【高校化学】炎色反応とは?物語風の語呂を使った覚え方を徹底披露します。

炎色反応

こんにちは。

しょうご
炎色反応がどんな色になるかに規則性はあるの?
受験化学コーチなかむら
複数の軌道から移動が起きるため、炎色反応の色は複数の色が混ざっている。したがってはっきりとした規則性を見出すのは難しいな。
しょうご
じゃあ、丸暗記するしかないってことかー!

金属の特定に活用される炎色反応。

高校化学では、未知の溶液の特定問題などによく出てきますね。

炎色反応の色は1族のアルカリ金属が赤や黄などの暖色系で、族の番号が大きくなると緑や青などの寒色系になっていくというような傾向があるといえばあります。

しかし1族元素のセシウムが青紫色を呈するなど例外も存在するため、法則を見出して覚えるのは至難の技。

でも大丈夫。

この記事を読めば高校化学に出てくる炎色反応が、忘れたくても忘れられないくらい脳に定着するはずです!

目次

炎色反応は電子が放出するエネルギー!?

この見出しの解説自体は高校化学の範囲外ですので覚えなくていいです。理解するために解説をつけています!面白いと思ったら大学で学んでくださいね!
しょうご
炎色反応ってどうして起きるの?
受験化学コーチなかむら
炎色反応は電子が軌道間を移動するために起きる現象だ。

原子は、中心にある原子核の周りを電子が飛び回っている構造をしています。

しかし電子はあっちこっち自由に飛び回っているのではなく、電子軌道とよばれる決められた軌道の上に存在しているのです。

通常は内側の軌道から順序良く配置されているのですが、炎で熱せられるなど高エネルギー状態になると外側の軌道へジャンプします。炎色反応 原理1

これを「励起」といいます。

しかし電子は本来いるはずのない軌道には安定的に存在できません。

わずか10-10秒後には元の軌道に戻るのです。

この時、励起するために受け取ったエネルギーは光として放出されます。

物質によって電子がどの軌道からどの軌道へ移動するのかは決まっており、その時に放出される光は軌道間のエネルギーの差に応じて異なる色を呈します。

したがって、物質はそれぞれに固有の炎色反応を示すというわけです。

炎色反応

上の模式図は炎色反応の実験を表したもの。

反応性が低く炎色反応を示さない白金でできた針の先端を液体試料に付け、ガスバーナーの外炎(酸化炎)に入れます。

 

リチウム 炎色反応

すると上の写真のように、鮮やかな炎色反応を観察することができます。

 

高校化学に登場する炎色反応はこれだ!

しょうご
すべての元素が炎色反応を示すの?
受験化学コーチなかむら
いや。炎色反応を示す物質の多くは反応性の高いアルカリ金属やアルカリ土類金属だな。

原理を聞くとすべての元素が炎色反応を示しそうですが、そういうわけではありません。

反応性が低い物質は安定しているため炎の温度では分解せず、炎色反応は示さないのです。

また炎色反応を示したとしても、発する光が紫外線だと人間には見えません。

高校化学でよく登場するのは、実験室で観察しやすい次の炎色反応です。

炎色反応
リチウム(Li)
ナトリウム(Na)
カリウム(K)
セシウム(Cs) 青紫
銅(Cu) 青緑
カルシウム(Ca) 橙赤
ストロンチウム(Sr) 紅(深赤)
バリウム(Ba) 黄緑

 

案外身の回りにある炎色反応

しょうご
炎色反応で生活の中で役に立っているの?
受験化学コーチなかむら
炎色反応は、日常生活の中の様々な場面で活用されているぜ。

 

花火 赤

有名なのは花火。

火薬の周囲に、炎色反応を示す物質を配置することで美しい大輪の花を大空に咲かせます。

赤はストロンチウム、黄色はナトリウム、青緑は銅なので、一緒に夏祭りに行った彼女(彼氏)に説明してあげると「物知りですごーい」となるかも!

(「マニアックできもーい」となるかもしれないので、自己責任でお願いします。)

 


発炎筒車への搭載が義務づけられている発炎筒も、炎色反応の活用例の一つ。

事故や故障の発生を後続車に伝えるため、「緊急事態」を表現する赤色光を出すストロンチウムが含まれています。

昼間でも見えるくらいの鮮やかな光を出すので、海外ではサッカーの試合などの応援席で使用する人もいるようですが、日本ではもちろん禁止です。

 

暗記法:炎色反応語呂物語

しょうご
高校化学に出てくる炎色反応を完璧に覚えたい… どうすればいいのー!
受験化学コーチなかむら
語呂&ストーリーでしっかり覚えられるはずだぜ!

炎色反応を覚えるための有名な語呂は下のようなものです。

リアカー無きK村、動力借りよとするもくれない…。馬力でやろう!

(Li赤 Na黄 Kむら(さき)、銅緑 Caりよ橙 Srも紅…。 Ba(黄)緑でやろう!

しかし、この文をいくら見つめても中々頭には入ってきませんよね。

そこで記憶に定着しやすいように、ショートストーリーにしてみました。

 

① リアカー無きK村

K村

昔々あるところにKという村(奈良県川上村でも沖縄県北大東村でも山梨県小菅村でも可。自分の近所の村をイメージしてください)があった。

この村の特徴はひとつ。なんとリアカーがなかったのだ。

リアカーがなければ、村で取れた野菜を町に運んで売ることができない。

Li赤 Na黄 Kむら(さき)

 

② 動力借りよとするもくれない

がっかり

そこで村人たちは隣村に「動力を貸してください」とお願いをしてみた。

しかし隣村は貸してはくれなかった。

がっかりする村人一同。

銅緑 Caりよ橙 Srも紅

 

③ 馬力でやろう

馬

しかし村人はあきらめなかった。

「動力なら、馬力があるっぺ!

そう、馬を使うことにしたのだ。

めでたしめでたし。

Ba(黄)緑でやろう!

 

このストーリーを踏まえた上で、前述の語呂を10回唱えてみよう!

きっと記憶に定着するハズ!

 

まとめ

・炎色反応は熱によって励起した電子が元の軌道に戻る時に発する光

・物質には固有の炎色がある

・高校化学に出てくる炎色反応は

リチウム(Li)
ナトリウム(Na)
カリウム(K)
銅(Cu) 青緑
カルシウム(Ca) 橙赤
ストロンチウム(Sr) 紅(深赤)
バリウム(Ba) 黄緑

 

・覚え方は『リアカー無きK村、動力借りよとするもくれない…。馬力でやろう!



ABOUTこの記事をかいた人

浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。