共有結合とイオン結合と金属結合の違いを明確に言えますか? 案外、バッチリ説明できる人はなかなかいないんですよね。
今日は、高校化学が教えている
ウソを暴露します。
共有結合、イオン結合、金属結合が実際高校化学で習っているような3つの別々の結合ではなく、
全てが同じ結合だということを理解してもらいます。
このような結合に関して理解しておくと、有機化学、無機化学の反応で理解が進み、『暗記量をいっきに減らせる』のです。
だから、必ず最後まで「入試で合格するためだ!」と思って読んでいってください!
目次
高校化学の教え方
まず本当の結合の仕方を知る前に、高校化学ではどのように習っているのか?をもう一度確認してもらいます。
共有結合
共有結合とは、この図のように、不対電子が閉殻構造になるために、別の不対電子と電子を共有する事で、共有電子対になる結合です。
イオン結合
ナトリウムが電子を無くし、陽イオンになります! 塩素が電子を一個得て陰イオンになります。こうする事でナトリウムは正に電荷が偏り、塩素は負に電荷が偏ります。
「だから、静電気的な引力で引き合い結合します!」
というクソな習い方をします。
金属結合
「金属結合は自由電子を介して結びつきます!」
と書いてありました。
もはや結合の事に触れていませんよね。確かに、正ー負ー正で自由電子が仲立ちしていることは分かりますが、そもそも、なんでくっついたという事も分かりません。
イオン結合と金属結合の本当
実は、あなたが習って来たイオン結合と
金属結合は嘘っぱちです。
だって、イオン結合のナトリウムは
どこに電子を投げたの?
塩素はどこから電子を貰って来たの?
という疑問が浮かびます。
これから本当の
イオン結合と金属結合をお教えします。
イオン結合、金属結合
「え、なんで共有結合が入ってないの?」
と思われているかもしれませんが、
それも繋がってきます。
まず結論から言いますと、
『イオン結合、金属結合は共有結合です!』
「は?何言ってるんだお前?」
と思われるかもしれませんが、
俺は超真面目に話しています。
イオン結合と金属結合は
共有結合です!
これは電気陰性度についてキッチリ
理解していれば簡単に分かる事実です。
電気陰性度に関しては、
に書きました!
まず、イオン結合も金属結合も
いったん共有結合をします。
まず、共有結合をします。
そして、イオン結合は、
『A,Bのどちらかが電気陰性度が大きくて
どちらかが小さい』
のです。
この絵ではBが電気陰性度が大きく、
Aが電気陰性度が小さいのです。
電気陰性度とは、
『共有電子対がどれだけ好きか?』
でしたよね。
だから、Bに共有電子対が引き込まれて、
Bが陰イオン、Aが陽イオンに
なるのです。
そうなのです、
イオンになってから結合ではなく、
結合してからイオンになる!
のです。
つまり、
イオン結合は「極性のある共有結合」
なのです。
そして、次は、金属結合です。
金属結合も最初は共有結合です。
金属結合はAもBも電気陰性度が
小さくて、両方とも電子が嫌いです。
だから、嫌いな物はみんなで共有しようと
電子をたらい回しにします。
この動き回っている電子の事を
『自由電子』と言います。
共有結合とイオン結合と金属結合の違いは?
じゃあどういうものが共有結合、
イオン結合、金属結合なのか?
と言うのをまとめてみました。
電気陰性度 | ||
A | B | |
共有結合 | 大 | 大 |
イオン結合 | 小 | 大 |
金属結合 | 小 | 小 |
共有結合、イオン結合、金属結合の見分け方は?
共有結合=電気陰性度が大きい非金属同士の電子の共有
イオン結合=電気陰性度が大きい非金属と電気陰性度が小さい金属の共有結合!
金属結合=電気陰性度が小さい金属同士の共有結合
このように、
共有結合、イオン結合、金属結合を
見分ける事が出来ます。
結論
イオン結合も金属結合も
最初は共有結合だということです!
そして、電気陰性度の差でイオン結合、金属結合に別れて行くのです。
まずは共有して、その後お互いに電子が好きなもん同士(非金属)なら共有結合
片方が電子好き(非金蔵)でもう片方が電子嫌い(金属)ならイオン結合
両方とも電子が嫌いなら電子を押し付け合う金属結合になります。
このような結合の感覚が
非常に重要ですので、
きちんとマスターしておいてください!
それでは!
