共有結合の結晶と分子結晶って、両方とも共有結合で構成されていますよね。共有結合の結晶とイオン結晶を見極めるのは簡単です。
「非金属ー非金属」なら共有結合の結晶だし、「金属ー非金属」ならイオン結晶です。これは共有結合とイオン結合の違いがそのまま使えます。
しかし、共有結合の結晶と分子結晶は式を見ただけでは一見違いがわかりません。
共有結合の結晶の例: SiO2
分子結晶の例:CO2
いやいやいやいやいやいやいや
わからんわからん!! 違いわからんがな!!
慣れたら何でもないことなんですが、最初の頃、SiO2が共有結合の結晶で、CO2の結晶が分子結晶であることを、受け入れられませんでした。
というわけで、この記事では、サクッと共有結合の結晶と分子結晶の違いをマスターしていきましょう。
目次
ごめん!共有結合の結晶と分子結晶の違いを見分けるがっかりな方法
すまん! 受験化学コーチなかむららしからぬ解決策なんですが、
覚えた方が早いんですね。
これは、覚えてしまって徐々に理由を理解していってください。
共有結合の結晶は次に言う4つだけを覚えておいてください。
SiO2、Si、C、SiC
塩に シ ク シク
共有結合の結晶を覚えておけば、残りの共有結合で繋がっている奴らは分子結晶ってことになりますからね。
詳しくは、共有結合の結晶について詳しく解説している以下の記事をご覧ください。
ちなみに、共有結合とイオン結合と金属結合の違いがわからない人は、こちらの記事を読んでくださいね!
諸悪の根源って、SiO2って式が分子っぽいことだ!
そもそも、C(ダイヤモンド)をみて、
分子結晶だろ貴様!
って思う人っていないんですよね。
一番受験生が悩むのが、SiO2が妙に分子っぽい式をしていることが、共有結合の結晶と分子結晶の見極めを難しくしているのだと思います。
なので、一番話をややこしくしているやつってSiO2なんですよね。SiO2がすごく分子っぽいんですよね。CO2とSiO2って同じようなものに見えるんですよね。
けど、本当のSiO2の姿っていうのは、
Si17654381O35308762
みたいな感じです。SiO2はただの組成式で、言ってしまえば高分子なのです。Si:O=17654381:35308762=1:2だから、SiO2と言う組成式になっているのです。
原子レベルから見たら、ほぼ無限に結合しまくっているのが二酸化ケイ素です。
SiO2というのは、Si:O=1:2であることを表しているに過ぎないんですよね。つまり、分子式ではなく組成式なんです。
これが共有結合の結晶と分子結晶の1番の違いです。共有結合の結晶は、分子式ではなく組成式なんです。
SiO2っていう分子は出てこないんですか?
って思いますよね?
それは、Siがsp2混成軌道を取ることができないからです。
はい、これはもう高校生の範囲を超えていますので、大学生になってから理解するようにしてください。とりあえず高校レベルでは、我慢してください。
SiO2の補足
SiO2は死ぬほど安定なのでHFという塩酸や硫酸以上にやべえ気体、またその気体を溶かしたフッ酸で溶かします。その過程で出てくるのが、水ガラスやシリカゲルです。
この過程を「エッチング」と言います。フッ化水素の性質のところで解説しているので、詳しく見てください。
まとめ
- 共有結合の結晶を覚えれば分子結晶と区別できる
- 一番わかりにくいSiO2は分子式ではなく組成式で高分子である