こんにちは。
有効核電荷ってなかなか高校の授業では聞かない用語ですよね。だから実際に調べてみた人も多いと思います。なので、有効核電荷とは何かをしっかり解説していきます。
また、有効核電荷という用語は、それ自体を問われることは少ないのですが、この言葉を使えば入試の記述問題で非常に役に立ちます。というのも、だらだら面倒臭い記述をコンパクトにこの1用語で表せちゃうからです。
コンパクトにまとめられることで何がいいか?
記述問題で解答欄が足りなくなった時に、
って時に、簡単に文字数を減らすことができます。今回の記事では、実際にどのような記述問題で文字数を減らせるのかを実際に紹介していきます。
目次
有効核電荷とは?
実際に具体的に解説していきますね。
ナトリウム原子の最外殻に着目していきます。ナトリウム原子の最外殻は、原子核から静電気的な引力で引っ張られますよね。
じゃあ、この最外殻電子はナトリウム原子の陽子数の電荷+11として働いているのでしょうか?
実際は、そんなわけはなくてですね、内殻の電子によって+11のうちの一部が打ち消されているんですよ。これを遮蔽効果と言います。
ナトリウムの最外殻電子は1個で、残りの10個の電子は、内殻で原子核の正電荷を打ち消します。すると、このナトリウムをこのように簡略化することができます。
このように、原子核の+11って内殻の電子10個に打ち消されて、最外殻を引っ張る電荷は+1だと考えるのです。これを有効核電荷と言います。
他の原子の例もみてみましょう。
3Liの有効核電荷は、
このように、+1と簡略化できます。リチウムとナトリウムの有効核電荷が同じですよね。同族元素の原子は、有効核電荷は同じになります。
次は17Clの塩素の例を出します。
ちなみに、有効核電荷が+7のハロゲンの方が、 +1のアルカリ金属のナトリウムよりも引力が強いのはわかります。この引力に逆らって電子を奪い、陽イオンにするためのエネルギー、イオン化エネルギーも有効核電荷が大きくなるにつれて大きくなります。
「有効核電荷」を知っていたらこんなに記述で便利!
同一周期だと原子番号が大きいほどイオン化エネルギーが大きくなる。その理由を記述せよ。
なぜ同じ電子配置なのにイオン半径はS2->Ca2+なのか?
デジャブ!!
同じような答えになるわけですが、このように有効核電荷って言葉を使うと、
これは、本来「原子核中の陽子の数が大きく」を「有効核電荷が大きく」で代用することができます。このように数文字減らしたいときに使いやすいですね。
知識は実践と合わせてナンボです
今回のように、有効核電荷の知識を得るだけでなく、記述問題での使い方をお伝えできたと思います。受験っていう目標がある場合、その目標のために知識を入れないといけません。
有効核電荷は、これだけ覚えても入試では使えません。このように、化学の知識も同じです。実践とセットで知識を入れていかないといつまでたっても、どれだけ勉強しても、努力の割に成績が伸びなくなります。
僕の活動は、その知識をいかに点数に結びつけるかを教えることです。しっかり実践的な知識をつけていきましょう。