配位結合って理解できるような理解できないような微妙ですよね。
と細かいところで疑問に思っている人が多いです。
このような疑問にお答えしていきます。
- 配位結合とは?
- 配位結合と共有結合の違いは?
- 配位結合はたった3パターンです。
また、配位結合って別に理解するのが難しい概念ではありません。
わかったところで入試の点数には結びつきません。配位結合はどこで使われているのかを把握しなければなりません。
配位結合と共有結合の違いを説明した上で配位結合はどこで使われているのかを解説しましたので、そちらもご覧ください。
※この記事は2分ほどで読めます。読み終えましたら、オキソ酸など実際に配位結合が使われている場面を確認してみてください。
目次
配位結合とは?
配位結合とは、このように電子を持っていない空っぽなAに、非共有電子対を持ったBが電子を提供してできる結合です。
しかもすごいのが、この配位結合はBが提供したらAはあたかも自分も電子を出したかのような顔をするんですよ。
どういうことかというと、配位結合はいざ結合してしまったら共有結合と全く同じ振る舞いをするんです。もう区別がつかないんですよ。
例えば、アンモニウムイオンは、
このようになります。4本の共有結合のうち、1つは配位結合なんですが、もはや共有結合と配位結合の違いはわかりません。
配位結合と共有結合の違いは?
共有結合は、お互いに電子を出し合います。
配位結合は、片方が電子を全て出して、片方は1つも電子を出しません。
にも関わらず、結合が完成してしまえば、配位結合も共有結合も差がなくなるのです。
結合の強さも特に変わりません。
では、ここまでは配位結合というものを理解してきました。
ですが、もっと重要なのは「配位結合がどこで使われているか」です。
入試で必要な配位結合はたった3パターンです。
配位結合自体理解することは全く難しくありません。
実際にどのようなところで配位結合が使われているのかの具体例を知っておくことの方が重要だったりします。
パターン1:H++安定分子(アンモニウムイオンとオキソニウムイオン)
このように、H+がアンモニアの非共有電子対と配位結合をしてアンモニウムイオンを作り上げます。
水素イオンと水の酸素原子の非共有電子対が配位結合をして、このように、オキソニウムイオンができます。
パターン2:オキソ酸のような分子を作るパターン
硝酸、硫酸、リン酸、のような受験化学の主役級の酸性物質はこの配位結合を使ってできています。
硝酸
硝酸も配位結合でできています。
リン酸
リン酸もOHと結合していない部分は、配位結合。
硫酸
硫酸は2箇所配位結合をしています。
このオキソ酸は先ほども言いましたように、受験化学の主役級の物質でして、詳しくどのような反応をするのか? と言うところまで理解しておく必要があります。
もしかしたら、まだわからないかもしれませんが、なんとな〜くわからなくても読んでおくだけで、そんなことあったな〜って頭に引っかかることで、実際に習ったときに理解しやすくなります。
パターン3:錯イオンを作るパターン
安定した2つの分子またはイオンが配位結合によって結合してできるイオンのこと。[ ]で囲まれている。
このようなイオンを錯イオンと言いまして、この錯イオンを作る方法がこちら。
このように、Zn2+にアンモニアの分子の非共有電子対が4箇所で配位結合をします。
Zn2++4NH3→[Zn(NH3)4]2+
また、冒頭の疑問で金属と分子が配位結合なんてできるのかよ! って思うかもしれません。
結論できます。
そもそもイオン結合と金属結合ももともとは共有結合でして、とりあえず配位結合をすることはできます。
この大、小は電気陰性度を表しています。
ちなみに、Zn2+になんで4箇所で配位結合をするのか? と言う疑問は高校化学では説明できません。混成軌道を理解しないとできないし、理解したところで結局覚えないとどうしようもないことです。
大抵陽イオンの価数の2倍が配位数です。
まとめ
- 配位結合は一方の空の軌道に、一方の非共有電子対を提供することでできる結合
- 結合が完了したら配位結合と共有結合に差はない。
- 配位結合するのは、「水素イオンの提供」「オキソ酸のような分子を作る」「錯イオン」の3パターン
最後に書かれている、A大 B大→共有結合 の大小は何を表しているのでしょうか。
電気陰性度
配位結合って、イオンが関係しているから主に水溶液中で起こる結合ですか?
そうとは限りません。
リン酸などは肥料として水溶液中にないときも配位結合しています。