鉛蓄電池の受験テクニック!放電の反応式、モル比に着目!

鉛蓄電池の沈殿が落ちない

池の問題で入試再頻出なのが、

この鉛蓄電池です。

 

ですが、

どうでしょうか?

結構難しいですよね。

 

量関係とかの問題が出ると、

もうお手上げになりますよね。

 

ですが、

鉛蓄電池はかなり出来過ぎ

電池です。

 

かなり高性能な電池なのです。

 

原理としても完璧な電池なのです。

 

だから、『変にいじくることが出来ない

のです。

 

つまり、

聞かれるところが決まっている!

のです。

 

入試問題風にアレンジすることが

ほとんど出来ない分野なのです!

 

そして、

出るところが決まっている

と言うことを知っている受験生が

ほとんど居ない』のです。

 

だから、この記事に巡り会った

あなたはチャンスです!

この記事ではその聞かれるところを

全て公開します

だからこの記事を読み終えたあなたが

入試で鉛蓄電池が出た瞬間

「よっしゃカモや!」と

ガッツポーズしてください!

うれしい

最初原理を説明し、1番最後に受験テクニックを公開しますので、最後まで読み漏らさないようにしてください!

鉛蓄電池の原理

鉛の性質を利用

鉛

鉛には

酸化数が+2になりたくて仕方が無い

という性質があります。

このため、Pb(酸化数0)の状態よりも、PbO2(酸化数+4)の状態よりもPb2+(酸化数+2)のほうが心地が良いのです!

 

だから、単体のPb(酸化数0)

酸化物PbO2(酸化数+4)

こいつらも酸化数+2になりたいのです!

鉛蓄電池の酸化数直線

Pb単体とPbO2を遠距離恋愛をさせて、熱々エネルギーを取るために導線を引き、その間のアツアツエネルギーをパクってきたのが鉛蓄電池なのです。

 

電池の原理については、

「化学の『電池』入試問題の原理と解き方まとめ」

で書きました。

 

電池は、還元剤と酸化剤のアツアツのラインからアツアツエネルギーをハッキングして電気を奪うのが原理でした。

 

 

 

結果的に電子がPbからPbO2へ移動し、

Pbが負極PbO2が正極となる。

鉛蓄電池

「化学の『電池』入試問題の原理と解き方まとめ」

にも書いたが、電池の極の定義は、

還元剤が負極、酸化剤が正極」と

覚える!

 

もちろん、基本的にはイオン化傾向でかたがつくのですが、今回の場合のようにどっちがイオン化傾向が大きいかなんてわかりませんよね?両方鉛だから。

よって、還元剤が負極、酸化剤が正極とおぼえておいたほうが圧倒的に便利なのです!

 

極ごとのイオン反応式

負極の放電反応

Pbが電子を放出して、Pb2+イオンになります。

しかし、生成したPb2+イオンは希硫酸中で

SO42-イオンにより硫酸鉛になる。

鉛イオン

希硫酸由来のSO42-でPb2+

PbSO4となり沈殿する。

 

 

ということは、

鉛蓄電池 負極のイオン反応式

この可逆反応は右に進み続けます!

よって、限界まで電子を投げ続ける

 

負極のイオン反応式はこのようになります。

(-)Pb+SO42-→PbSO4+2e

正極の放電反応式

PbO2電子を受け取り続ける

電子を受け取るから酸化剤として

働く!

(+)PbO2+4H++2e+SO42-→PbSO4+2H2O

これが負極のイオン反応式です。

鉛蓄電池の蓄電の原理

まずそもそも蓄電池とは何でしょうか?

いったん放電すると、充電しても元の状態に戻せないのを1次電池と言います!ダニエル電池やボルタ電池などは、反応に終りがありまして、充電はできません。

 

市販の乾電池などはこれに当たります。

 

しかし、鉛蓄電池のような、蓄電池は充電が可能なのです。放電する反応の逆も頑張れば起こせるということです。このように再利用できる2次電池のことを蓄電池といいます。

なぜ、鉛蓄電池が充電できるかというと、鉛蓄電池の極板である鉛と酸化鉛には、がついているのです。つまり、こういう状態をイメージしてください。

鉛蓄電池の負極 鉛蓄電池正極

なかなかの圧迫感(笑)

そして、鉛蓄電池の原理というのは、このように電子が負極から正極に流れるというものです。

鉛蓄電池

この時、負極でも正極でもPbSO4の沈殿ができますよね。そして、こいつらに腕がついていることによって、沈殿が溶液の下に落ちないのです!

