ダイヤモンドと黒鉛の違いの記述はこの2つを外すな!

ダイヤモンドと黒鉛の違いは記述問題によく出ます。

 

ダイヤモンドと黒鉛は炭素の同素体です。

 

そして、ダイヤモンドも黒鉛もどちらも共有結合の結晶です。

 

でも、ダイヤモンドと黒鉛では全く性質がちゃいます。

落ちこぼれ受験生のしょうご
なんで、黒鉛は電気流れんねん!意味わからんわ〜〜
ってなっても仕方がありません。

 

だから、今日はその理由を解説していきます!

受験化学コーチなかむら
めっちゃ記述で頻出やから絶対にポイント抑えていこうぜ!

目次

ダイヤモンドと黒鉛の違いが現れる2大性質

ダイヤモンドと黒鉛の違いというのは、記述問題で頻出です。そして、この2つの違いは以下の2つの事に着目して記述すれば確実に満点が取れる!

受験化学コーチなかむら
よく出るし、書くべきところが決まっているから確実に頭に入れておこう!

強度と固さ

ダイヤモンドはご存知クソ固いです。でもご黒鉛はめちゃめちゃ柔らかくはがれやすい。このはがれやすさを利用して鉛筆やシャー芯になっている。

ガンガンはがれてる黒鉛

まずこの違いを話さなければならないです。これはダイヤモンドと黒鉛の構造の違いから考えていきましょう。

ダイヤモンド

ダイヤモンド型構造

引用:http://bb.phys.se.tmu.ac.jp/~bb/pukiwiki/index.php?Neutron_xray_2%2FC

このようにダイヤモンドは全ての炭素原子の全ての結合が共有結合なのです。

落ちこぼれ受験生のしょうご
共有結合は結合の中で最強だった!
だから、ダイヤモンドはこのように立体的に結合していく。(その名の通りダイヤモンド型構造という)

 

これは、ダイヤモンドの1つ1つの炭素原子が正四面体構造だからとも言えます。
ダイヤモンドは正四面体

黒鉛

黒鉛の構造
実は、黒鉛はこのように網目状の構造を『平面』にとる。

この平面ってことがミソなんです。

なんで平面になるのかって言うと、炭素原子がこのように、
平面構造
手が3本になっていてこの平面構造なのです。この3本の手の結合が繋がると平面構造になって、いきます。
黒鉛の平面構造

そして、黒鉛はこの平面構造が重なり合ってくっついて出来たものなのです。

黒鉛の構造

そして、この層と層の間の結合は、ファンデルワールス力なのです。
黒鉛はファンデルワールス力

落ちこぼれ受験生のしょうご
あの、一番か弱い結合のファンデルワールス力!!!

一番へぼい結合である『ファンデルワールス力』でくっついている層は簡単にはがれます。

 

鉛筆で文字が書けるのは、ファンデルワールス力が鉛筆の芯と紙との摩擦で簡単に切れて、層が紙に落ちてへばりついているからです。

 

じゃあなんで、こういう風に炭素が正四面体になるのか平面構造なるのか?その理由が知りたい!と言う人は早く大学に合格してください。

 

これは混成軌道の話で、sp3混成軌道とsp2混成軌道の話が絡んできます。高校レベルでちゃんと理解する事は不可能です。

でも電子式から構造を推測する事は出来ます。
電子式から構造を推測する方法はこちら

 

電気伝導性

ダイヤモンドは電気を通しません。ですが黒鉛は金属でも無いのに電気を通します。

 

ダイヤモンドは、先ほど言ったように炭素の4本の結合手を全て使って、共有結合をしまくっていますよね?

 

でも、黒鉛を見てください。先ほど言ったように、

平面構造

3本で結合しています。でも炭素の価電子は4個です。

落ちこぼれ受験生のしょうご
電子1個余ってるやん!!

そう、電子が1個余っているため、その電子がまるで自由電子のように振る舞うのです。

 

この自由電子のように振る舞う電子のおかげで、黒鉛は電気伝導性があるように見えるのです。

この黒鉛で1つ余っている電子の事を自由電子と呼んでよいのか?というのは、答えが微妙です。金属の自由電子とは異なりますし、かといって自由に原子に束縛されずに動いていると言う点では自由電子だし、グレーゾーンなので「自由電子のようにふるまう」程度にしておく事が得策だと思われます。

 

「ダイヤモンドと黒鉛の違いを説明せよ」を文章かしてみよう!

この「ダイヤモンドと黒鉛の違いを説明せよ!」という問題は、

なげやりな出題者
ダイヤモンドと黒鉛の違いを説明しといて〜俺は寝る

というようなテキトウなお願いの仕方もあれば、

丁寧な出題者
ダイヤモンドは固い、黒鉛は柔らかい、またダイヤモンドは電気を通さないけど黒鉛は通す。こういうところに着目するんだよ!いいかい?もう書けるね?
って言う優しい出題者も居る。

またここに文字数という縛りプレイもある。どんな事があっても絶対に外してはいけないポイントはこの記事で説明して来た2つのポイントです。

 

自由記述の場合の一例を載せておきます。これは別に覚える必要は無いし自分で上の2つの内容をまとめられれば、それが正解です。

受験化学コーチなかむら

ダイヤモンドと黒鉛の違いは、固さと電気伝導性である。ダイヤモンドは全ての炭素原子が共有結合で立体的な網目状構造を作るため固くて丈夫であるが、黒鉛は炭素原子が平面の網目状の層構造を作り、層同士は弱いファンデルワールス力で結合しているため柔らかくてもろい。またダイヤモンドは4個の価電子が結合に使われているため電気は流れないが、黒鉛は結合に3個しか価電子が使われておらず、余っている1個の価電子が層上を自由電子のように移動し、電気が流れる。

 

こんな感じにまとめれば良いです。文字数や問われ方でまた色々変わります!

まとめ

ダイヤモンドと黒鉛の違いは、『堅さ』『電気伝導性』です。

 

黒鉛がもろいのは層状で層同士が、一番弱い結合ファンデルワールス力で繋がっているから。

 

黒鉛が電気を通すのは、黒鉛は結合に価電子を3個しか使っていないから1個余っているからです。

 

キッチリ整理して自分の言葉で記述問題を解けるようにしておいてください!

 

それでは!



4 件のコメント

  • takumi より:

    めちゃめちゃわかりやすかったです。
    これって鉛筆の色が濃い方が和やらかく、薄い方が硬いということと繋がりがあるんですか?

    • 受験化学コーチなかむら より:

      ありがとうございます!
      めっちゃ鋭い質問ですね!

      まあ実際、そこまでミクロなレベルでのコントロールは難しく、様々な樹脂や黒鉛の割合で決まっています。

  • Ken より:

    黒鉛も、平面の方向であればダイヤモンド並みに硬いのですか?

    • 受験化学コーチなかむら より:

      そうです!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。