「典型元素」と「遷移元素」の違いと見分け方をわかりやすく徹底解説!

周期表 13ー18族(2)

どうも受験化学コーチわたなべです。

しょうご
元素の分類ってなんでこんなに色々あるんだ? 典型元素… 遷移元素… 金属元素… 非金属元素…? どれがどれだか分かんねー!!
受験化学コーチわたなべ
元素は沢山あるから分類した方が便利なんだ! この記事で元素の分類について徹底解説するぜ!

典型元素と遷移元素」そして「金属元素と非金属元素」というのは、118個の元素をざっくり2グループに分けたときの名前です。

そう、元素には2種類の分け方があるんですね。

今回はそのうち「典型元素遷移元素」がテーマ。

この記事を読めば、典型元素と遷移元素の「違い」と「どう見分るか」が分かるようになります!

典型元素と遷移元素の違い

ロシアの科学者メンデレーエフは、元素を軽い順に並べてみました。

すると似た性質をもった元素が一定の間隔で現れることに気づいたのです!

そこで似た性質を持った元素をタテに配置し、表にしました。

これがあの有名な「周期表」です。

周期表

この周期表の前半部分(中学校で「水兵リーベ僕の船七曲りシップスクラークか」と暗記する部分)は、原子番号が一つ進むごとに全く違う性質になります。

しかし4列目のカルシウムの後には、原子番号が変わっても非常によく似た性質をもつ元素がつづきます。

つまり、「タテだけでなくヨコの元素も性質が似ているゾーン」があるのです。

これを周期表で表すとこうなります。

周期表 典型元素と遷移元素

緑で示された「原子番号が一つ進むごとに全く違う性質になる元素」が典型元素です。

オレンジで示された「原子番号が変わっても非常によく似た性質をもつ元素」が遷移元素です。

なぜこのような性質をもつのか?

その理由をこれから解説していきます!

典型元素の電子配置

なぜ典型元素は、原子番号が一つ進むごとに性質が変わるのでしょう?

それは、最外殻にある価電子の数が変わるからです!

たとえば原子番号9番フッ素(F)は、最外殻のL殻にある電子が「」で1価の陰イオンになりやすく反応性が非常に高いです。

しかし原子番号が1つ進んで10番ネオン(Ne)になると、最外殻電子は「」でL殻が閉殻となり反応性はほとんどなくなります。

次の元素、原子番号11番ナトリウム(Na)は、最外殻のM殻にある電子が「」になり、1価の陽イオンになりやすく反応性が高くなります。

典型元素

最外殻電子の数が元素の性質を決めるので、典型元素は原子番号が変わると最外殻電子の数も元素の性質も変わるんですね!

 

遷移元素の電子配置

しかし遷移元素は、規則通りにK殻→L殻→M殻→N殻という順番で電子が入りません

N殻に電子が2つ入ると、次はM殻の電子が9、10、11と増えていきます。

その結果、元素の性質を決める最外殻電子はずっと「2」のままなのです!

原子番号21番スカンジウム(Sc)も、22番チタン(Ti)も、23番バナジウム(V)最外殻電子は2つです!

遷移元素

このように、遷移元素は原子番号が変わっても最外殻電子はほとんど「2」なので似た性質になるんですね!(クロムなど、最外殻電子が「1」のものも少しあります。)

遷移元素の電子配置がこのようになる理由は「電子殻の中には軌道というものがあり、そのエネルギー順に応じて電子が配置されるから」です。これは大学で学ぶ電子軌道を理解しなければなりません。

こちらはYouTubeで再生リストを作成しましたので、気になる人は以下の動画をご覧ください。

 

遷移元素の共通性質

では、遷移元素の「似ている性質」とは何でしょうか?

複数の酸化数をとる

遷移元素では最外殻にない電子も反応に関わることがあるので、ひとつの元素が複数の酸化数をとります。

たとえば鉄は「+2」と「+3」、マンガンは「+2」「+3」「+4」「+6」「+7」の酸化数を取ることができます。

また、 Fe2+Fe3+のように、ひとつの元素が異なる価数のイオンにもなります。

 

イオンは有色

電離してイオンになると有色の水溶液になります。

これに対して、典型元素のイオンはほとんどが無色です。

イオンと色の組み合わせは重要なので、しっかり確認してくださいね!

遷移元素 イオン色

 

全て「硬い金属」

金・銀・銅・鉄・ニッケルなどの硬度が高く重い金属は遷移元素です。

ただ典型元素にも「アルミニウム」や「亜鉛」などの金属があるので注意してください!

硬貨

 

錯イオンをつくる

遷移元素のイオンは他のイオンとくっついて「錯イオン」をつくるものが多いです。

代表的な錯イオンはテトラアンミン銅(II)イオン[Cu(NH3)4]2+)やヘキサニアニド鉄(II)イオン[Fe(CN)6]4-)などです。

錯イオンについてはこちらの記事でも説明していますので、くわしく知りたい方は読んでみてください!

 

典型元素と遷移元素の見分け方と覚え方

では、典型元素と遷移元素の「見分け方」にいきましょう。

受験に出てくる元素は典型元素の方が圧倒的に多いです。

なので、代表的な遷移元素を覚えて「それ以外は典型元素」という風に見分けるのが効率的!

代表的な遷移元素はゴロ合わせで覚えましょう!

スコッチ暴露マン

徹子に金銀銅!

(Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Au, Ag, Cu)

スコッチ暴露マン

「スコッチ暴露マン徹子にどう…」までは「水兵リーベ…」のつづきの有名な覚え方です。

それに「銅と性質が似ている」という理由で時々試験に出てくる「金」と「銀」を加えたものがコレです!

 

まとめ

この記事では「典型元素」と「遷移元素」の違いと見分け方を、わかりやすく徹底解説しました。

まとめ

典型元素 … 原子番号が一つ進むごとに全く違う性質になる元素

遷移元素 … 原子番号が変わっても非常によく似た性質をもつ元素

遷移元素の「よく似た性質」とは:

  1. 複数の酸化数をとる
  2. イオンは有色
  3. すべて「硬い金属」
  4. 錯イオンをつくる

です。