アンモニアを工業的に生成するハーバーボッシュ法について解説していこうと思います。
ハーバー法ですが、これの反応式を迷う人はおそらく居ません。
めっちゃシンプルだからです!
なので、ハーバー法はどの点が優れているのか、どういうところが問われるのか?について解説していこうと思います。
目次
ハーバー法の背景
なぜあんなにも臭いアンモニアを作らなければならないのか。
それは、アンモニアが肥料だったからです。当時食料危機で窒素肥料が必要だったため、
と発想しました。
それで、空気中の窒素を肥料に使ってしまおうと考えました。
発想自体は小学生レベルですが、これがメチャクチャ難しいのです!
なぜなら窒素ってメチャクチャ安定で、反応しにくい物質です。そんな物質が反応すると言う事は、もちろん素晴らしい触媒が必要になります。
ハーバー法の反応式
N2+3H2⇄2NH3+92kJ
です。
ちなみに、化学反応式ですがあえて、熱量も書いています。というのも赤色に書いているところがメチャクチャ厄介なんです。
そして、このポイントが化学平衡と絡んで入試に出ます。
ハーバーボッシュ法は可逆反応!
ハーバーボッシュ法は可逆反応です。よって、ルシャトリエの原理が発動します!
今回アンモニアを大量に欲しいということで、平衡を右に移動させたいわけです。
と言う事は、
N2+3H2⇄2NH3+92kJ
温度を下げて、圧力をあげれば良いはずです。しかし、ここには問題点があります。
ハーバーボッシュ法の問題点①反応速度
ハーバー法は、温度を下げれば反応が進みます。ですが、これは工業的製法なので大量に作らなければなりません。
なのに温度を下げるので、『反応速度が下がる』と言う問題が起きます。
反応は衝突でしたね、てことは分子の運動を大きくしないとダメです。
ということで反応速度をあげるのと、アンモニアの収率をあげるのが相反するのです。
低温であればあるほど、反応率が高くなっています。しかし、こうすると、非常に時間が長くなります。
なので、工業的に向いていません。でも高温にすると、平衡が右に進みません。
この解決策としては、『触媒』の開発です。
四酸化三鉄F3O4が主成分の触媒を使います。この触媒は水素のH-H結合、窒素のN≡N結合を弱くする作用があります。
青が水素で橙色が窒素です。これが四酸化三鉄の触媒にくっつきます。
このように、活性化状態になりやすくなります。
そして、
このようにアンモニアが生成されます。
触媒の覚え方は、
アンモニアの資産(四酸化三鉄)没収(ハーバーボッシュ法)
残念ながら鉄の存在を思い出せないのですが、四酸化三鉄と言うしさんだけ取りました。
触媒が開発された事によって、少し温度をさげても反応速度が保てるようになりました。
この太いグラフのようになります。反応時間が高温のときと同じほどですが、基準の温度と同じ生成量を保っています。
ハーバーボッシュ法の問題点②水素の反応が激しい
水素の活性化状態、つまり水素ラジカルと言う状態になります。
また、高圧条件にする方が反応が進むので、高圧条件にします。すると、
水素の激しい攻撃に、合成管の鋼の強度を低下させてしまうのです。
そこで、ボッシュが合成官を開発する事でこの問題は解決されました。
ルシャトリエの原理が重要!
今回のようにルシャトリエの原理がわかれば、どのようにすればNH3を効率よく生成できるかがわかると思います。
今回の場合、ルシャトリエの原理的には、温度は低い方がいいし、圧力をあげた方が良いです。
ただし、温度が低いと反応速度が小さくなるので、触媒を使いました。
ちなみに、温度が低いといっても500℃位です。工業的製法では、もっと高い温度が当然なので、
工業的製法の中では低い値!という意味です。
このようにしてアンモニアを工業的に生成する事が出来るようになりました。
最近新しい触媒が開発されて、ハーバー法の反応速度が2倍になるそうです。
教科書が書き変わる日もそう遠くないかもしれません。
ハーバーボッシュ方では、単純な反応式ですが、反応速度を落とさず、高温にする工夫がなされているんですね。
教科書には、四酸化三鉄などの酸化物に少量の酸化アルミニウムを加えたものが触媒、とありました!
すごく分かりやすいです!スッキリしました。
常温常圧でやっちゃう根粒菌はめっちゃすごいということでつね?
>> N2+3H2⇄2NH3+92kJ
酸素のない状態ではこのエネネルギーもそこそこ美味しいことも確かですね。
ちな、炭水化物が酸化される時は
CH2O+O2=CO2+H2O+468kJ
これに比べればかな~りしょぼいですが。
F3になってます