鉛蓄電池の沈殿が落ちない

 

そしてここが鉛蓄電池の肝なんですが、Pb、PbO2がついているんです!このひだにPbSO4の沈殿が落ちずに極板にくっついた状態なのです。

極板にくっついていると、

鉛蓄電池の充電

 

すると、さきほどの右辺から左辺への逆反応を無理やり起こすことができます

(-)PbSO4+2e→Pb+SO42-

(+)PbSO4+2H2O→PbO2+4H++2e+SO42-

の反応のように、沈殿であるPbSO4がPbとPbO2に戻ります。

 

こうすれば、またPbとPbO2を普通に繋げば、鉛蓄電池の放電が始まります!このように蓄電池は元に戻すことができます。

 

 

PbSO4が沈殿して容器の底に落ちてしまっては充電できない

 

だから、『』が重要なのです!

受験テクニック「放電のモル比」

まず先ほど見せたイオン反応式から、

『化学反応式』をまとめてみましょう!

鉛蓄電池 反応式1

これが鉛蓄電池の反応式となります。

この反応式で最も着目すべき、受験で問われる量関係を解く上で最強のテクニックをお教えします!

 

まず、鉛蓄電池で出題される問題は、

①極板の質量の変化

②溶液(極板以外)の質量変化

③電子が流れた後の溶液の濃度、密度

この3つであることがほとんどです!③は①②を求められれば、簡単に求めることができます。溶液中の硫酸の質量と溶液全体の質量が分かればパーセント濃度は一瞬で求められる。

つまり、①と②を求める方法を知っておけば鉛蓄電池はすべての問題を解くことができます

 

そして、もちろん理論化学で重要なのは、『モル』ですよね。鉛蓄電池も酸化還元ですので、電子のモルをまず求める必要があります。

まず、半反応式を考えると一発です。

(-)Pb+SO42-→PbSO4+2e

負極は、PbがPbSO4になります。電子が2mol流れるごとに、SO4分つまり96gだけ負極の質量が増加するのです

ということは、電子が1mol流れるごとに負極は48gだけ質量が増加するのです。

 

(+)PbO2+4H++2e+SO42-→PbSO4+2H2O

正極は、PbO2からになります。電子が2mol流れるごとにSO2分つまり64gだけ正極の質量が増加するのです

 

ということは、電子が1mol流れるごとに正極は32gだけ質量が増加するのです。

このように電子が1mol流れるごとに負極と正極の増加質量を

負極 正極
増加質量 48g 32g

これは、特に難しくありませんので毎回導出することもできます。しかし、鉛蓄電池が出てきた場合は、ワンパターンで使えるので覚えておいて損はないでしょう。

 

そして、この48gと32gを足し合わせると80gになります。この80gは溶液の硫酸から取ってきたものです。つまり、電子が1mol流れると溶液の質量は80g減少するとおぼえておきましょう!

 

また、別の考え方で電子1mol流れるあたりの溶液の減少量を導出することができます。

Pb+PbO2+2H2SO4→2PbSO4+2H2O

のような化学反応式になります。そして、この反応には、電子が2mol流れています。

つまり、電子が2mol流れると硫酸が2mol減少して水が2mol増えるということがこの鉛蓄電池の化学反応式からわかりますよね!

 

てことは、これを電子1molあたりにすると、溶液の質量はどのように変化するでしょうか?

鉛蓄電池

溶液から1mol98gの硫酸が減少して、1mol18gの水が増加するのです。つまり、-98+18=-80。

電子が1mol流れると、この鉛蓄電池の電解質の希硫酸の溶液の質量は、80g減少します。

 

 

これで、先程の極板の質量の増加の話と溶液の質量の増加の話のつじつまがあいましたね

 

 

これさえわかれば、あとは濃度を求めたり、密度を求めるだけなんです。

実は問われるところなんてこれだけ、

これさえ分かっていれば本当に

鉛蓄電池なんて余裕なんです!

 

鉛蓄電池が出題されてガッツポーズ

してないやつにはこれで確実に勝てます!

 

ただ、これだけ言われて

問題が解ける人もかなり少ないと思います。

なので実際の問題では

どのように使うのか?

と言うのを見ていきたいと思います。

鉛蓄電池の問題演習

例題

鉛蓄電池を用いて白金板を電極にして硫酸銅水溶液を電気分解すると、陰極に5.08gの銅が析出した。鉛蓄電池には質量パーセント濃度が35%の硫酸1000gが使われたとすると、電解後、硫酸の質量%はいくらか。

この問題は、鉛蓄電池が電子が

流れることで、

溶質も溶液全体も質量が小さくなる

ことを理解できているか
を問う問題!

