原子と原子核の構造をわかりやすく図解してみた

原子核の構造

1803年の原子説以来、原子こそ最強の粒であり、最小単位だと考えられていました。しかし、実は原子はさらに小さい粒子に分割することができるとわかったのです。

 

今日は、その原子の構造をよりミクロな世界まで分割したものを紹介していきます。

目次

原子を構成する粒子たち

原子の構造は、次のように分割される。

原子の構造

まず、原子は原子核と電子殻に分割されて、原子核は陽子と中性子に分割されます。それぞれの構造を見ていきましょう。

原子の構造

原子の構造(原子核と電子)

原子は、このように原子核と電子から構成されます。このように、原子核の周りを電子が回転します。さらに、原子核は

原子核の構造

このように、陽子と中性子からできています。先ほどまとめたように陽子には正の電荷があり、中性子には電荷がありません。原子内の陽子と電子の数は同じなので、原子は電気的に+ー打ち消しあって中性です

原子の大きさ

原子の直径はどこからどこまでなのか?

原子の大きさ(直径)

原子は、原子核の周りを電子が高速で運動しています。その電子の運動範囲が原子の大きさとなります。種類によっても変わりますが、桁は10-10m=10-8cm=1Å(オングストローム)

Åとは、10-10mのことを表す。読み方はオングストローム

原子の質量は何で決まる?

原子の質量は、陽子と中性子の質量の和で決まります。

粒子 質量(g) 質量比
陽子 1.673×10-24 1
中性子 1.673×10-24 1
電子 9.109×10-28 1/1840

質量の比が、陽子、中性子:電子=1840:1ですので、電子の質量は無視します。よって、原子の質量は陽子の質量と中性子の質量の和とします。また、陽子の数と中性子の数の和を質量数と言います。

覚えるべし

質量数=陽子の数+中性子の数

原子の種類は何で決まる?

原子って構成粒子が、陽子、中性子、電子ですよね。酸素だろうが、ヘリウムだろうが、水素だろうが、構成する原料はこの3つの粒子な訳です。

 

なのに、あるものは常温で気体だし、あるものは金属です。これは、原子、元素の性質は主に電子の個数で決まっているのです。

 

そして、この記事で学んだように、電子の個数は陽子の個数と等しいですよね。なので、化学では陽子の数の順番に並べた周期表というものを非常によく使います。

 

そして、陽子の数のことを原子番号と呼びます

ちなみに、中性子の個数は一定ではなく、同じ元素の原子でも中性子数が異なるものも存在する。同じ元素で中性子の個数が異なる原子同士を同位体という。

原子の本当の姿(大学の化学)

ここまでの説明では、電子は完全に粒であるかのように解説しています。でも、実は電子っていうのは粒だけでなく波動にもなるのです。つまり、

原子の構造(原子核と電子)

こんな風に原子核の周りを電子が飛び回る断面図を書かれていますが、実際は電子がいる場所なんて観測できたものではないのです。波動になったりしますからね。

 

なので、原子の周りの電子は雲のようにぼんやり存在しているのです。

原子の本当の構造電子雲

この青いところに電子がいる可能性が高いのです。

これを「電子雲」と言います。実は二重結合ベンゼン環の構造を理解するときに、この電子雲という考え方は重要になります。

まとめ

では、最後に何を覚えたらいいのか? を解説しておきますね。

覚えるべし
  • 原子は陽子、中性子、電子からなる
  • 陽子と電子は同じ個数原子内にある
  • 中性子の個数は一定ではない
  • 陽子と中性子の質量は同じ、電子の質量は陽子中性子の1/1840倍

では、次回は中性子をメインとして話していこうと思います。



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浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。