こんにちは。
今日は化学の基本法則の1つである「定比例の法則」をまとめていきます。定数比例の法則ってそんなに難しくないんですが、文章だけではイメージがつきませんよね。
倍数比例の法則と並べられるとどっちがどっちだかわからなくなります。
なので、今回は「具体例」と「歴史」を使って定比例の法則をしっかり理解して頭に入れていきます。
この定比例の法則は「ドルトンの原子説」よりも昔です。つまり原子すら知らなかった人たちが作った法則ですので、今の僕たちの感覚で「当たり前じゃん」って思うとドツボにハマります。
なので、大昔で気体の存在さえも微妙だった頃にタイムスリップした気持ちでご覧ください。
目次
定比例の法則とは?具体例で解説!
ある化合物を構成する成分元素の質量比は、その製法のいかんを問わず、常に一定である。
と、まあなかなかまどろっこしい書き方を教科書ではしてありますね。何となくわかりにくいのは、これが僕たちの時代だと当たり前すぎるからなんですよ。
めっちゃ簡単にいうと、

このように、水っていろんなところにあるじゃないですか。でも、当時富士山の水と、エベレストの水が同じ水だと思われていなかったんですよ。
嘘だろ? 富士山の水とエベレストの水が同じ質量比だと!!!
まだ水はわかりやすいですが、人が呼吸して出てくる二酸化炭素と木を燃焼させて出てくる二酸化炭素が同じであることも驚きの事実だったのです。
そう、炭素を燃やしてできる二酸化炭素も、C:O=12:32=3:8で一定である。

定比例を発見した人とその歴史を具体例を出しながら解説!

1799年に定比例の法則を発見した人はプルーストっていうおじさんです。(年号は覚えなくていいですが、質量保存の法則の後で、原子説の前だと言うことは記憶しておいてください)
今は、水がH2Oと言う分子式で表すことができて、どの水も構成元素が同じことは当たり前です。ですが、当時はカルチャーショックでした。定比例の法則の時代って「原子」さえも提唱されてませんでしたからね。
特に、ベルトレーと言うおじさんが異議を申し立てていました。


このようなボーキサイトだったら、質量の比はそれぞれ違うから産地や製法でやっぱり質量比が違うに決まっている!
そうベルトレーは主張しました。でも、今を生きる僕たちはこれが間違いだとわかりますね? この理由はすでにプルーストがたどり着いています。

プルーストは、かなり現代化学的な思考を持ち、定比例の法則を提唱していました。当時は、化合物と混合物の違いも曖昧でしたからね。
もちろん、現代では当然のようにプルーストが正解です。しかし、当時はベルトレーの方が多数の支持を受けていました。その理由に、金属の酸化物が種類によっては質量の比がことなるからです。
例えば、CuOとCu2Oって両方銅と酸素でできているものの、質量の比は違いますよね。今でこそ銅のイオン価数が違うからだと言えますが、当時はそんなことわかるはずもありませんでした。
ちなみに、このことがわかるようになったのが、後の「原子説」と「倍数比例の法則」です。
まとめ
いかがでしたか? 今日の定比例の法則をまとめると、
- 定比例の法則はプルーストが発見した
- 産地や製法に寄らず質量比が同じと言うのは、富士山の水もエベレストの水もH:O=1:8である
- CuOやCu2OのようなCu:Oが異なる質量比になるパターンは倍数比例の法則で説明される
このようになるので、よくある間違い、「定比例の法則と倍数比例の法則の違いがわからなくなる」現象がなくなります。
このような化学の基礎法則は、歴史で学ぶに限ります。
ぜひ今日の内容もしっかり頭に入れておいてくださいね!