こんにちは。
氷の分子結晶構造は、入試問題でもよく記述問題として出題されます。いろんな問われ方をするので、何を覚えればいいのか? どこまで覚えればいいのかわかりにくい分野だと思います。
なので、今日は氷の分子結晶構造について覚えなければいけないことを2つにまとめました。この2つを知っていたら全ての記述問題で対応することができます。
まずは、2つのポイントをまとめて、その2つのポイントを1つずつ解説し、最後に演習問題を解く流れになっています。ポイントを学んだ上で、確かめとして記述問題に取り組んでみてください。
※この記事は2分ほどで読み切ることができるので、時間がない人も少し時間を投資して読みきってみてください。
目次
氷の結晶構造の2大重要ポイント
- H2O1個が他のH2O4個と水素結合をしている。
- 正四面体形に酸素原子が配列したすき間の多い構造になっている
氷の結晶構造は、この2つが最重要ポイントです。この2つに関する内容が記述問題で問われることが非常に多いので、その問われる部分をポイントごとにまとめていきます。
1.H2O1個が他のH2O4個と水素結合をしている
水1分子は、このように4個の水分子と水素結合をします。これによってどういう性質があるかというと、他の水素結合をする水素化合物であるフッ化水素だったり、アンモニアよりも沸点、融点が高いのです。
これは、沸点ですが、本来水素結合の結合の力だけだったら、沸点はHF>H2Oとなるべきです。しかし、分子間の水素結合は、フッ化水素は、
HF・・・HF・・・HF
と赤色のHFは2分子としか水素結合をしていませんね。このように、HFよりも水素結合の数が多いのです。アンモニアも同様です。よって、水の沸点や融点はHFよりも高いのです。
H2Oの1個は4個のH2Oと水素結合をするものの、1分子”あたり“と書いてあったら、2個の水素結合なんです。確かにH2Oの1分子だけに着目すると、4個の水素結合をしています。しかし、水分子1molあたりの水素結合は4molではなく2molなんです。
てことは、1/2×4=2なんですよ。水素結合は、1分子あたりだと2個で、1molあたりだと2molなんです。
詳しくは、水素結合についての記事であるこちらをご覧ください。
2.正四面体形に酸素原子が配列したすき間の多い構造になっている
氷の分子結晶て、このような正四面体構造なんですよ。これが繰り返されるとダイヤモンドと同じような結晶構造になります。正四面体なので、すき間の多い結晶構造になります。
この隙間の多い結晶構造ができるのは、水分子同士が水素結合をします。しかも水素結合できる方向が決まっているのです。
このように、非共有電子対と共有電子対が一番反発が弱まる方向に電子が分かれます。この方向に水素結合をします。
4方向の電子対で電子同士の反発が一番和らぐのが、正四面体型なので、氷は正四面体型になるのです。このようにすき間だらけなので、普通は体積は固体<液体<気体ですが、氷は液体の水よりも体積が大きく密度が小さくなります。
ちなみに、熱を加えて水素結合が切れて氷が水になると、この立体構造のスキマに水分子が入り込むので、氷よりも体積が小さくなり密度が大きくなります。
この性質は水特有のものなので、非常によく問われます。
入試問題では、「なぜ氷の方が水よりも密度が小さいのか?」と問われることはあまりなくて、言い換えられます。多いのは、
「なぜ、氷は水に浮くのか?」
と聞かれます。これも氷が水よりも密度が小さいと全く同じ意味です。
確認演習問題
問1:1つの水分子は何この水分子と水素結合をしているのか。
問2:氷が水に浮く理由を、構造の観点から50~100字で述べよ。
問1:4個
問2:氷は酸素原子の配置が正四面体形の隙間が多い構造になっている。氷が水になると、水素結合が部分的に切れて水分子がすき間に入り込み、体積が減少し、水の方が氷よりも密度が大きくなる。
まとめ
- H2O1個が他のH2O4個と水素結合をしている。
- 正四面体形に酸素原子が配列したすき間の多い構造になっている
この2つをしっかり理解して、この氷の結晶構造の特徴の影響で何が起こるかをしっかり理解しておけば、氷の結晶構造の問題は何も問題ありません。
演習問題でしっかり復習して、頭に入れておいてくださいね!
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