フラーレンとは?入試問題に出題されるポイントをまとめてみた

フラーレンの入試出題ポイント

炭素の同素体で、1985年に発見された比較的新しい物質「フラーレンC60」について今日はまとめていこうと思います。

おそらく、高校で化学を勉強していると一度は聞いたことはあるものの、しっかり勉強をする機会もなく、そのまま放置している人が多いと思います。

 

というのも、フラーレン自体完全に全てが解明されているわけではなく、まだ比較的新しい物質です。なので、今日は入試問題にはどういうものが出るのか? という視点で解説していきます。

今回は例題を載せていますので例題を除けば1分で読み終わることができます。

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フラーレンの特徴と性質

フラーレンはこのようにサッカーボール型のC60の分子です。この構造は、六角形(六員環)と五角形(五員環)でできています。

 

この六員環が20個と五員環が12個です。

フラーレンって内部が空洞になっていますよね。だからこの中に金属イオンが閉じ込められた「ゲスト内包フラーレン」っていう構造も存在します。

フラーレンC60の入試問題の出題ポイント

重要ポイント
基本的にフラーレンは、フラーレンそのものを知っていないと解けない問題は出題されません。なので、フラーレンの性質をネチネチ聞いてくる問題は考えにくいです。よってフラーレンの構造や計算問題がメインになります。

フラーレンの分子結晶

フラーレンはC60分子同士が、ファンデルワールス力で分子間引力により分子結晶を作ります。分子間引力により分子結晶を作ります。

 

その分子結晶の結晶格子が面心立方格子になります。

フラーレンの分子結晶

フラーレンの分子結晶の単位格子内のC原子数

この面心立方格子の単位格子内に、何個のC原子が存在するのか? これを出題されることが多いです。しかし、これも何も難しくはありません。

 

面心立方格子の中にフラーレンの分子は、4個あります。フラーレン分子の中にC原子は60個ありますので、

4×60=240個存在します。

フラーレンの半径(直径)と単位格子の関係

単位格子の長さをaとし、フラーレンの半径をrとすると、aとrの関係は次のようになる。

面心立方断面の画像

これから、4r=√2aとなります。

この関係を使った入試問題が出題されます。とはいえ、面心立方格子のところでしっかり学びますし、もし面心立方格子の知識がなくても導き出せます。

 

導き方だけ知っておけば、この4r=√2aは覚えなくていいです

フラーレンの密度の求め方

密度の単位

これが密度の単位です。なので、分子と分母で別々に作っていきます。まず、分子を求めていきます。まず、gが単位にあるのが原子量ですね。原子量の単位がg/molです。gを作りたいのでmolを消すためにmolが単位に入っているアボガドロ定数の逆数を掛けます。するとmolが消えて個が出てきます。

単位格子内の個数を掛けるとgが出てきます。

これに当てはめて計算すれば、質量を計算することはできます。次は分母ですが、分母は、cm3なので、

nmをcmに直します。nm=10-9m=10-7cmです。この辺りはキロやミリのような補助単位をきっちり確認しておいてください。

参考記事:入試で化学の時間が足りないなら、このツールを使え!

 

演習問題フラーレンC60分子の結晶

化学I IIの新演習千葉大学問題改

サッカーボールのような球状の形態をした、炭素原子60個だけからなるフラーレンと呼ばれるC60分子が1個ずつ位置する形態をとる。決勝を形成する最小の立方体の一辺の長さは1.41nmである。C=12,K=39,√2=1.41,アボガドロ 定数を6.0×1023/molとして、各問いに答えよ。

(1)このように分子が並んでいる単位格子を何というか。

(2)単位格子中に含まれるC原子の数は全部でいくらか。

(3)結晶状態で、各C60分子が互いに接触するように並んでいると仮定すると、C60分子の直径は何nmになるか。有効数字2桁で答えよ。

(4)このC60結晶の密度は何g/cm3か。1.413=2.80とし、有効数字3桁で答えよ。

(5)C60結晶7.20gにカリウムの蒸気を流通したところ、カリウム原子はC60分子とC60分子の隙間に均一に吸収され8.37gになった。この時、単位格子中には何このカリウム原子が含まれることになるか。

(1)面心立方格子

(2)240個

計算式は、面心立方格子内のフラーレン分子の数は4個。またフラーレン1分子あたりに含まれる炭素原子の数は60個。よって、

4×60=240

(3)0.99[nm]

先ほど求めたフラーレン分子の半径と、単位格子の1辺の長さの関係は、

4r=√2aになりますよね。今回は、直径なので2rを求めます。

2r=√2a/2=0=(1.41×1.41)/2=0.99[nm]

(4)1.71g/cm3

密度の導出は先ほど解説しました。一番間違えやすいのがnmをcmに直すのを忘れてしまうところです。n(ナノ)=10-9、c(センチ)=10-2ってことをわかっていたら問題はありません。補助単位をしっかり使いこなせるようにしましょう。

分子は、この式に代入して、

12×1/(6.0×1023)×240

分母は、

(1.41×10-7)3

これより、1.71[g/cm3]

(5)12個

こういう問題もとりあえずmolにしてしまう。とりあえず、7.20gのフラーレンのmolを求めてみます。すると、

フラーレンのmol

さらに、フラーレンに吸収されたKのmolは、

カリウムのmol

これから、フラーレン:K=1:3で存在することがわかります。これより、単位格子の中のフラーレンの個数は4個ですので、これの3倍の12個がカリウムの個数です。

最後に

今日は、フラーレンの入試問題で出題されるところを解説しました。まだ性質ははっきり判明しているものばかりでなく、また高校化学で説明できないものも多いので、こういう計算問題が出てきます。

 

なので、一度は最後の問題をといて、慣れておいてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

受験化学コーチわたなべ

浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。