こんにちは。
今日は、「濃度計算問題」や、「酸塩基のpH計算問題」を解く上で絶対に知っておかなければならない超重要なことについて解説して行きます。
これは他の受験生が重要性に気付いていないので、知っているだけでかなりのアドバンテージになります。
しかし、もしあなたがこの2つの濃度の違う溶液の混合の扱い方を知らないと、2つの溶液を混ぜたときの濃度計算が一切解けません。
さらに、混合溶液のpH計算の問題で手がぱったり動かなくなり、どうする事も出来ずに、試験中立ち尽くしてしまいます。
そして、あなたはこの失点を痛手にあと数点のところで、落ちて、第2志望以下の大学で、いつまでも、「あと8点で合格だったんだぜ〜」と情けなく言い訳をし続ける人生です。
だから確実に、マスターしておいてください。
目次
よくある間違い
本当によくある間違いで、これをしてしまうと出題者の思うつぼになってしまう事項があります。
このよくある間違いとは、濃度差がある溶液において溶液を混合するときに『体積の和をしてしまうこと』なのです。
まだピンと来ていないと思うので、例を出してご紹介します。
以下の図のような状況だと思ってください。
結論から言うと、濃硫酸と水を混合したときに、濃硫酸の体積がV1、水の体積がV2だったとして、混合溶液の体積V3はV3=V1+V2にはなりません!
こうしてしまった時点であなたの負けです。その問題で一生答えを出すことはできなくなります。これは濃度を求める問題でよくひっかけ問題的に出題されます。
その理由についてお話しして行きます。
直感的に分かる理由
今回の濃硫酸と水の混合を題材に考えていきましょう!
まずは直感的に理解してもらいます。これは、あなたも経験した事もあると思います。
この濃硫酸と水では、主要な分子の大きさ全然違います。濃硫酸では硫酸分子がほとんど、水では完全に水分子だけです
例えるなら、
『大きな岩』と『砂』を混ぜるようなものです。
岩と砂があります。
この2つを混ぜます。
さて、V1+V2=V3となるでしょうか?
この式が成り立たないのはあなたも直感的に分かりますよね。
なぜなら、
『岩と岩のスキマに砂が入り込むから』
そうV3<V1+V2
となるのです。
これを化学の溶液にあてはめれば、岩が硫酸です。砂が水です。分子の大きさが違いますね。
これくらいの分子の大きさの違いがあります。
だから、岩と砂のときのように、硫酸のスキマに水が入っていきます。
だから混合後の体積は、混合前の体積の和より小さいということが言えます。
数式で説明する方法
次は理系らしく、直感に頼らずに、数式で表して行こうと思います。まず濃硫酸と水で、濃硫酸を溶液1、水を溶液2として混合します。
濃硫酸と水の体積をV1,V2、質量をw1,w2、密度d1,d2とする。
こいつらを混合したものを溶液3とします。
混合前と混合後で体積は変わりますが、(体積が変わることを証明するのでこの事実は使えませんが、)絶対に変わらないものがあります。
いくら体積が変わったとしても、質量は絶対に変わりません。ラボアジエに誓っても質量は変わりません。
なので、質量保存の法則より下の式が成り立つのは誰でもわかるでしょう!
W1+W2=W3
が成り立ちます。
そしてこれは密度と体積がそれぞれ与えられているので、上の式はこうも表せます。
d1V1+d2V2=d3V3
と表せます。密度の単位がg/Lなのでここに体積Lをかければ、質量が出るのもあきらかですよね!これによって質量保存の法則の式を書き換えることができました。
そして、ここまで来たら簡単です。
V1+V2=V3にするためには、
d1=d2=d3となればよいです。
でも、それはかなわいません。水と濃硫酸が同じ密度なワケないし、それを混ぜたやつも同じなワケないです。
だから、d1≠d2≠d3であるため、
V1+V2≠V3
であると言えます。まあ、これは背理法で証明するのがいいのでしょうね!V1+V2=V3と仮定するとしたら、完璧な証明になるでしょう。
テクニック的な話
このように、扱わなければならない問題には、ある特徴があります。問題の特徴に気付けばいいのです。
それは、濃度差が大きいときは、
密度がヒントとして与えられる
のです。
もしめっちゃくちゃ
硫酸が薄かったらどうでしょう。
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・◯・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
程度の割合だった場合、
もはや密度は
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
とほとんどかわらねえなと
なると、
d1=d2=d3になり、
V1+V2=V3が成り立ちます。
つまり、濃度差が大きいときは、
密度がそれぞれの溶液で
与えられているのです。
そして、このときは、体積の和が混合溶液の体積と一致しない!のです。
解法!
こういう風に、濃度差が大きいとき、やるべきことは、質量保存の法則を計算式で表せればいいのです。
溶液全体で混合前と混合後の質量が保存する事、
また、溶質の硫酸も混合前後で質量は変わりません。これを利用して、
溶質の混合前と混合後の質量が保存する事、
これらに着目するのです。
質量保存式を立てて、
d1V1+d2V2=d3V3で、
未知のV3を求めていくのです。
いかがでしたか、これは基本的なところで直感的に理解してもいいし、数式的に理解してもいいです。
両方がベストですが!意外とこれを知らないと問題が解けないので、きっちりマスターしていってください。
まあ、これに気づけた高校生も気づけなかった高校生もいい頭の体操になったのではないでしょうか?
そうですね!
「そういう考え方か!」
って感じで思えれば十分ですね!
0.125mol/Lの硫酸100mLと0.150nol/Lの水酸化ナトリウム水溶液150mLを混ぜ合わせた溶液のpHを求める問題で
自分は
H2SO4︰〔H+〕0 125×(100/250)×2=0.10
NaOH︰〔OH-〕0.150×(150/250)×1=0.09
よって〔H+〕=0.10-0.09=0.01
よってpH=2
として答えはあってました。
これは硫酸と水酸化ナトリウム水溶液の密度が同じと見なされているから出来たということですか?
そうですね!結構ごまかしなところもありますが、そういう事になります。
見分け方は、密度が与えられていたら、質量保存則、なかったら希釈となります。
こんばんは。
学校の試験が終わったのでシェンロン解き始めました!
濃度変換は合法カンニングペーパーを見た時は全然自分で出来なかったのですがシェンロンを解いたらすぐに慣れたみたいで濃度差が大きい溶液を混合するやつも少し見ただけで最後まで解けて感動です。
忘れないうちに重問の濃度変換も解いてみたいと思います!
すばらしいですね!!!
感動してもらえてよかったです!
どんどん使いこなしていってくださいね!
合計の体積が変わるという見方は今までできませんでした….
これからも活用させてもらいます!
問題文にはヒントが隠されているということを、神龍を読んでからすごく意識するようになりました!問題が自分の中でパターン化されてきて、以前よりも断然解きやすくなりました。どの設問でも、問題文から瞬時に解答を割り出せるように頑張って訓練していきます!分かりやすい説明、ありがとうございました。
大きな勘違いをしていました。
気付けて良かったです。ありがとうございます。
あと、質量保存と混合溶液の合計の物質量も不変だと思うので、この二つを上手に使うとスマートに解けると、神龍の濃度差が大きい溶液の問題を解いてて感じました。
役立ってよかったです!
さすがですね!自分なりの気づきを得られたのはすばらしいです!
大事なのは「不変のもの」を見つけて、等式を作ることですからね!
質問してもよろしいですか
「濃度差が大きい」とは何の濃度と何の濃度の差のことでしょうか。
拙い質問で申し訳ないです
2つの溶液の濃度差です。