こんにちは。
中学生の時もありましたが、再結晶は高校の化学でも非常によく出てきます。化学基礎の物質のカテゴリでは、混合物を分離する方法として出てきます。
この混合物の分離の方法としてよく利用される再結晶について解説します。
目次
再結晶とは?
再結晶の原理
再結晶とは、混合物を温度による溶解度の違いを利用して固体物質の精製する方法のことを言う
物質ごとに溶解度(100gの水に溶ける溶質の量)は、異なります。さらに溶解度は温度によっても全然違います。これ、気体の溶解度はまた話が逆なんで、ヘンリーの法則を確認してみてください。
混合物の分離ではよくある手法ですが、
熱々にしてから冷やして、沸点の差や溶解度の温度による変化を使って、混合物を分離する方法の一種が再結晶です。
混合物の分離で別の手法の石油の分留でも使われています。「石油(原油)の分留の仕組みや手順をわかりやすく解説!」でも解説しています。
再結晶で混合物を分離する具体例
塩化ナトリウムを少量含んでいる硝酸ナトリウム溶液から硝酸ナトリウムのみ析出させたい。
混合溶液を熱して塩化ナトリウムと硝酸ナトリウムを両方溶解させます。そして徐々に冷やすと「硝酸ナトリウム」のみが析出します。
なんでこれで塩化ナトリウムが沈澱しないのかというと、溶解曲線を見ればわかります。
塩化ナトリウムって水温が60 ℃だろうと、40℃だろうと全然溶解度変わらないんですよね。なので温度を変えても溶解量は変わらず結晶にならないんです。
一方で硝酸ナトリウムは温度で溶解度がめちゃくちゃ変わります。
40℃ | 63.9(g) |
60℃ | 109(g) |
このように溶解度が温度によって大きく変わるので、温度を下げると結晶として取り出すことができるんです。
溶解度に関するよくある質問
これはろ過などを使って、ゴミを取り除いていきます。
少量の場合は溶解度に関わらず溶液に溶けたままになります。
再結晶による混合物の分離まとめ
こちらは固体の溶解度の問題にも使われる原理です。計算問題を解きたい人は理論化学の固体の溶解度の記事をご覧ください。「固体の溶解度の計算問題は1つの解法で!場合分け不要や!」