どうもわたなべです!
なぜか突然出てくる『さらし粉』という物質一体これがなんなのか?
何に使うのか?無機で出て来たけどこれはどういう反応をするのか?
さしこに似てるけど、、、
あんがい、さらし粉に関してまとめてある参考書ってないんですよね。
だから、今回『さらし粉』特化記事にしていこうと思います。
入試問題を解く上で必要なさらし粉の知識をお渡しして行きます!
さらし粉ってなにものなの?化学式は?
さらし粉ってなんやねん!
って思う人も多いです。
さらし粉の化学式を見てもCaCl(ClO)・H2Oを見てもピンとこないはずです。
しかし!!!!
この化学式を2倍にしてみるとそのさらし粉の正体が分かります。じゃあ一緒にやっていきましょう。
Ca2Cl2(ClO)2・2H2O
え、これでわからない、、
じゃあ並べ替えてみよう!
CaCl2・Ca(ClO)2・2H2Oとなりさらし粉は塩化カルシウムと次亜塩素酸カルシウムを混ぜ合わせた塩であると言う事が分かります。
さらし粉は別名次亜塩素酸カルシウムと別名で言います。だからさらし粉を水に溶かすと、Ca2+、Cl–、ClO–になります。
このうち、ClO–(次亜塩素酸)が酸化力を持つのです。この酸化力が強い『殺菌・漂白作用』を出すのです。
だからさらし粉はプールの洗い場での消毒に使われることが多いです!
この酸化力が後に、入試頻出の反応式の要因になっているとは、あなたは知る由もなかった、、、
高度さらし粉って何?
上の章で言った通り、さらし粉の性質はHClOの酸化力である事がわかる。
つまり、メインはCaCl(ClO)・H2Oの部分の(ClO)の部分である。
しかし、問題がある。
CaCl2は、非常に吸湿性がある。有機化学の元素分析でも乾燥剤として使われてしまっている。
こちらの記事でお話ししている。
つまり、水をどんどん吸収する。
そうするとClOは液体っぽいくなる。そうすると弱酸であるHClOのイオンClO–が強酸であるHClのイオンであるCl–が居るなかでイオン化できず、Ca(ClO)2からHClOが遊離して行ってしまう。
弱酸遊離に関してはこちら
こうなってしまうと有効成分を失ってしまう。
(まさかこの弱酸遊離反応が起ると言うことが、後ほどさらし粉の重要反応に繋がるとは、まだあなたは知る由もなかった、、)
だからCaCl2を取り除いた高度さらし粉というものが使われる。つまり高度さらし粉はCa(ClO)2と言う化学式を持つ。
こうする事で、次亜塩素酸が途中で失われる事無く、とどめておく事が出来る。
塩素の生成反応に使えるさらし粉
塩素の生成反応としてよく出題されるわけですが、多くの問題集や、参考書、新研究でさえも説明が無くて驚いた。
CaCl(ClO)・H2O+2HCl→CaCl2+2H2O+Cl2↑
という反応であるが、
あまりにも説明が無い物だから、『覚える物だ!』と思い込んでいる受験生が非常に多い。
しかし、これは作り出す事が出来る。
この作り方は必ずマスターしておいてほしい、
でももう既にヒントは出している。
それが、弱酸遊離反応と次亜塩素酸の酸化力である。
実はさらし粉から塩素が発生する反応は2つの反応をまとめて作られているのです!
さらし粉に塩酸を加えるとこの反応が起るわけですが、最初に起るのが、
『弱酸遊離反応』
なぜならCaCl(ClO)・H2Oの(ClO)は弱酸です。
そして塩酸であるHClは強酸である事は言わずもがな。
だからHClを加えるとHClOは遊離されてしまうのです。
CaCl(ClO)・H2O+HCl→CaCl2+HClO+H2O
そして残った次亜塩素酸と塩酸でお次は酸化還元反応を起こします。
HClのClは酸化数-1、
HClOのClは酸化数+1
ということでこの2つが反応すると
間の酸化数0をめざすしかありません。
そしてこのとき、塩素で酸化数0はCl2のみ。
だから2つからCl2が発生する反応を考えればいいのです。
(R)2Cl–→Cl2+2e–
(O)2ClO–4H++2e–→Cl2+2H2O
この2つの半反応式を会わすと
2HCl+2HClO→2Cl2+2H2O
となる。
これと弱酸遊離反応をあわせてやると、
CaCl(ClO)・H2O+2HCl→CaCl2+2H2O+Cl2↑
これになるんですね〜!
