東北大学2002年の炭素数多めの構造決定の問題

次の実験に関する文章(実験1〜6)をよみ、問1〜問7に答えよ。

実験1

分子中に2つのエステル結合を持ち、分子式がC15H20O4である有機化合物Aに水酸化ナトリウム水溶液を加えて完全にけん化した。得られた反応液にエーテルを加えて振り混ぜた後、エーテル層Iと水層Iとを分離した。エーテル層Iのエーテルを蒸発させたところ、化合物Bが得られた。次に、水層Iに二酸化炭素を吹き込み、さらにエーテルを加えて振り混ぜた後、エーテル層IIと水層IIとを分離した。エーテル層IIのエーテル層を蒸発させたところ、分子式C7H8Oを持つ化合物Cが得られた。水層IIに塩酸を加えて、二価カルボン酸である化合物Dを含む水溶液を得た。化合物Bの元素分析を行って、構成元素の質量百分率を算出したところ、炭素70.6%,水素13.7%,酸素15.7%であった。

実験2

化合物Bに水酸化ナトリウム水溶液とヨウ素を加えた温めた所、特有な臭いをもつ黄色結晶が析出した。

実験3

実験2で得た反応液の黄色結晶をろ過で除き、ろ液を濃縮したところ、不斉炭素原子を持つカルボン酸Eのナトリウム塩が得られた。

実験4

化合物Cに塩化鉄(III)の水溶液を加えたところ、特区侑の呈色反応を示した。

実験5

化合物Cの水溶液に臭素水を加えると、Cの水素原子2個が臭素原子2個と置き換わった、対称な分子構造を持つ化合物Fが生成した。

実験6

水層IIから分離・生成した化合物Dに、エタノールと少量の濃硫酸を加えて加熱したところ、分子式C6H10O4の化合物Gが生成した。

問1 実験1に基づいて、化合物Bの分子式を求めよ。計算過程も示せ。

問2 実験1と実験2に基づいて、化合物Bの構造として可能な構造異性体の構造式を全て書け。また、実験2の反応の名称と析出した結晶性化合物の分子式を書け。

問3 実験3に基づいて問2で答えた構造式のうちBの構造として適切な物を構造式で示せ。また、化合物Eの構造式を書け。

問4 実験1と実験4に基づいて、化合物Cの構造として可能な構造式を全て書け。

問5 実験5に基づいて、問4で答えた構造式のうちCの構造として適切な物を構造式で示せ。また、化合物Fの構造式を書け。

問6 化合物DおよびGの構造式を書け。また、化合物DからGへの変化を化学反応式で示せ。

問7 化合物Aの構造式を書け。