質量数って意外と理解しにくい分野です。
目次
質量数とは?質量数の求め方は?
原子の構造の記事でもいいましたが、原子を構成する粒子は、陽子、中性子、電子です。この3つの粒子でできています。
この3つの粒子の質量を比べてみると、
粒子 | 質量(g) | 質量比 |
陽子 | 1.673×10-24 | 1 |
中性子 | 1.673×10-24 | 1 |
電子 | 9.109×10-28 | 1/1840 |
陽子と中性子の質量が電子の1840(イヤよー)倍なんですよ。なので、これほど差が開いているので、原子の質量を考えるとき、電子の質量は無視されます。
質量数も同様に、電子は無視されます。よって、質量数は次のように定義されています。

この定義を使ったよくある問題は、「中性子の数を求めなさい」っていう問題です。
質量数12の炭素の中性子数は、12-6=6です。覚えなくていいですが、
中性子数=質量数ー原子番号
で求められます。
質量数と原子番号を元素記号で表すと?

このように、左上が質量数、左したが原子番号を表します。分子を表したり、化学反応式で元素記号を使う時は、これらの数字は省略されます。
質量数は書くけど、原子番号は当たり前すぎて省略されることもよくあります。

このような、元素記号を見て中性子の数を聞かれることもあります。これだけを見て、Cの原子番号は6だから、
12-6=6個だ! と判断できるようにならないといけません。
質量数と原子番号の関係は?
原子番号と質量数の関係ですが、原子番号=陽子数ですので、質量数と陽子の数はどのように関係しているのか? がわかればいいですよね。
原子番号の2倍が質量数になることが多いです。だいたい陽子の数と中性子の数が1:1くらいでないと原子核が爆発します。

原子核の構造はこのようになっています。陽子と中性子から原子核はできています。もし、中性子が少なくて、陽子が多かったらどうなるでしょうか?

このように、中性子が少ないと陽子どうしが反発して飛び散ります。そして原子核が崩壊します。なので、陽子同士の反発を防げるように、目安にすぎませんが、だいたい質量数は原子番号の2倍くらいです。
「だいたい」とか「くらい」と表現しているのは、厳密に2倍なわけではないからです。例えば原子番号17の塩素は質量数35と質量数37の同位体が存在します。
このように、陽子よりも中性子が多いパターンもよくあるので、「質量数が原子番号の2倍」は目安程度に思っておいてください。
質量数の単位は?
質量数って単位ないんですよ。すなわち、原子量にも単位がないんです。gでもないし、個でもないんです。
炭素の質量数12は炭素原子に陽子が6個と中性子が6個含まれていることを表します。それだけで、質量に関わりがあるのは間違いありませんが、質量数の単位はgではありません。
質量数と原子番号は覚えるのか?
受験生で疑問になるのが、この2つどこまで覚えたらいいんだ? ってことですよね。これはズバリ、
原子番号は1~20まで覚えるけど、質量数は覚えなくて良い
ただ、


と言えるようになるほど覚える価値はありませんので、周期表を覚えてある程度自分で数えて原子番号がわかればいいでしょう。
H He Li Be B C N O F Ne/
水平リーベ僕の船/
Na Mg Al /
ななまがり
Si P S Cl Ar K Ca
シップスクラークか!
この語呂で覚えてください。
質量数は覚えても使う場面がありません。質量数よりはいくつか原子量は覚えておくべきです。原子量についてはまたまとめます。
まとめ
質量数ってわかっているようでわからないところが多いですよね。もう一度まとめ直しておきますね。
- 質量数=原子番号+中性子数
- 質量数は単位がない
- 中性子を求める問題がよく出る
それでは、次の記事では「質量数と原子量」についてまとめていきます。