こんにちは。
よく参考書に金属結合、イオン結合、共有結合、そして、「分子間力」とあるのですが、この「分子間力」とは何なのでしょうか?いろんな人に聞いてみましたが、未だによく分かっていません。教えて下さい。
こんな感じでもう一方の分子から見たらチラチラ電子が見えたり原子核が見えたりして、-+がいれかわり、ちょっとずつ引き寄せられるのです。
これをファンデルワールス力と言います。
ファンデルワールス力や水素結合こいつらを合わせて分子間力と言います。
瞬間的に正と負の電荷が入れ替わり引力が出来ているからと言う事です。
ありがとうございます。
では、分子結晶と共有結合の結晶は具体的に何が違うのですか?
全く違います。
分子結晶は分子間力で結合している結晶の事でもう一方は共有結合で結晶している結晶です。
例えば二酸化炭素は二酸化炭素自体は共有結合でできていますが、その二酸化炭素が集まる時は分子間力で集まります。ドライアイスとか、
共有結合結晶はダイヤとかシリコンとか完全に共有結合オンリーで結晶になってるやつ
こんばんは。
質問があります。
記事のAやBというのは、原子に限ったことなのでしょうか。
ナフタレンやヨウ素は、分子同士がくっついているので、電気陰性度の大きい非金属同士だから共有結合だ、とは言えず、分子間力で結びついた分子結晶だ、という解釈で合っていますでしょうか。
宜しくお願いいたします。
結晶の話と、これは別ですよ!
ちなみに。
分子も共有結合で出来ていますが、
結晶になるときは、
分子間力になります。
SiとかCとかいわゆる半導体に使われる、
IV族元素は、共有結合のみで
結晶に慣れます。
ということで、電気陰性度の大きい非金属同士
で共有結合!
と言えます。
結晶に関しては別です。
NH4Clは非金属同士なのにイオン結合すると聞きました。これは丸暗記してしまった方がいいですか?また、このような例外は他にもありますか?
例外として丸暗記するというより、中和の塩として出来るものがイオン結合をすると覚えて方がいいですね。
これも中和の塩にすぎないですから。
質問よろしいでしょうか?
イオン結合も最初は共有結合を起こすということでしたが、
例えばNaClを考えた時に、Naは電子を減らして閉殻安定になりたいのに、わざわざ電子を増やしてしまう共有結合を起こすのでしょうか?
それなら、電子が空気中とかに投げ出されるということになりますが、それはないです。特殊な状況でないと無理です。
しかもナトリウムの最外殻であろうとクーロン力が働いているのは間違いないのでそのように勝手に電子が飛び出すようなことは特殊な条件でないとありえません。そらなら他の物質と結合し、起動結合させてバンド構造を作ったほうがはるかに電子を渡しやすいのです。だから共有結合はします
もう1つ質問よろしいでしょうか?
『イオン結合性が高い共有結合』とはどういうことを言うのでしょうか?
例えば全分子を10としたとき、3、4ぐらいはイオン結合が存在しているということなのか、
それとも10の分子全部が共有結合で、でもかなり分極しているということなのか、
どちらの解釈が正しいのでしょうか?
後者です。
夜分遅くご返答頂きありがとうございました。
多くの記事拝見しましたが、どれも理解の深まるものでとても役立っいます。感謝です!
いえいえ、これからも頑張って行きましょう!
よろしくお願いします!
自分は、非金+非金→共有結合、非金+金→イオン結合、金+金→金属結合と覚えていましたが、なぜそうなるかまったく理解していませんでした。電気陰性度で説明できたんですね。
電気陰性度有能すぎる(^_^)
その覚え方で良いのですが、やっぱり理由を知らないとすぐ忘れるし、理解するとすっきりしますよね!
無機も有機も電気陰性度ばっかりですよ!
目から鱗ってこういうことを言うんだ~
しかし何故学校も学校でこの事実を言わないのだろう(´・ω・`)
そうなんですよ、これがわかるとなぜAgFが沈殿しないのか?とかがわかりやすいんですよね。
学校でもやってほしいですね!
AgFがだけが沈殿する理由が分かりません。教えて頂けると助かります。
https://xn--qck0d2a9as2853cudbqy0lc6cfz4a0e7e.xyz/inorganic/halogen-ag
三つの結合を考えるといつも感じたモヤモヤがすっきりしました。ありがとうございます。
そうですよね!なかなかこの辺りって違いがわかりにくいですよね!良かったです!
