こんにちは。
今回は、酸素の同素体の性質を詳しく解説していきます。
多くの人が、なぜオゾンが酸化力を持つのか? オゾンの製法である無声放電とはなんぞや? ってことを理解していません。
はっきり言って、今回学ぶことがよく出るとはいえません。ですが、どういう物質が不安定なのか? どういう物質が酸化力を持つのか? そういう超原理原則を学ぶことができるのです。
よって、必ず最後まで読んでください。
※この記事は関連記事を読まなければ、2分ほど読み終えられます。
目次
酸素の同素体は酸素とオゾンだけを覚えよう
実際O4やO8などもあるのですが、受験ではO2とO3の2つだけを覚えておけばいいでしょう。
酸素(O2) | オゾン(O3) | |
---|---|---|
分子式 | O2 | O3 |
構造 | 直線型 | 折れ線型 |
色 | 無色 | 淡青色 |
におい | 無臭 | 特異臭 |
特性 | 助燃性有り | 紫外線吸収効果 |
化学式と分子式と電子式

このようになります。オゾンが折れ線型になるのは、電子式を見るとわかります。

このように電子対を3方向に分けると平面状の構造になります。この矢印のところに電子を置いてみます。

このように、真ん中の酸素から3方向に電子が配置されて、一番電子同士の反発が小さいように配置されています。
1箇所は非共有電子対ですので、酸素原子だけを見ると折れ線型となります。このように、電子式から分子の構造を推測する方法は、下の動画で解説していますので、ぜひご覧ください。
色
酸素は無色ですが、オゾンは淡青色です。色は理屈でわかることはありません。なぜならスペクトルを理解しないとダメです。スペクトルを理解するには、フーリエ変換できないと無理です。
酸素が無色なのは、日常生活でわかるでしょう。僕たちが歩いていて空気に色がついていないのですから。また、オゾンは淡青色ですが、オゾンを見る機会がないので暗記しましょう。
におい
酸素は単体で安定ですが、オゾンは不安定です。なので鼻に入ると鼻の粘膜と反応を起こします。鼻は化学反応で匂いを感じ取ります。
オゾンは非常に不安定な物質なのですぐに反応し、特異臭になるのです。
オゾンの色と臭いは語呂で覚えよう
この辺りのオゾンの色と匂いは語呂で覚えてしまえばいいでしょう。
オゾンは端正(淡青)な顔立ち得意(特異臭)顔
このように覚えてください。
酸素とオゾンの反応
酸素の同素体同士の酸素とオゾンは、酸素からオゾンを作ることもできるし、オゾンから酸素を作ることもできます。
酸素からオゾンを生成する方法
ご存知空気中に酸素がありますよね。この酸素が簡単にオゾンになられたら困りませんか? 空気中にオゾンが勝手にできたら、僕たちは生きていないんじゃないかな。
オゾンは有害物質ですからね。ですが、オゾンの生で即死している人って見たことないですよね。つまり、オゾンは死ぬほど不安定なんです。
普通にしていたらオゾンなんて生成することはできないってことなんですよ。これをエネルギー図で表すと、このようになります。

このように、酸素の方が下でオゾンの方が上にあります。つまり、酸素の方が安定で、オゾンにするには吸熱反応をしなければならないのです。
このエネルギー図で下なら安定で、上なら不安定って感覚は絶対に身につけておいてください。エネルギーが高い方が不安定です。これは熱化学の問題を解く上でも非常に重要な感覚です。
なので、外部からエネルギーを与えてオゾンを発生させます。その方法が紫外線か無声放電です。
酸素に外部からエネルギーを与えてオゾンを生成させる方法は、別記事で思いきり解説していますので、こちらをご覧ください。
オゾンから酸素を生成する方法
次にオゾンですが、オゾンは酸化力があります。なので酸化剤として働き、オゾンは酸素になります。なので、あらゆる酸化還元反応からオゾンは酸素になります。
例えば、殺菌作用なんかも菌から電子を奪うことで、菌を殺しこの時酸素を発生させます。よって、酸化還元反応にオゾンが関わっていたら大抵酸素は発生します。
それもそのはず、オゾンは不安定なのは先ほども言いましたね。よってなるべく安定な酸素になりたがっているのです。なので、オゾンから酸素を作るのは非常に簡単です。

O3+2H++2e–→O2+H2O
この半反応式でオゾンは酸素を作り出しているのです。
最後に
いかがでしたか? 酸素の同素体は、酸素とオゾンだけを覚えておきます。オゾンの大抵の性質はオゾンの不安定性からきます。

エネルギー図で高いところにいて、不安定だからオゾンはなるべく酸素に戻りたい。よって、電子を奪い酸素になりたがるのです。
この他にも様々な同素体についてまとめました。同素体はそれぞれの違いが問われたりします。また、同素体と同位体の違いもしっかり区別しないとダメですね。
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