今日は、時々聞くけどあんまり良く知らないと言う『オキソ酸』について解説して行きます。
オキソ酸とは何か?ということだけでなく、この記事を読めば受験に必要なオキソ酸の『構造式』までわかっちゃいます。
「なんで構造式まで覚えなあかんねん」
この構造がわかって居る人は、後々入試問題を解く上でメチャクチャ有利だし、暗記も大幅に減ってくれていい事しかないから頑張って覚えて行こう!
この記事全部読めばどこに役に立つのかも分かるようになるから最後まで読んで下さい!
目次
オキソ酸とは?
オキソ酸とは何か?これは英語を考えればいい。
オキソ酸の英語はOxyacidで、Oxoがあれに似ている。
そう、Oxygen(酸素)。
つまりオキソ酸って言うのは、酸素がくっついている酸ってこと。
酸性酸化物が水と反応してできる酸の事。
例を出した方が分かりやすい。
酸性酸化物と言えば、二酸化炭素とかがある。
二酸化炭素は水と反応すると、
CO2+H2O⇄H2CO3(炭酸)
の反応を起きる。
このできあがった炭酸がオキソ酸。
だから共有電子対を引っ張られたH原子はプラスに電荷が偏るのです。そこにできた『電子のスキマ』これを非共有電子対が電子を挿入するのです。
まあねアレとおなじですよアレと!
多くは語らないけどね
酸性酸化物と水が反応してオキソ酸ができるながれ!
今回は二酸化硫黄と水の反応を例に出します。
これは極性がメチャクチャ大事!
極性は電気陰性度の差で電荷が偏る事。
電気陰性度が分からない人は、こちら
「電気陰性度とイオン化エネルギー,電子親和力を徹底区別!」
例として二酸化硫黄を出すけど、
二酸化硫黄は酸素に共有電子対を引っ張られまくっている。だから少し正に電荷が偏る。
こんな感じで酸素に共有電子対を持っていかれているので少しプラスに偏っているのが分かる。
こいつが水と反応する。
水も極性があり、水素は酸素に共有電子対を引っ張られている事で、プラスに電荷が偏っている。
こいつらがこのお互いの非共有電子対と正の電荷の偏りを『埋め合う』。非共有電子対を正の電荷の偏りに『挿入する』そう、これは大人の化学なのだ!
こんな感じで挿入し合う。
するとこんな感じで新しく結合して、元々の結合が切られちゃう。昨日まで友達だったのに、なんか別の友達ができたからお前とはもう遊ばない!みたいな。
原子は恐ろしい世界だ。
絶対に覚えておくべきオキソ酸とその構造式
オキソ酸って言うのは、基本的に水酸化物です。極性があってそれを知るために、構造が大事だったりする。
なので代表的なオキソ酸の構造式をご覧下さい!
硫酸
硫酸の分子式はH2SO4ですが、これの構造式まで覚えている人は少ないのではないでしょうか。
硫酸の構造式はこのようになります。
「なんで硫黄と酸素が二重結合してるんだ?」
と思われたでしょう。
これは正式な表し方ではありません。このSとOの間の結合というのは、ベンゼン環の結合と似ています。
このベンゼン環は二重結合で表されていますが実際は1.5重結合のような結合がなされています。
これを共鳴といい、このような共鳴が硫酸でも起っていると考えられています。
ですが、受験生的にはここはそこまで神経質になる必要はありません。
硝酸
硝酸の分子式はHNO3ですが、構造式までキッチリ知っている人も少ないでしょう。
リン酸
リン酸も構造を知っておく必要がある。リン酸もよく見ると酸素に絡まれているのが分かる。
[quads id=5]エステル化をするオキソ酸
なんとエステル化はカルボン酸とアルコールの結合だったはず!なんでオキソ酸が?
って思っちゃっている人は、それは有機を丸暗記だと思っているからそうなる。
電気陰性度を考えて電子の偏りとかちゃんと気にしている人は、
「な〜んだカルボン酸もオキソ酸も一緒じゃん!」
って思えるようになっている。
そう思えたら勝ち。
例えば硫酸エステルを考える。
硫酸の構造はこんな感じ。
硫酸の構造を見ると、硫黄の周りを酸素が取り囲んでいる。そして電気陰性度と言うものを思い出してほしい。
酸素Oってフッ素F以外の全ての元素に勝てる最強の電気陰性度を持つ怪物だった。
ということは、硫黄君からも電子を奪って行くだろう。
こんな感じで硫酸分子の中の硫黄原子は四面楚歌なわけ。
だから、共有電子対を4面から引っ張られている。
ってことは普通の状態の硫黄原子よりも遥かに『プラスに電気が偏っている』
だって電子を奪われているんだから。
こういう画像の様な状態になる。
こうなったら、引っ付いてきやすいのが『非共有電子対』
カルボニル基の極性に注目すれば有機反応のスッキリ分かる!
