こんにちは。
電子配置の問題で、よく穴埋め問題が出題されます。希ガスの問題なんかでは、
希ガスの電子配置は、【 】と呼ばれる状態にある。
と穴が開けられていて、回答を見ると
と書かれていることがあります。 なので、閉殻=オクテットなのかな〜と思っている人も多いでしょう。
結論から言うと、受験勉強的には閉殻=オクテットでも構いません。しかし、厳密には定義が違います。今日は閉殻とオクテットの違いを紹介します。
※サクッと一分くらいで読めます。
目次
閉殻とオクテットはそもそも定義が違う
最外殻に電子が8個ある状態
このオクテットのオクト=octです。足が8本あるタコのことをオクトパス(Octpus)って言いますよね。つまり、oct=8であり、電子が最外殻に8個ある状態をオクテットと言います。
最外殻のs軌道p軌道の電子の最大数が埋まっている状態
結果的に最外殻は、8個以上埋まることはないのです。つまり、一番高校生にわかりやすい例を出すと、アルゴンです。アルゴンの電子配置は、

こうなります。アルゴンの電子配置のM殻は、最外殻に8個の電子がありますが、本来は18個の電子が入るはずです。なので、本来アルゴンにもう1個電子が入っているカリウムは、M殻の9個目になるべきです。
しかし、そういうことになることはなく、N殻の1個目に入ります。これは、エネルギー図で考えるとわかりやすいのですが、M殻の9個目よりもN殻の1個目に電子が入った方がエネルギーが低くて安定なんです。

この現象はアルゴン以降の希ガスでも起こります。よって、結局最外殻には最大で8個しか電子が入ることはありません。よって、閉殻構造というのは、最外殻に8個の電子で埋め尽くされることをいうのです。
つまり、定義は違うものの、結果的に閉殻=オクテットとなっているのです。
ちなみに、今回のことがわからなくても希ガスの電子配置は、閉殻でありオクテットであると覚えておけば大丈夫です。
最後に
実は、電子配置って突き詰めると大学レベルの電子の軌道の話になります。よって、この辺りは知識として覚えておけばいいでしょう。
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