オゾンの性質と生成反応の「無声放電」を徹底解説してみた

オゾンの製法

酸素の同素体のオゾン。オゾンのことはなんとなくわかっている。そして、オゾンを生成する半反応式も酸素からできるから作れる。

3O2→2O3

じゃあ、この反応を起こす無声放電ってなんだよ!

そういえば、僕は受験を無声放電を理解することなく終えてしまいました。なので、オゾンの性質から製法「無声放電」まで徹底的に解説しました。ぜひご覧ください。

目次

オゾンの3大性質

オゾンの3大性質
  • 酸化剤
  • 淡青色
  • 特異臭

受験で問われるのは、この3つです。

オゾンはまず酸化剤です。相手を酸化することで、相手の物質から電子を奪うのです。相手の物質から電子を奪い酸化することによって「殺菌作用」だったり、色素から電子を奪い「漂白作用」だったり、このような性質が現れてくるのです。

 

色は淡青色です。また、ニンニクに近い得意臭も見られます。

オゾンの製法「無声放電」とは

オゾンの生成反応は吸熱反応

オゾンの生成反応の反応式は、

3O2→2O3-284kJ

熱量の符号が負であることから、この反応は吸熱反応なんですよ。つまり外部からエネルギーを与える手段が必要なんです。その1つが「無声放電」なんです。ちなみに紫外線などでもエネルギーを得ることができます。

オゾンの製法のエネルギー図

この外部からのエネルギーでオゾンになる方法のうち、高校化学で主に学ぶのが無声放電です。ちなみに、こういう吸熱反応と聞いて、すぐにエネルギー図を書いて上向き矢印をかけるのは重要ですよ。

 

また、エネルギー図の上下が何を表しているかもしっかり理解しておく必要がありますからね。エネルギー図についてはこちらの記事を読んでおいてください。

無声放電の流れ

まず、全体像を掴むために、こちらの動画をご覧ください。

乾燥した酸素にオゾン発生機で電圧を加える

オゾン発生器

酸素をオゾン発生機に入れて誘導コイルにて電圧を加えることで、酸素にエネルギー(電位)が与えられて、活性化エネルギーを経てオゾンが生成されます。

 

この時、ガラス管のような絶縁体の中で電圧がかけられるので、火花や音を伴わない静かな放電が完全たいで効率よく起こるようになります

 

音がないので、無声放電という名前です

オゾンの検出反応

オゾンが生成されたことを検出するのには、ヨウ化カリウムとデンプンを使います。ヨウ化カリウムはKIで透明です。こいつは還元剤で

2I→I2+2e

と反応します。この溶液に無声放電後の気体を入れるとどうなるでしょうか。このように無声放電で発生した気体をぶくぶくさせます。

オゾンの検出反応

このように、発生した気体(オゾンを含む)をヨウ化カリウムとデンプンの溶液に入れます。すると、ヨウ化カリウムが酸化されてヨウ素が発生します。

2KI+O3+H2O→I2+2KOH+O2

このヨウ素とデンプンがヨウ素デンプン反応をして、青紫色に変化します。

オゾンの検出反応ヨウ素デンプン反応

このように青紫色になることで、ヨウ素の存在が確認されます。

最後に

てな訳で今日はオゾンの性質と製法、生成反応、検出反応までまとめてみました。無声放電までしっかり頭に入っていた人はなかなかいないと思いますので、しっかり頭に入れておいてください。

 

また、オゾンを含めて酸素の同素体をバッチリまとめた記事もありますので、ぜひこちらもご覧ください。

今回の記事はいかがでしたか? 最後までご覧いただきありがとうございました。



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浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。