こんにちは。
質問があります。
「炭酸カルシウムの化学結合は?」といいう問の答えが「イオン結合、共有結合」の両方だと高校の先生に言われました。
こちらの記事を読んでイオン結合もベースは共有結合だと理解出来たのですが、、
例えば塩化カルシウムの答えはイオン結合だけなのに、なぜ炭酸カルシウムは答えが2つになるのですか?
CO32-の部分が共有結合だから。
こんにちは。化学の勉強の際にとても参考になって助かっています。いままで学校の先生の説明や教科書でわからなかったことが次々にわかってとても感動しました。ところで質問なのですが、イオン結合は共有結合してから電気陰性度によって陽イオン、陰イオンになるとのことですが、共有結合したときの共有した電子の数は8個なんでしょうか?すいませんバカな質問で
ありがとうございます。
8個も共有できないですね。
ありがとうございました!教科書や先生の説明ではそういうものだと言われるだけでモヤモヤしていましたが、とてもすっきりしました!!これからもお世話になりたいです
つまり特殊な状況下でない限りNa+やCl-は発生しないということでしょうか?
共有結合してから、電気陰性度の違いによってイオン結合や金属結合に分かれるんですね!これまでの疑問が解消されました!
ひとつ疑問があるのですが、共有結合⇒イオン結合と共有結合⇒金属結合が転移(といっていいのでしょうか?)する境目はどの程度の電気陰性度の違いによって生じるのしょうか?
例えば、Al(金属)とSi(非金属)は原子番号が隣ですが、Al2O3はイオン結合で、SiO2は共有結合にと考えた場合、その電気陰性度にどの程度の違いがあるのか?
質問がわかりづらくて申し訳ないです。
目からウロコだぜ!ありがとう!
金属結合が、共有電子対が嫌いでみんなでなすりつけ合っているようなのは想像してて可愛らしいですね。
先生の喩えはいつも楽しくて、楽しいとすぐ覚えられます。ここの範囲のテストのときに見たかったですね…いちいち覚えていた自分が馬鹿みたいです。
質問です。塩化ナトリウムは何結合か?という問題に対し、塩化ナトリウムを構造式または電子式に直しました。
ナトリウムの価電子と塩素の価電子両方を使って結合した!これは共有結合だ!と思いたいところですが、この記事を読んで、電気陰性度の関係で非金+金属はイオン結合だと納得できました。
構造式または電子式に直してから電気陰性度の表を使い、何結合かを求めるやり方は正しいのでしょうか?
いえ、金属と非金属ならイオン結合という風に覚えてください。
AgFが沈殿しない理由は、
金属元素と非金属元素でイオン結合で、…
その続きがわかりません。
どの記事を読めばいいでしょうか。
電気陰性度の大きい小さいって何が基準なのでしょうか?
https://xn--qck0d2a9as2853cudbqy0lc6cfz4a0e7e.xyz/theory/e-nkubetsu
こちらです。
共有結合やイオン結合はたしかにクーロン力が影響するという点で同じかもしれませんが、理論が違います。
結合の分類は高校生には難しいと思いますが、間違った知識を教えるのはやめたほうがいい。
高校生レベルの中では正解です。
イオン結合が高校でどう教えられているか知っていますか?
金属が非金属に電子を渡し、金属は陽イオンに、非金属は陰イオンに、
これがクーロン力で引き合う
と言われているんですよ。
どうやって電子投げるんだよって考えますよね。
そもそも電気陰性度の定義的にも僕の教え方は理にかなっています。
高校の化学の指導要領の中においてこれ以上の説明は
ありません。そして、このサイトや私のハンドルネームから
「受験化学」のサイトだとわからない人はいるはずもありません。
教えるのはやめたほうがいいとはどういうつもりでおっしゃっているのでしょうか?
より理解しやすく今後の勉強がスムーズに展開しています。
量子力学が封じられている高校化学の範囲の中で最大限今後の学習がスムーズに進むような展開をしているんですよね。
教えるということについて真剣に考えたこともないあなたが適当なことを言わないでいただきたい。
いわゆるイオン結合を共有結合の延長と考えるのであれば、たとえば食塩などのイオン結晶でNa+が6個のCl-と等価な結合を形成していることをどのように理解すれば良いのでしょうか。それらが6本の共有結合を作っているということでしょうか。