こんにちは。
陽イオンの系統分析において「硫化物イオン」が非常に重要です。
硫化水素って陽イオンの系統分析で非常に重要なものなんですよね。陽イオンの系統分析は酸性条件下でのH2Sと塩基性条件下でのH2Sで沈殿するかどうかでグループ分けしていくのが系統分析です。
このように陽イオン系統分析は第1、2属が酸性条件でH2Sで沈殿するもの。第3、4属が塩基性条件でH2Sで沈殿するもの。第5、6属がH2Sは条件に関わらず沈殿しないです。
このように系統分析で非常に重要な物質です。
- H2Sの液性(酸性or塩基性)で沈殿するものが違うのか?
- どのような沈殿ができるのか?
目次
H2Sが酸性か塩基性で沈殿する陽イオンが異なるのか?
これらの陽イオンが全て溶液の中に入っていたとして、上のように硫化水素で3つのグループに分かれます。なんと酸性か塩基性かで溶解度が異なるんですね。
ちなみにいうと上の陽イオンの3つのグループですが、イオン化傾向順に左から並べています。
ってことです。
逆に、
こういう関係です。
ルシャトリエの原理とは変化に抗いたいという気持ちみたいなもんです。化学平衡状態の時にその平衡を移動をして平衡を和らげるように移動する法則です。
H2S⇆2H++S2-
の平衡ができています。酸性液中ならこのH2S由来にH+以外に酸のH+が液中に存在します。そのせいで平衡が左に移動しやすくなります。
てことは、溶液中にあるS2-も減ります。
一方で、塩基性条件の場合は、
H2S⇆2H++S2-
こちらの平衡が右に移動します。なぜならH+が塩基性のOH–によって消費されて平衡が右に移動するからです。
つまり、沈殿は塩基性の方が起きやすいです。
H2Sの陽イオンとの沈殿と色の覚え方
酸性条件でもH2Sと陽イオンの沈殿と色の覚え方
母に言おう生 口説 き ド エッチじいさんぎっくり腰
H2S Pb Cd(黄色)Cu Hg Ag
出典:坂田アキラ
このように覚えていきます。
塩基性条件でもH2Sと陽イオンの沈殿と色の覚え方
賛成できない母に言おう『徹子に 会えん。』
中性塩基性条件H2S Fe Ni Zn
出典:坂田アキラ
このように覚えていきます。
最後に:硫化物イオンとの沈殿は陽イオンの系統分析で最重要
おそらくこの記事にたどり着いたのも陽イオンの系統分析を勉強中だったと思います。
このサイトでは陽イオンの系統分析も解説しておりますので合わせてご覧くだされ。
あまり重要では無いと思いますが、煮沸でH2Sが追い出されるのはなぜでしょうか?溶解熱や溶解度が絡んでいるのですか?
揮発性の問題です。
Al3+は沈殿しないと思ったのですが私は何か条件を見落としてますでしょうか?
すみません。その通りです。
せっかくCdSが黄色なことも明記してあるので、
ZnSが白色であることも書いたほうがいいと思います!
ありがとうございます!
Mnって重要ではないですか?