個ですよね?
    なら今度はOに不対電子が出来てしまうと思うんですが、そこは気にしないんでしょうか?

    • 完全に電子が流れきるわけではないのです。
      イメージは、ベンゼン環が共鳴している状態
      http://xn--qck0d2a9as2853cudbqy0lc6cfz4a0e7e.xyz/organic/ben-zen

      なので、ぼんやり『+』になりきるのを防いでいると言う風に考えておいてください!


      なので、電子が1個流れた、2個流れたという風に個数で数えられないのです。


      これは量子力学が絡んでくるのですが、『電子雲』という考え方です。

      • ありがとうございます!
        理解です!

        面白いので勉強の休憩の時や、これいつも読ませて頂いてます!これからもよろしくお願いします!

        • ありがとうございます!
          励みになります!

          是非ガンガン活用していってください!

  • 質問です。グリコシド結合でスクロースができたときアセタールが2個できる。と書いてあったと思うのですが どことどこ?ですか。
    糖の還元性はなぜ重要なのですか?開環するしないはどう大切なのかわかりません。私の頭の中ではりんごを切ると赤くなる。フェーリング反応に単糖使う?なにも単糖使わんでも…。化学的に私はわかっていないことだけわかります。よろしくお願いします。

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