原子量とは?単位はないのか?わかりやすく説明してみた

こんにちは。

超基本的な「原子量」ですが、どういう定義なのかバッチリ理解している人は少ないはずです。また、原子量といえば、「原子量の基準変更問題」などがかなり厄介ですよね。(12C=6とするみたいなやつです)

 

これから学習する人が多いでしょうが、普段計算で使うときはそれほど問題がなくても、一度原子量が題材の記述問題が出たり、原子量の基準変更問題が出題されると、詳しい理解が問われます。

 

なので、この記事でしっかり理解しておいてください。

 

※この記事は2〜3分でサクッと読めます。もう原子量と相対質量の違いがよくわからなくなることはなくなるでしょう。最後までお付き合いください。

できれば、相対質量はバッチリ理解しておいて欲しいですね。

関連:相対質量とは何か?求め方は?原子量との違いをまとめてみた

目次

原子量とは相対質量の期待値のことである

まず、軽く確認しますが相対質量は、12C=12を基準にとった相対的な

地球上には、同じ原子でも中性子数が違う同位体が存在します。例えば、塩素原子は相対質量が35のものもあれば、37のものもあります。相対質量35の存在比が75%で37が25%です。

↓こんな状態↓

ですが、原子でいちいちこのような同位体を考えて計算していたら非常に面倒です。さらに同位体っていうのは、それほど化学的な性質も変わらないので、違いを見つけることも難しいのです。

 

なので、この世の中の塩素原子は全て35.5ってことでいいのではないか? ってことになったんですよ。

これは、

という風に考えたからです。これは、地球からランダムに塩素原子を取り出したら、塩素原子の相対質量の期待値が35.5だからです。

原子量とは

12C=12を基準とした相対質量で同じ元素の同位体の中での期待値

原子量の求め方

原子量の求め方は、原子量が同位体の相対質量の期待値であることがわかっていたらめちゃくちゃ簡単です。

(期待値)=(数値×確率)の総和

で求められます。

 

例えば、地球上にある35Clと37Clで相対質量の期待値は、

35×0.75+37×0.25=35.5

と簡単に求めることができます。

原子量に単位はないの?

原子量は単位はありません。それは12C=12という基準がそもそもバーチャルなものだからです。この12自体は、質量数からきているので、質量数に単位がないのと同様相対質量にも、原子量にも単位はありません。

 

けど、12Cを12gの中にある12Cの個数を1molと考えるようになったので、原子量の単位は厳密にはない! とかいうことになんの意味もない。

 

原子量、分子量、式量、イオン量、全てg/molです。1molあたりの質量を表していると考えればいいし、計算問題ではg/molを事実使うわけだから、原子量の単位はg/molだと思っておけばいいでしょう。

原子量の基準変更問題

原子量の計算問題で頻出なのが、原子量の基準を変更する問題です。

原子量は12C=12を基準としていますが、この基準を変更するような問題がよく出題されます。例えば、簡単な問題だと12C=24にしたりします。

 

これをすると何が変わるか? っていうと、1molの個数「アボガドロ定数」が変わります。アボガドロ定数の定義は、

原子量から1molを規定する

12C=12の原子を12g集めた時にそこに含まれる原子の個数のことをアボガドロ定数と言います。これが、12C=24になると必然的にアボガドロ定数12Cを24g集めた時の個数がアボガドロ定数になります。

 

このように、アボガドロ定数が変わるとどのように他の物理量に影響が加わるのかが問われる問題です。その受験テクニックを解説した記事を書きましたのでこちらをご覧ください

原子量の基準変更問題は意外とムズイので裏技テクニックを公開

まとめ

重要ポイント
  • 原子量は同位体の相対質量の期待値
  • 原子量の基準を変更する問題は、アボガドロ定数が影響を受ける。

いかがでしたか? 原子量についてスッキリまとめてみました。



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浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。