こんにちは。
普段ブログでは、『立式』という観点から化学の計算をお話ししています。
なぜなら、どういう式を立てたらいいのか分からんって言う受験生が多いからです。そして、立式が非常に難しく、俺も手こずっていたため、こういうことについてきっちり解説しないといけないなと思っていました。
しかし!分数とか少数の計算もだるいのもこれまた事実なのです!
例えば、今回質問を貰った問題。
最終的な答えがV=0.728になります。
この問題ちなみに080Lとなっていますが、
0.808Lです。
これ筆算しまくってできると思いますか?
絶対無理です!!
途中で必ず間違える事を保証します!笑
受験生というのはとにかく化学の計算が嫌いな生き物なのです。
受験生が式を立てられたとして、実際にこの計算ゴリゴリやって落としている人がメチャクチャ多いんです!
(この式の簡単な計算方法の立て方は、この記事の最後に解説動画を用意しているので、最後まで読んでください)
今日はそんな迷える受験生から計算に関する質問が来たのでそれに関して回答していきます。
目次
今日の質問内容
その為解き直すのにも時間が掛かりとても困っています。
是非、複雑な分数計算のコツや約分のコツを伝授して下さい!(;_;)
正直、なかむら
めっちゃ分かる、、、、、、
そう、実はこれは俺もやっていました。
なかむらがおかしていた過ち
これは質問者さんへの返答の一部ですが、若かりしなかむらの過ちをさらけ出しておきます。
いや〜めっちゃわかります!笑
筆算3回くらいして、桁間違うとか、
時間だけロスして点数にならないって感じて、
模試終わったときはスゴい達成感なんだけど、
返却されると絶望してました笑
「おいおい、なかむら先生そりゃねえぜ!」
って言えてるあなたはいいんですが、
実際は、
「あ、俺の事だ、」って思った人も
多いでしょう。
すこしでも、
「俺の事」
「私やないかい!」
と思った人は、悔い改めてこの記事を舐め回すように読み続けましょう。
化学のだるいモル計算を防ぐ方法
というわけで俺が回答していった内容をお話しして行きます。
まず、絶対にやってはいけない事を言います。
これをやっている限り、あなたが試験中に費やしている時間はすべてチリとかします。
理論化学の計算をゴリゴリやって達成感を得るのはうんこです。
試験中にうんこはやめておきましょう。
そのうんこのような行為とは、
『その都度計算する』することです。
あなたがこのお猿さんと同じ事を言っていないことだけを願っています。
実は、このいきなり計算すると言う事が一番やってはいけない事なのです。
どういうことか次のセクションでお話しします。
だるい計算回避テクニック①計算しない
273をとっておいた方が良い事もあるなんて!?
形振り構わず掛け算して、地道に約分したらその後割って…の繰り返しをしていました。
それも近似を使わず…
そして結局ミスっていた時の絶望感と言ったらもう。 (°ω。)
彼も昔のなかむらと同じようにひたすら計算ごり押し作戦をしていました。
俺も昔やっていましたが、しかし、
試験中のやりきった感と疲労感とは裏腹に、
帰って来た模試の△の嵐、
この間違いに関してはある種割り切った方がいいです。
その割り切り方は、
『計算ごり押しで正解になるわけがない!』
計算をゴリゴリやっても絶対に上手くいかないんですよ残念ながら、
だから
『もう絶対に俺は少数とか分数のゴリゴリ計算はしない!』
と誓う事です。
そして、大事なのが、
いったん計算しないこと、
俺の判断基準は、
『筆算しないとできない計算は絶対に最後までやらない』
ということです。
最後の最後までやりません。
例えば、ヘンリー定数を求める方法などは、普通は俺は最後の最後まで計算しません!