これは塩素の発生反応として重要な反応ではありますが、覚える必要性は0なんです。だから毎回ちゃんと作り出せるようにしておきましょう。
ていうか反応式の詳細な係数を覚えるとか人間がやるべき事ではないので!
考えられるようにしておくと言うのが重要です。
アニリンの検出反応に使えるさらし粉
これもさらし粉の酸化力を用いた反応です。
さらし粉の酸化力でアニリンが反応して赤紫色に呈色するのです。
このような文章があれば、『アニリンあり』という風に構造決定でも決める事が出来ます!
かなり発展的な内容になり、覚える必要は全くないんですが、
アニリンとさらし粉を反応させると赤紫色になるのは、
プソイドモーベインという下のような構造を持つ化合物が生成するからです。

プソイドモーベイン
この構造が赤紫色に呈色するのです!
どうでしたか?案外さらし粉って重要な鍵を握っているし、
今回の事が分かればさらし粉の反応、性質、など分かってくるのではないでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました!
(O)2ClO–4H++2e–→Cl2+2H2O
この式はどこから出てきたんですか?
あと、
CaCl(ClO)・H2O+HCl→CaCl2+HClO+H2O
と
2HCl+2HClO→Cl2+2H2O
を合わせたら
CaCl(ClO)・H2O+2HCl→CaCl2+2H2O+Cl2↑
になる理由がわかりません。
単純に足したり割ったりしてもうまく行かないです、、、、
2ClO–からCl2が出来ると言う事は、
記事にも書いてある通り分かると思います。
これをつかえば、半反応式はつくれます。
そしてもう一個の質問は、
酸化還元の式を間違っていました。
修正しましたが、
Cl2ではなく2Cl2でした。
申し訳ありません。
これを見れば、実際に作り出している様子を
描いているので分かると思います。
ありがとうございます。
おかげさまで理解できました!
おもしろかったです!
「2倍にする」
非常にわかりやすくなりました!!ありがとうございます!!
いえいえ、どんどん活用していってくださいね!!
さらし粉は塩化カルシウムと次亜塩素酸カルシウムの複塩である、の意味が分かりました。
さらし粉の分子式が、覚えやすくなります!
そうですね!そういうことです1
Ca(ClO)2からHClOが遊離して行ってしまう。
と
有効成分を失ってしまう。
とはどういうことですか?
HClOには酸化作用があると思うのですが。。
CaCl(ClO)H2O→Ca(OH)2+ Cl2
の、様にはならないのですか??
さらし粉の名前について、何か由来はあるのでしょうか。
辞書などで調べてみたのですが記載がなく、もう少し自分でも調べてみようと思います。
名前の由来が解ると、おお!となるとおもうので‥
いつもサイト見させてもらってます。CaCl(ClO)H2OはHClを入れずとも適当な酸に入れるだけで(例えばHNO3)
Cl^- ClO^-が水溶液中に溶解する状態になりCl^- +ClO^-+2H^+→Cl2 +H2Oが進行し、結果
CaCl(ClO)H2O+2HNO3→Ca(NO3)2+2H2O+Cl2
となる。という予想は正しいでしょうか?
また、ClO^-はH^+の存在下でのみ酸化剤として働くのでしょうか?
Cl^- +ClO^-+2H^+→Cl2
これは進行しないですね。
HNO3が強酸化剤なのでこいつとCl–が反応するでしょう。
濃硫酸、十酸化リン、塩化カルシウムが乾燥剤として働くのはどうしてで、どのようにして吸湿するんですか?
ソーダ石灰の場合はソーダ石灰についてのブログを拝見させてもらい納得したのですが…。
(R)2Cl–→Cl2+2e–
(O)2ClO–4H++2e–→Cl2+2H2O
ここでなぜ上の式ではHが出てこないのか、また下の式のH+の係数である4はどこから来たのかがわかりません。ここはどのような意味なのでしょうか?