金属結合とは?結合の強さや特徴、自由電子の役割を〇〇に例えてみた

金属結合をビー玉で例えてみました

化学結合(共有結合、イオン結合、金属結合)の1つである金属結合がテーマの記事です。

金属結合って、共有結合とどのように違うのか? 金属結合の特徴である「展延性」「熱電気伝導性」「金属光沢」は、どういう理由で表れているのか。

 

割と細かいところまで聞かれると、意外とわからない人も多いでしょう。今日は金属結合で覚えておくべきことをまとめるのと同時に、金属結合の性質をわかりやすいイメージを「粘土とビー玉」を使ってつけていきます

 

また、金属は「自由電子」が非常にいい仕事をしますので、その点にも注目してみてみてください

 

ちなみに、より厳密に金属結合を理解したい人、金属結合とイオン結合と共有結合の違いを知りたい人は、下の記事から学んでみてくださいね!

※この記事は約3分ほどで、動画以外は見ることができます。サラサラ読みこなすには、すぐに読めると思うので、まずはサラサラ読んでみてください。時間があれば動画もご覧ください。

目次

金属結合とは?

金属結合する前の金属原子

このように、金属原子が並んでいます。この金属原子が下のようにみんなで電子を共有するのが金属結合です。

金属結合とは

自由電子を仲立ちとした金属原子間の結合を金属結合という。

と書いてありますが、金属って電気陰性度が小さいですよね。つまり、電子があまり好きじゃないし、イオン化エネルギーが小さいので陽イオンになりたいんですよ。

 

教科書的には、「金属原子が自由電子を仲立ちした結合」と仲立ちと言ういい感じの言葉を使っていますが、実情はみんな電子嫌いだからたらい回しにしているイメージの方が正しいです

みんな電子が好きじゃないんです。だから、みんなで電子をたらい回しにしているんですよ。だから、電子が自由自在に動いているのです。

補足

今さらっと、電気陰性度やイオン化エネルギーという言葉を使いましたが、これ以降の化学基礎の範囲、有機化学、無機化学、理論化学、全てで最も重要概念なので、もしわからない人は必ずじっくり学んでおいてください。

電気陰性度とは?大きい順番の覚え方や周期表での大小関係をまとめてみた

イオン化エネルギーとは?お金に例えたら大小関係が一瞬でわかった

ちなみに、金属結合をわかりやすくイメージするには、粘土とビー玉をイメージしてみるとわかりやすいです。

金属結合をビー玉でイメージしてみた

動画で説明しています。

このように、自由電子を粘土で表すと、金属の性質もイメージしやすいです。

金属結合の特徴

金属結合の結合の強さ

重要ポイント

原子核にとって電子が重要であればあるほど、結合は強い

原子核にとって、電子が重要であればあるほど結合は強いです。例えば、共有結合は、

電気的引力で共有結合

このように、共有結合にとって共有電子対(電子)はめちゃくちゃ重要ですよね。電子がなくなることって共有結合の結晶は、電子がないと生きていけません。

電気的引力でイオン結合をしている

イオン結合もこのように、陽イオンと陰イオンで、+とーがお互い引き合います。ですが、イオンとして存在できますので、共有結合よりは結合は弱くなります。

 

次に、金属結合はというと、電子を厄介者として扱い、みんなでたらい回ししているわけですよ。つまり、他のものよりも+ーの関係が重要ではないんです。むしろ陽イオンになりたいくらい。

金属結合は一応+ーの引力で結合している

一番、電子の重要度が小さいんですね。よって、金属結合は化学結合(共有結合、イオン結合)の中でもっとも弱い結合になります。

まとめ

結合の大きさは

共有結合>イオン結合>金属結合

金属結合は組成式で表す

金属結合は分子を作らないのですか?
しょうご
金属結合なんですが、金属同士は分子を作らないのですか?

と言う質問が来ました。

金属結合は、分子をとりません。先ほども書きましたが、金属は電子が嫌いなので、みんなで電子をたらい回しします。よって、金属結合する=金属結晶になると考えてください。

 

なので、分子を取らないので、金属の化学式は分子式ではなく組成式です

 

それでは、ここまで金属結合そのものを解説してきました。次からは、金属結合や自由電子でどのような特徴や性質が現れるのかを解説していきます。

金属結合と共有結合とイオン結合の違いは?

それぞれの結合の違い

金属結合:金属どうしの結合

共有結合:非金属同士の結合

イオン結合:金属と非金属の結合

結合の種類は金属元素と非金属元素の組み合わせで決まります。金属同士が金属結合で、非金属同士が共有結合で、金属と非金属がイオン結合です。

金属結合の3大性質とは?

金属の三大性質
  1. 展延性
  2. 熱電気伝導性
  3. 金属光沢

この3つです。結論を言ってしまうとこの3つの全ての性質が自由電子が作用しているのです。

展延性

金属結合をビー玉でイメージしてみた

これは、先ほどの粘土のたとえを考えるとわかりやすいです。金属を叩けば伸びるのは、電子が自由自在に粘土のように動くことができるからです。

金属結合の展延性を確かめ

イオン結合なら叩くと割れますが、このように金属結合ならば自由電子が自由自在に動けるので

金属結合は叩いたら伸びる

このように伸ばすことができます。自由電子が自由自在に動けることで、金属が伸びたりするのを展延性と言います。

補足

展性延性質の違いは、

延性は、2次元的な伸びです。

延性

で、展性は3次元的な伸びです。

展性

 

電気伝導性

金属の自由電子の流れ

金属は電気を通しますね。これは、金属の自由電子が電圧が加わると、正極側に移動するからです。このように電子が流れることで電子と逆方向に電流が流れるのです。

熱伝導性

金属って温めるとすぐに熱くなりますよね。ユーチューバーも鉄球を温める実験とかしますよね。

氷に熱した鉄球

このように、氷に熱した鉄球を落としていきます。まず、鉄球は熱するのに時間がかからないのと、熱した後氷につけてもすぐに熱が冷めるのです。

熱しやすく冷めやすいのです。

 

これは、金属は熱伝導性が非常に高いからです。その理由は、、、、また自由電子です。

金属の熱伝導性

まず、熱すると原子が熱振動をします。振動していますよね。てことは、それまで簡単に移動できていた自由電子が原子の運動によって、移動を邪魔されて衝突します。

 

そして、衝突することで、原子の運動エネルギーを電子が受けて熱振動します。これで、まだ温まっていない低温部分にも自由電子によって振動が伝えられるのです。

光沢がある

金属の金属光沢

これももちろんですが、自由電子が性質に影響をしています。自由電子が入射した光を反射しているのです。よって、金属は光沢があるように見えるのです。

まとめ

金属結合とは
  1. 金属どうしが電子をたらい回しにする結合
  2. 金属の性質「展延性」「熱電気伝導性」「金属光沢」は全て自由電子の影響

いかがでしょうか。金属結合を理解した後は、金属結晶になります。



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浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。