【完全網羅】気体の検出反応は3つのパターンのみ?気体ごとの一覧あり!

どうも、受験化学コーチなかむらです。

しょうご
気体の検出反応か〜丸暗記しないといけないのか…つらいな….
しょうご
気体の検出反応って一覧になってる表はあるけど、法則性ってないのかな?

このような疑問や悩みにお答えします。

気体の検出反応は新しく覚えることは少ないです。気体の検出反応は実は4パターンです。これまで勉強してきた内容の組み合わせに過ぎません。

受験化学コーチなかむら
気体の生成までに習ってきた知識で理解できますし、過去の基礎知識を忘れている人はこの記事で復習してみてください!

本記事を何度も復習してパターン分けして、頭の中を整理して覚えるようにしましょう。

気体ごとに一覧にしてまとめました。一覧からみたい方はこちら

目次

気体の検出反応は4パターン

気体の検出反応は4パターンあります。

検出反応のほとんどはこれまで学習してきたことの組み合わせです。

復習しつつ整理していきましょう。

パターン①沈澱生成

気体と水溶液が反応して沈殿が起きることで気体の存在を検出する方法です。

この検出反応を理解するのには、無機化学の「沈殿が生成されるイオンのパターン」を覚えておく必要があります。

白色沈澱:二酸化炭素の検出反応

石灰水(Ca(OH)2)や水酸化バリウム(Ba(OH)2)に二酸化炭素を吹き込むとCaCO3やBaCO3の白色沈澱ができます

石灰水に二酸化炭素を吹き込むと白濁して、さらに吹き込むと再度透明になります。

石灰水+二酸化炭素

石灰水(Ca(OH)2水溶液)に二酸化炭素を吹きかけると白く濁ります。白く濁る原因は、白色沈澱の炭酸カルシウム(CaCO3)ができるからです。

Ca(OH)2+CO2→H2O+CaCO3(白色沈殿)

そのまま続けて二酸化炭素を吹きかけていると、再び透明になります。理由はCO32-+H2O+CO2→HCO3のようにイオン化するからです。

CaCO3+CO2+H2O→Ca(HCO3)2

イオン化して水に溶けるので白色沈殿がなくなります。

しょうご
これは小学生の時から知ってる有名な反応ですね!

よく使われるのは石灰水ですが、Ba(OH)2に二酸化炭素を吹きかけてもBaCO3の白色沈澱が生じます。

ちなみに補足ですが、無機化学では沈澱の組み合わせを暗記しておく必要があります。

SO42-とCO32-の陰イオンはBa2+、Ca2+、Sr2+、Pb2+と組み合わさると白色沈澱ができます。

語呂の覚え方

SO42-,CO32-→Ba2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+
   まで   にする な

これ以外に無機化学で覚えておくべき沈澱パターンを語呂で解説しました。

黒色沈澱:硫化水素

酢酸鉛溶液を浸したろ紙(酢酸鉛紙)にH2Sを吹きかけると黒色のPbSができて黒色に変化します。

(CH3COO)2Pb+H2S→2CH3COOH+PbS

酢酸鉛紙は硫化水素の検出反応として使われます。

ネスラー試薬:アンモニアの検出反応

ネスラー試薬

ネスラー試薬にアンモニアを通じると黄色〜赤褐色の沈殿生成になります。

ネスラー試薬はヨウ化水銀(II)水溶液とヨウ化カリウム水溶液の混合物です。

この沈殿はNHg2Iという化学式で表されます。

Cu2+を含む溶液が青変:アンモニアの検出

アンモニアの検出沈殿生成反応

Cu2+を含む水溶液にアンモニアを吹き込むとCu(OH)2の青白色沈澱が生成します。(溶液が塩基性になることで液中にOHができます。)

NH3+H2O→NH4++OH

Cu2++2OH→Cu(OH)2(沈殿)

さらにアンモニアを吹き込むと錯イオンの[Cu(NH3)4]2+ができて濃青色の溶液になります。

Cu2+が含まれる溶液に気体を潜らせると青白色の沈殿ができたり、濃青色の溶液になったとしたらその溶液はアンモニアです。

受験化学コーチなかむら
これも全部無機化学を勉強している人なら絶対知っている反応ですよね!
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パターン②:酸化還元反応

リトマス試験紙の色を脱色:塩素の検出反応

リトマス試験紙

水で湿らせたリトマス試験紙に塩素やオゾンを溶け込ませると、Cl2、O3がeを奪い、色素の構造を破壊するためリトマス試験紙が脱色されます。

リトマス試験紙に水をひたす

こうして塩素がリトマス試験しに反応によって溶け込みます。

塩素が酸化剤として反応して、リトマス試験紙の色素の電子を奪い脱色します。

これで色素の構造が破壊されます。

リトマス紙が脱色されます。

塩素は漂白剤としてよく使われます。塩素が酸化剤だからです。

色素から電子を奪い、色素を破壊して漂白しているのです。

ヨウ化カリウムデンプン紙を青変:Cl2やO3

ヨウ素デンプン反応の分子構造

ヨウ化カリウムとデンプンを練り込んだ紙(ヨウ化カリウムデンプン試験紙)があります。

これに酸化力のある塩素やオゾンのような気体を潜らせると青紫色に試験紙が変色します。

ヨウ素デンプン紙反応

ヨウ化カリウムのヨウ素イオン(I)から塩素とオゾンが電子を奪います。

2I→I2+2e

するとヨウ素の単体が生成されます。

ヨウ素単体ができると、ヨウ素とデンプンがヨウ素デンプン反応をします。

ヨウ素デンプン試験紙に気体を吹きかけ、青紫色へ変色します。

赤褐色に変化:一酸化窒素

NOが空気中のO2と触れるとすぐに褐色のNO2が生成されます。

パターン③:酸塩基反応

リトマス紙が青色に変化する:NH3の検出反応

リトマス紙は赤色と青色があります。

  • 酸性:青色→赤色
  • 塩基性:赤色→青色

のように変化します。

赤色のリトマス紙にアンモニアを吹きかけると赤色から青色に変化します。

リトマス試験紙が青色に変化した時点でアンモニア決定です

白煙:アンモニア、塩化水素の検出反応

塩酸にアンモニアを吹きかけることで次の反応がおきます。

NH3+HCl→NH4Cl

このNH4Clが白煙として検出されます。

気体別の気体の検出反応一覧

ここまで反応の種類ごとにまとめてきました。

復習として以下の表を眺めてみてください。気体の名前をクリックすると、各解説に跳ぶことができます。

二酸化炭素 Ca(OH)2(石灰水)やBa(OH)2に吹きかけることで白色沈殿ができます。
一酸化窒素 NOは空気中で自然とNO2になります。二酸化窒素は赤褐色の気体ですので
硫化水素 硫化水素は
塩素
  1. リトマス試験紙を脱色
  2. ヨウ化カリウムデンプン試験紙に塩素を潜らせると青紫色になる
オゾン ヨウ化カリウムデンプン試験紙に塩素を潜らせると青紫色になる
アンモニア
  1. ネスラー試薬に通すと黄色〜赤褐色沈澱ができる
  2. Cu2+を含む溶液に通すと青白色沈澱ができる。さらに続けると濃青色の溶液になる。
  3. 赤色のリトマス試験紙が青色に変化する。
  4. HClと接することでNH4Clの白煙ができる。

 

気体の検出反応まとめ

重要ポイント
  • 気体の検出反応は3パターン
  • 沈殿生成反応
  • 酸化還元反応
  • 酸塩基反応



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浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。