ヘンリーの法則は
na=kPaV水
という式で求めます。
このときまず最初の問題文でkを求めます。
このヘンリーの法則の記事で紹介している方法ですが、
このときに、kを求めるわけですが、kを求めるときにまだまだ計算しないというテクニックを使います。
どういうことか?をこのブログ記事の一番下のどうがで説明しています。
だるい計算回避テクニック③補助単位の利用
あなたもきいたことがあるとおもいます。
kg(キログラム)のk(キロ)とかです。
他にはhPa(ヘクトパスカル)のh(ヘクト)など、
こういうのをうまく使うと大幅に計算とその正確さが増します。
補助単位の使い方はこちら
だるい計算回避テクニック③立式を工夫
そもそも、あんまり計算が無いような式を立てて行きます。
よくあるのが、気体分野ですよね。
気体分野では、状態方程式と言う変数だらけの厄介な奴が居ます。
だから俺は『状態方程式』を使うのは図を書いて1枚のときだけ!
と言っています。
このように、代入してだるい計算になる事が見え見えなのが、この状態方程式、またはボイルシャルルの法則です。
俺の感覚としては、普通の入試問題で、ボイルシャルルの法則は使う事がありません。
状態方程式はまれに使います。
普段は俺の下の記事に書いてある方法で、関係式を立てて行きます。変化の中で一定を探すと言う作戦を使えば大幅に計算を減らす事ができます。
気体の問題攻略!状態方程式の入試での使い方!○○を殺せ!
図が2枚以上あるときは、
変化の中で一定を探してRとまとめる
という手法をとります。
こうすることで、状態方程式を回避する事ができます。
混合気体の分野でも大幅に計算を減らす方法があります。
本来俺は、化学の計算は全てモル利用モル比が大事であると言っています。
モル利用モル比を知らない方はこちらの記事でお願いします!
理論化学の計算なんて簡単!2つの事を意識するだけで解ける!
でも混合気体でモル利用するのは面倒!なぜなら、先ほどと同じ理由!
モルは状態方程式で3変数を含む計算ができてしまう。
だから、こういうときに分圧、分体積を使ってなんとか計算を減らして行く!
分圧、分体積の使い方はこちら
『混合気体の入試問題の解法!分圧、分体積を使う意味とは?』
だるい計算回避テクニック④近似式を使う!
質問してくれた方から貰った問題がこれ。
この問題、普通に解いたら大変な事になる。
でもこれって、メチャクチャ簡単に解けるんです。
最後は
「え、これだけでいいの?」
ってなる。
というわけで、こういう計算をゴリゴリやっている人は、
きっちり近似をしていきましょう。
↘︎のように近似して行きます!近似だけでなく補助単位の扱い方もすこし語っています。
めっちゃらくになったでしょ!
近似ってこうやって使うんですよ!
注意点
有効数字2桁で使うのは、怖いです。100以上の時点で3桁なので、この近似計算は、最終手段。
多少の数字のずれは仕方ないと思ってください。急いでいて、少し点数が引かれるのは仕方ないと言う場面はかなり多いです。
(2)で四捨五入した値をそのまま(3)でつかうようなものだと思っておいてください!
まとめ動画!
今回の内容をまとめて動画にしています
こちらの動画で説明していたヘンリーの問題が途中できれているので、こちらで解説しています。
まとめ動画の続きはこちらです。
このようにしてなんとか分数計算を減らして、約分して行ったり、近似を使ってなるべく簡単な計算をするように工夫して計算して行ってください!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!
100:1の近似は衝撃的でした!
この近似を使っても答えは絶対同じになるのですか?
そうですね!俺もめちゃくちゃ最初は感動しましたね!
これは、近似式の条件を満たせばつかえます!
また、この近似は酸塩基の水素イオン濃度を求めるときにも使います!
近似の考え方を使うと答えと微妙にずれてしまうことがあるのですが。
(1)で四捨五入した物を
(2)で使うと答えがズレるみたいな感じで、
近似の仕方や、
四捨五入のタイミングで、
答えがズレるのは、おそらく、許容範囲だと思われます。
問題集の解答も、
各大学が正式に出した解答ではなく、
出版社が作った模範解答ですから、
本当のところはわかりません。
しかし、理系学生として大学に居た身として、
誤差は仕方が無いと思われます。
ちなみに有効数字を無視して近似しては行けません。
度々すみません。
有効数字を無視して近似するとはどういった場合でしょうか?
