石灰水に二酸化炭素を加えると「白濁→透明化」する理由を化学反応式で解説!

どうも、受験化学コーチわたなべです。

しょうご
ブクブクブク…(石灰水に息を吹き込む音)あれ!? ずっと息を吹き込み続けていたら、一度濁った石灰水がまた透明になったぞ! 二酸化炭素がどっかに行ったのか?
受験化学コーチわたなべ
しょうご! それは違うぜ! 実は石灰水に二酸化炭素を加え続けると、再び透明になるんだ!
しょうご
なっ、なんでだー!?

二酸化炭素を検出する試薬として、最も広く用いられているのは「石灰水」です。中高のみならず、小学校の理科実験でも用いますよね。

この石灰水に二酸化炭素を加え続けると、白濁した後再び透明になることは比較的よく知られています。

しかし、それがどのような化学反応なのかをちゃんと理解している人は少ないようです。

この記事では「石灰水に二酸化炭素を加えると白濁する理由」と、「二酸化炭素を加え続けると再度透明になる理由」を徹底解説します!

そもそも石灰水とは

そもそも石灰水とはいったい何なのでしょう?

名前から「石灰の水溶液」だと想像はつきますが、石灰には「生石灰=酸化カルシウム」と「消石灰=水酸化カルシウム」の2種類がありますよね。

「いったいどっちの水溶液なんだ!?」と疑問を持つ人も多いと思います。

答えはズバリ、消石灰すなわち水酸化カルシウムの飽和水溶液が石灰水です!

消石灰(水酸化カルシウム)

消石灰(水酸化カルシウム)

 

しかし、実はどちらに水を加えていっても石灰水はできちゃいます。

というのは生石灰(酸化カルシウム)と水が反応すると、大量の熱を発しながら消石灰(水酸化カルシウム)になるのです。

CaO + H2O → Ca(OH)2 

生石灰を水に溶かしても、消石灰を水に溶かしても、最終的には「水酸化カルシウム溶液」である石灰水が出来る。

そのため「消石灰水」ではなく、「石灰水」というネーミングなのですね。

 

生石灰と消石灰の違いについて詳しく知りたい人は、こちらの記事もぜひ読んでみて下さい。

二酸化炭素を加えると白濁する反応

なぜ水酸化カルシウム水溶液である石灰水に二酸化炭素を通じると、白く濁るのでしょう?

石灰水

 

「白く濁る」とは、白色の沈殿ができ水中に漂っている状態。

塩基性の水酸化カルシウムは酸性の二酸化炭素(炭酸)と下のように中和反応をして、炭酸カルシウムを生じます。

Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3↓ + H2O

水酸化カルシウムの溶解度が 1.7g/l (25℃) なのに対し、炭酸カルシウムの溶解度はわずか 0.015g/l。ほとんど水に溶けません。

この炭酸カルシウムの小さな結晶が水中に漂っているので、牛乳のように白く濁って見えるのですね!

 

二酸化炭素を加え続けると再び透明になる反応

さあ、ここからが今回の記事でもっとも肝心なところです!

いったいなぜ、二酸化炭素を加え続けると石灰水は再び透明になるのか?

ポイントは再び透明にはなるけれど、同じ液体に戻っているわけではないということ。

再び透明になったときは、炭酸水素カルシウム水溶液になっているのです!

石灰水+二酸化炭素

 

中和反応によって炭酸カルシウムの沈殿が出来た後も二酸化炭素を吹き込み続けると、水溶液の液性が酸性に傾きます。

すると下の式の平衡が右に移動し、炭酸水素カルシウムが生じるのです。

CaCO3 + CO2 + H2O ⇄ Ca(HCO3)2 

炭酸水素カルシウムの溶解度は、なんと炭酸カルシウムの100倍!

水に溶け、溶液は再び透明になります。

 

実はこの反応、自然界でも起こっています。

炭酸カルシウムが主成分の石灰岩は、空気中や土壌中の二酸化炭素を溶かし込んだ雨水によって徐々に炭酸水素カルシウムに変わります。

炭酸水素カルシウムは水に溶け出て行ってしまうので最終的には巨大な空間ができ、鍾乳洞となるのです。

鍾乳洞

 

まとめ

石灰水に二酸化炭素を加えると白濁し、さらに二酸化炭素を加え続けると再び透明になる理由は下の通りです。

  1. 石灰水は水に可溶の水酸化カルシウム水溶液です。
  2. これに二酸化炭素を通すと中和反応によって水に不溶の炭酸カルシウムに変化し、白く濁ります。
  3. 二酸化炭素を通し続けると水溶液が酸性になり、炭酸カルシウムが水に可溶の炭酸水素カルシウムに変化し、水に溶けます。
  4. したがって再び透明になります。

「なぜそうなるのか」をひとつひとつしっかり確認していくことが、実力アップにつながります。

地味な作業ですが、コツコツ頑張っていきましょう!