粗銅の電解精錬は非常に無機化学の中でも出題されやすいポイントです。
なぜなら、粗銅の電解精錬は、電気分解の知識を同時に問う事が出来ます。なので、粗銅の電解精錬について
キッチリ学んでおく必要があります。
また、わかりにくいポイントもあるので、そこもキッチリまとめておきましょう!
目次
銅の電解精錬の原理
銅の電解精錬は、もはや電気分解でしかありません。電気分解の知識があればまあ間違いなく解けます。

コチラが粗銅の電解精錬の様子です。
粗銅というのは、銅だけでなく、鉄や亜鉛など様々なものがあります。
銅というのは、混じりっけを非常に嫌います!
途端に電気伝導性等が悪くなり、性能が悪くなります。なので電気分解で銅の単体を取りだします。
粗銅の電解精錬の電子の流れはこのようになります。

これを見るとわかるのが、陽極が電子を投げて、陰極が電子を受け取っています。
つまり、陽極が還元剤!陰極が酸化剤!と言う事がわかります!
しかも、陽極は極板から電子が出ていますね!ということは、陽極が電子を投げて、溶液中に溶け出していきますね!
そして、電解質としてCuSO4を使っています。大量にCu2+が溶液中にありそいつが、また電子を受け取り純粋な銅となります。
ピッチャーとキャッチャーが同じ人!みたいな状態です!!
銅が電子をなげて、動画受けとるわけです!
ただ注意してほしい事があります。それは、
ピッチャーは銅だけではないです。
というのも、粗銅には銅以外にも、亜鉛、鉄、鉛、金、銀、白金など様々な鉱物が混ざっています。

銅よりもイオン化エネルギーが大きい、Zn,Fe,Pbなどは銅がイオン化するのですから、もちろんこいつらもイオン化します。
金属がイオン化するときは、電子を投げますから、イオン化傾向の順番で
Zn,Fe,Pb>Cu>Ag,Au,Pt
Cuより前にいるものは、電子を投げます。
で、銅よりもイオン化傾向が小さいAgやAuやPtなどは、イオン化して溶液に溶け出すこともなく、そのまま陽極の下に沈殿します。
この陽極の下の沈殿を陽極泥といいます。

そう、AuやAgなどのような、貴金属がこのように、沈殿します。
そして、これらの金属が投げた電子を、Cu2+が受け取り、Cuが析出します。
銅がイオン化傾向が小さいので、銅が、亜鉛が投げた電子をも受け取ります。
つまり、亜鉛や鉄、鉛がなげた分だけ、溶液中のCu2+は減少します。
銅の電解精錬の反応式
この反応は簡単です。

陽極が電子を投げて、陰極が電子を受け取っているので、
(+)Cu→Cu2++2e–
Zn→ Zn2++2e-
Fe→ Fe3++3e–
(-)Cu2++2e–→Cu
となっております。
銅の電解精錬の注意点
時々粗銅にPbが混ざっている事もあります。
そのとき、Pbは、イオン化してPb2+となりますが、この粗銅の電解精錬では、間の溶液がCuSO4なので、
PbSO4となります。Pb2+はSO42-やCO32-に沈殿しますので、これは沈殿となります!
実は銅の電解精錬は特に説明する事は無く、電気分解でしかありません。
実はこういうのも無理に覚えようとする人が多いのですが、理論化学のちょっとした応用なので、
銅の電解精錬は電気分解の問題として解いていってください。
現に、電気分解を教えただけでちゃんと銅の電解精錬を解けている2年生も居ます。
それでは!
銅の電解精錬の結果、溶液中の銅イオンが減少する理由が今まで分からなかったのですが、この記事を読んで理解することができました!!
ありがとうございます!
ありがとうございます。
頑張ってください!
AgはAg+になることもあると思うのですが、今回はイオン化せずに沈殿してしまうのですか?
銅がイオン化する程度の電圧をかけ、銀がイオン化しないようにしているのではないかなと思います。
まあ銀の電気陰性度は金属にしては結構大きいので、
ある問題集で陽極の反応は
2H2O→O2+4H++4e-
となり、酸素が発生すると書いてましたこれはなぜですか?
間違えました
電気分解でした
イオン化傾向が銅よりも小さい銀や金はそのまま陽極の下に溜まるとありますが、そもそもそれらは周りを粗銅に囲まれているから溶液中に出てこないんじゃ…ってずっと思ってたんですけどどうしてなんですか?
すみません意味がわからないかもしれませんが。