また、自分が間違えた計算はこの2つです。
割合(%)を求める問題 有効数字2桁
解答 2.88÷5.6×100=51.4… よって51%
近似を使ってみた場合
2.9÷5.6×100=51.7… よって52%
xを求める問題 有効数字2桁
解答 76×1.01=0.2(1+x)×8.3×31
x=0.491 よって0.49
近似を使ってみた場合
76×1=0.2(1+x)×8.3×31
x=0.476 よって×=0.48
この二つの計算は近似の使い方にミスがあるのでしょうか?
有効数字3桁のときに、3桁目を近似したりするとかですね。
近似の使い方にミスはありません。
近似を使った事を明示すれば大丈夫だとは
思いますが、
これは取捨選択になると思います。
2次試験は2科目やらなければならないので、
時間があれば、全部計算したら良いし、
ヤバかったら近似したら良いと思います。
僕は、普通に計算するというのは、
かなりミスが増えますし、
その筆算を頑張ってやっても、
コスパが良いとは思えません。
なるほど。
今回に至っては、有効数字2桁だから3桁目以降は近似してもいいのですね。
また、1.01≒1.0などとしっかり明示すれば問題ないのですね。
分かりました。
ありがとうございます。
採点者じゃないので正確なことはわかりませんが、
おそらく大丈夫だと思います。
近似って最強ですね
ばんばん使っていきます
そうですね、使って行った方が早くなります!≒は忘れないように!
突然失礼します。
近似値の計算なのですが、
100×1.02×4.1×12.1=5060,22の計算を、
102×4.1×12としたころ、答えが5018.4となりました。
12:0.1=100以上:1だとおもうのですがなぜうまくいかないのでしょうか
100:1以上の1を無視するのですから、500の100:1である、5くらいはズレます。
なので、この近似は、どうしても計算が終わらない!というような場面で使う事をお勧めします。
近似と有効数字の関係がよくわからなかったんですけど、
101を100と近似(つまり100:1)していいのは有効数字2桁の時で、3桁の時は1001を1000と近似(1000:1)ってことでしょうか?
違います100以上:1は有効数字に関係なく使えますが、
リスクを考えて使ってください。
これって有機の元素分析に使えますよね
あれは最終的に整数の比を出すものですし
近所前提なんでリスクもないですし
まさにそうですね!
突然失礼します、僕がたまに使ってる近似方法です
例えば「334*810*x」を計算する時
「334は330より約1.3%上、810は800より約1.25%上、だから上の式は300*800*xに10%足したモノの2.6%上ぐらいのはず」
と考えると有効数字2桁なら大抵合います(3桁は無理です)
ここで334を330より1.3%上と考えたのは
「330の1%はだいたい3、これで差分の4を割ろう」と考えました
すなわち、近似計算は%で考えると誤差が減るということです
ですが、大学受験では計算がそこまでぐちゃぐちゃにならないよう作られてることが多く普通にやった方が早いことも多いです
しかし、もう少し近似を緩くしても誤差5%ほどに収まるので選択式の場合はいいかもですね
長文失礼しましたm(__)m
PS.気体でよく出てくる3*8.31という計算は25で近似しても誤差0.3%程でかなり精度よく計算できますね
近似なんて意識したことがなかったのでこんなに簡単になるなんて驚きました!
ただ記事の中で有効数字二桁だと危険というのがいまいち分からなかったのですがどうしてなんでしょうか?有効数字が減るほどこの近似の誤差は広がるということですか?リスクが少ないのはどういう有効数字の時なんでしょうか?理由も教えてくれると助かります!長々とすみません。
この問題なんですが、近似を使わなくても約分すると簡単にできると思います。約分でうまく式を簡単にできるなら近似を使わない方がいいと思います。
この記事で伝えたいことはそこじゃないので。
具体例は別になんだっていいです。