こんにちは。
イオン半径は大小関係を比較する問題がよく出題されますが、「同周期なら原子番号が大きいほどイオン半径は小さい」「同族なら原子番号が大きいほどイオン半径は大きい」と、なかなかわかりにくいですよね。
また、記述問題も出題されてどう表現したらいいかわからない人も多いはずです。なので、今回はイオン半径についてまとめました。
- 同じ希ガスの電子配置のイオン半径の大小関係が完璧に理解できる
- 大小関係の理由を記述する問題で、迷わずスラスラ書けるようになる
※この記事は3分ほどで読み切ることができますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
【基本】イオン半径とは?陽イオンと陰イオンのイオン半径の大小
イオン半径とは、原子核の中心からイオンの最外殻までの距離のことです。
陽イオンは、陽イオン化することで最外殻が変わります。
つまり、
このように、例に出したNaのように最外殻がM殻からL殻に変わってしまいます。よって、陽イオンのイオン半径は原子半径よりも小さくなります。
陰イオンのイオン半径は、
一見陰イオンは電子を1個得たところで、原子半径とイオン半径は同じ大きさになりそうですよね。しかし、この陰イオンの半径は以下のようになります。
このように、原子半径よりもイオン半径の方が大きくなります。この理由は、最外殻そのものは、変わりはないものの、新たに電子が入ることで、元から入っていた電子同士が反発する力(斥力)が働きます。
よって、元の原子半径よりも大きくなるのです。
陽イオンのイオン半径→原子半径より小さくなる
陰イオンのイオン半径→原子半径よりも大きくなる
これを理解した上で、イオン半径の大小を見極める問題を解くための2つの法則を学んでいきます。
イオン半径の大小を見極める2つの法則
- 同族元素の同じ価数のイオンは、原子番号の大きいものほどイオン半径は大きい
- ある希ガス原子と同じ電子配置を持つイオンは、原子番号の大きいものほどイオン半径は小さい。
どういうことかをざっくり周期表で表していきます。
では、1つずつ詳しく電子配置を絡めて解説していきます。
1.同族元素の同じ価数のイオンは、原子番号の大きいものほどイオン半径は大きい
これは、具体例を出して解説していきますね。アルカリ金属の3つの元素のイオンを考えていきます。
すると、このように同族で同じイオン価数なら、最外殻が一回り大きくなります。。よってイオン半径も大きくなります。
ここで、よく疑問に思う人が多いのが、
と疑問に思う人もいるかもしれません。この場合は陽子の引き付けの力よりも、周期が増えることを優先します。そもそも最外殻が大きくなるのは、根本的にステージが上がった状態だと考えてください。
ドラゴンボールでも、30巻のときくらいは、フリーザに手こずっていましたよね。当時は悟空がスーパーサイヤ人にやっとの思いでなれて勝ちました。クリリンもベジータもやられました。
人造人間のシリーズになるとベジータも悟飯もスーパーサイヤ人になってました。なんか修行したらなれたそうです(笑)
フリーザなんて瞬殺です。シリーズが変わると圧倒的に実力が上がるのと同じで、電子殻が変わるとステージが変わるイメージです。
2.希ガス原子と同一電子配置をもつ場合、原子番号が大きいほどイオン半径は小さい
これも具体例を出して考えていきましょう。ネオンの電子配置を持つイオンを考えていきます。ネオンと同じ電子配置なのは、O2-、F–、Na+、Mg2+、Al3+です。
このようになります。原子番号が大きいほどイオン半径は小さくなっていますね。この理由は、原子番号が大きいほど原子核の正電荷が大きくなりますよね
てことは、原子核の正電荷が最外殻の電子を引き付ける力がどんどん大きくなります。すると、同じ電子配置ならば、原子番号が大きい原子の方がイオン半径は小さくなります。
ちなみに、最外殻の電子に働く原子核の正電荷って説明するのが面倒な場合、「有効核電荷」という言葉を知っておくと便利です。最外殻に働く実質的な正電荷を表す意味の言葉でして、記述の時に非常に便利な言葉です。
ここで、詳しく説明するにはあまりにも脱線しますので、こちらの記事でこの記事を読み終わった後にでも確認してみてください。
重要ポイントまとめ
- 陽イオンのイオン半径は、原子半径より小さくなる
- 陰イオンのイオン半径は、原子半径より大きくなる
- 同族なら原子番号が大きいほどイオン半径が大きい
- 同電子配置なら原子番号が大きいほどイオン半径が小さい
- 「電子殻が大きくなる」のと「正電荷が大きくなる」のだったら「電子殻が大きくなる」方が優先される
このようになります。では、最後に演習問題をやっておきましょう。
演習問題
ガチ顔出し解説しました
答え
16S2、8O2-、9F–、11Na+、12Mg2+、4Be2+、
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