相対質量、原子量、質量数、この辺りの用語ってごちゃ混ぜになりやすいです。それぞれの違いは言えますか?
今回は相対質量に焦点を当てて、相対質量とは何か? や相対質量に関する入試問題を解けるようにしていきます。
化学の計算が得意な人でも、このような基本的なところが抜けている人が時々いますので、バッチリマスターしておいてください!
目次
相対質量とは?(真面目版)
12C原子1個の質量を12としてこれを基準に、その原子の質量の何倍になるかの比を使って原子の質量を決めるもの
質量保存の法則以来、質量が重要だと気づいた化学者。そして、次に原子説で物質はつぶつぶが結合しまくってできているということもわかりました。
すると当然、原子の質量も考えなければならなくなりました。しかし、原子の質量は炭素で1.9926×10-23gです。

あまりにも小さい数字で扱いにくかったので、炭素の12を基準に相対的な数字で化学の計算を扱うことに決めたのです。
だから、12Cの質量を12として、原子の質量がこれの何倍か? で相対的な質量を使って計算するようになったのです。(実際にどうやるのかは次の章で解説します)
重要なのは、基準(12C)から原子の質量は何倍なのか? ってことです。これがわかれば、たとえ12Cの基準の相対質量を24にされたとしても問題なく解けます。
相対質量の求め方
原子の相対質量=12×12Cとその原子の質量比
これは色々文章で書くよりもみたらわかります。例えば、1Hは12Cの12分の1の質量です。てことは、質量比は1/12ですよね。

よって1H=12×1/12=1
となります。よって1Hの相対質量は1
12の炭素原子を基準に、炭素の3倍の質量がある原子の相対質量
=12×3=36
12の炭素原子を基準に、炭素の1/2倍の質量がある原子の相対質量
=12×1/2=6
となります。
もし12Cの質量を24と基準にするとどうなるでしょうか? ちなみに、こういう問題も出題されるので、気をつけてくださいね。ですが、難しくありません。
24の炭素原子を基準に、炭素の3倍の質量がある原子の相対質量
=24×3=72
12の炭素原子を基準に、炭素の1/2倍の質量がある原子の相対質量
=24×1/2=12
となります
これが、相対質量の定義です。
まとめ
相対質量は12C=12と定義し、ある原子が12C原子の質量の何倍かで、表す質量のこと。仮想的な質量の表し方なので、単位は存在しない