このカルボニル基についてお話ししている記事にも書いてあるが、この硫黄がカルボニル基のC原子のようになっており、
非共有電子対を持つヒドロキシ基の格好の餌食となるのです。
つまりエステルかと硫酸エステルを比べてみると、どう見ても同じなのです。
これが硫酸エステル。
普通のエステル化がこちらの動画
一緒!!!
だからこういう風にキッチリ電気陰性度とか分極とか理論化学とか化学基礎から積み重ねて来たあなたは、こういうところで楽々覚えられる。
でも、残念な丸暗記マシーンはここで滅んでしまう。
「また新しい事を覚えなければ、、、」
って思ってしまう。
いや、全然違う。エステル化の考え方をつかえば、完全に一緒だから。
硝酸エステルも同じように考えて、
もちろんリン酸エステルも!
こういう感じですべて同じ。
具体的にどのように反応するのかはこの動画を見れば流れが分かるので、これを紙に書きながら写しながら覚えて行けばいい。
オキソ酸はこれ以外にもあるけど、かなり重要な物は大体取り上げた。
キッチリ復習しておけば、オキソ酸で失点する事は無い。
それでは最後まで読んでくれてありがとうございました。
やはり電気陰性度は有能ですね。すっきり理解出来てしまいます
そうですよね〜電気陰性度を使って高校でも教えてくれれば良いんですけどね〜
δ+、δ-がどういうときにできるのか、いつ使うのかがわかりません。あと、OHの電気陰性度ってどうやってわかるんですか?
電気陰性度に差がある場合は、片方が共有電子対を引きつけて、片方が取られる感覚です。
あとOHの電気陰性度とまとめる事はできません。Oの電気陰性度が大きい事がわかりますので、Oがどんどん引きつける、つまりHの電子も取られていると考えましょう。
ありがとうございます。電気陰性度を使う考え方で塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの反応もどうなるかわかりますか?
と言うより、これは弱塩基遊離反応です。
ありがとうござい。あと一酸化窒素、一酸化炭素の極性、無極性教えて頂けませんか?ネットだと意見が分かれてるのでよくわからないです。
無極性ですね。
配位結合で偏りが内容に無極性になります。
すいません。質問お願いします。
OHがついているってことは、オキソ酸は水酸化物なのでしょうか?
そうです!
何から質問していいのか分からないのでとんちんかんな質問になってしまうかもしれないのですが回答して下されば嬉しいです。
予備校の授業でオクテット則(だと思うのですが…)を元にした電子式の書き方を教わったのですが、硫酸の電子式の書き方(特に二重結合部分)が分かりません…。色々詳しく調べてみると重い原子になるとオクテット則が成り立たないとかなんとか。それから形式電荷を書かないと間違えになるとか…。二重結合ありのものとなしのものが表記してあったり…。などなど。硫酸の電子式を書け。や構造式を書け。などの問題に一体何を書けばいいのか困っています。
また、不対電子をなくしていく発想で構造式が書けないのはオキソ酸だけですか??
二重結合のところは配位結合ですので→で書いてください。
二重結合のようになっているのは大学に行かないと理解できないと思います
このページと直接関係はないのですが、配位結合について質問です。テトラヒドロキソ亜鉛Ⅱイオンにおいて、[Zn(OH)4]^2-以外に[Zn(OH)3]^-などは作られないのでしょうか。
対称性が悪いので出来ないと思います。
オキソ酸の酸性の強さについて知りたいです。
この電気陰性度の強さと酸性の強さって関わりありますか。
CO2は酸性酸化物で塩基と反応させることができますよね?それを踏まえて水酸化カリウムと反応させたときのことなのですが
KOH+CO2→KHCO3
KOH+CO2→K2CO3+H2O
どちらもあるみたいなんですが違いはなんですか?
電気陰性度が学校で何度も説明されるのが分かりました。こんなに重要なんですね。
もう、高校化学を勉強していると、いつまでもついてまわるジャンルと言えますね。
水と反応して強酸性のオキソ酸を生じる酸化物を答えろ、という問題があるのですが、SiO2,P4O10,SO3,Cl2O7のどれが正解ですか?
また、強酸性と弱酸性の見分け方を教えてほしいです。