解答

電解槽の反応式は

電気分解の電解槽での反応式

鉛蓄電池の反応式は

鉛蓄電池の反応式

鉛蓄電池の反応式

つまり先ほど言ったように、

PbからPbO2に2e

の電子が流れている。

流れた電気量は

鉛蓄電池電気量

となります。(すべての極板に流れる電子のmolは一緒なので、どこか一つで求めることができればOK今回は銅の質量が与えられているから、銅のmolを求めて、その2倍が電子のmolである)

正直、電子のmolを求めてしまったら鉛蓄電池なんて秒殺です。今回の問題は、電子が流れた後の希硫酸の濃度を求めるのであるから、

 

溶質(硫酸)の質量溶液全体の質量さえわかればいいのである。

まず、硫酸の質量は電子1mol流れると、溶液から硫酸が98g減少するので、溶質は

-98×0.16g減少する。

そもそも元々35%が1000gであったので、元々硫酸の溶質は350gであった。

 

つまり、今回溶液全体の質量の減少は、

80×0.16=12.8gとなる。

 

よって

鉛蓄電池の反応後

この式で求めることができます。

よって答えは34%になります。

あっけない幕切れでしたね。別にこれが密度を聞かれても全く関係なくできます。

まとめ

鉛蓄電池は、電子1molあたりの極板の質量の増加量と溶液の減少量さえ知っていたら、一瞬でどんな問題でも解くことができます。

 

極板の場合は、

 

負極 正極
増加質量 48g 32g

だし、

溶液全体は電子1mol流れると80g質量が減少する。

 

本当にこれだけです。なので、きっちりマスターしておきましょう!

それでは!

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16 件のコメント

  • 有紀 より:

    初めまして、突然のコメント失礼致します。こちらのページを拝見し、鉛蓄電池の反応を理解できました。わかりやすく説明してありとても参考になりました。ありがとうございます。
    試験に出るツボ の ②
    PbがPbO2に変化する というのは PbSO4の間違いでしょうか?
    当方の理解不足でしたら申し訳ありません。ご確認だけでもお願いできればと思います。
    鉛蓄電池以外にも、わからない化学の問題に出会った際にはぜひ参考にさせていただきたいと思います。突然失礼致しました。

    • 受験化学コーチわたなべ より:

      ありがとうございます!

      PbからPbSO4でした。
      ご指摘ありがとうございます!


      これからもよろしくお願いします。

  • 梶取 峰晃 より:

    付加重合の開始剤はなぜ少量出なければならないか,感動しました。π結合とラジカル反応
    の考え方でこんなに簡単に理解できるのですね。

    ヘキストワッカー法はじめてしりました。便利な方法ですね。PbCl2恐るべし。

    • 受験化学コーチわたなべ より:

      コメントありがとうございます!

      そうなんですよ!ラジカルとかあの辺って別に全然高校生でも解るのに
      教わらないから逆に解りにくくなってるんですよね〜

  • りんごほっぺ より:

    電池めっちゃ苦手です…教科書読んでてもさっぱりわかりませんし、問題も解けません(´;ω;`)
    例題含めてしっかり覚えます!

    • 受験化学コーチわたなべ より:

      そうなんですね!頑張って下さい!

  • ゆん より:

    このサイトに出会えてよかったです。
    友達にも勧めようと思います!

    • 受験化学コーチわたなべ より:

      ありがとうございます!
      是非お願いします!

  • 最後から5行目あたりの
    「また溶質の硫酸も電子が流れることで、

    よって電解後の濃度は、」
    の文脈がよくわかりません。

    • 受験化学コーチわたなべ より:

      減少する。ですね。申し訳ありません。

  • りんごほっぺ より:

    SO2ってどこからきてるのか教えてください…意外とわかってませんでした…

    • 受験化学コーチわたなべ より:

      PbO2→PbSO4になるので、
      差分がSO2になります。

  • 常田葉月 より:

    最後の計算の−96×0.16のところが−98×0.16だと思ってしまったのですがなぜ−96なのですか?
    すみませんアホな質問かもしれません汗

    • 受験化学コーチわたなべ より:

      ありがとうございます。修正いたしました。

  • ひろと より:

    鉛蓄電池の充電で、水素イオンではなくPbSO4が優先的に還元されるのはなぜですか?

    • 受験化学コーチわたなべ より:

      電気分解のところを参照してください!

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