【完全解決】ファンデルワールス力とは?働くものと働かないものに違いある?

こんにちは。

  • ファンデルワールス力ってそもそもどういう力? 参考書読んでもあんまりよくわからない。。。。
  • なんでファンデルワールス力はなんで分子の形に影響があるのか?
  • なんでファンデルワールス力は分子量で変わるのか?

このような疑問点を徹底的に解決していこうと思います。

なんとなくでしか理解していない人も多い分野なので、ここはキッチリ理解しておきましょう。

目次

ファンデルワールス力とは?

ファンデルワールス力とは

極性がない無極性分子であろうと、分子間には弱い引力が働いている。それがファンデルワールス力である。

こんな書き方をされても一ミリもわかりませんよね。僕も答え知らないと絶対にこれで理解できません。

ファンデルワールス力は基本的に無極性分子に働く力です。

 

極性、無極性がわからん人はこの記事を読んでね。

 

分子はもちろん、色々な原子でできています。

原子は陽子と陽子の周りを回る電子でできています。

原子 チラチラ

あるときは電子が反対側にまわって『+』に見えます。

原子 チラチラ

あるときは電子が見えて『ー』に見えます。

このように無極性分子であっても、『+』と『ー』がチラチラ移り変わっているのです。

 

これが分子のようにカタマリになると

ファンデルワールス力 チラチラ力

のように小さな分極がチラチラ移り変わっているのです。

 

分子表面はδ+、δ-、δ+、δ+、δ+、δ-・・・のように帯電していると考えられます。

 

そこにもう1つの分子が接近するとどうなるだろう。

分子間力 チラチラ力

チラチラしていた電子が向いがわの分子と電気的引力で引き合うと電子は動きを止める。

 

するとその動きが止まって隣は電気的斥力がかからないように決定される

スクリーンショット 2016-05-28 17.38.33

こうなると隣の電子の結合が固定されると隣の電子も決まって来る。

分子間力

すると、核の周りを回っていた電子の動きがとまり、+とーが引き合うようになります。

 

この様に決まってくると+の隣に+はおかしいな!と思って隣がーになります。こうしてある程度の必然性ができます。

 

ファンデルワールス力の要因を、固い言い方(教科書に書いてあるような書き方)をすると

 

『分子の瞬間的な分極によって生じる静電気的な引力』

 

ってなるけど、

 

 

なにこれ、意味分からんwwwってなるので、

 

 

『チラチラ力』って言いました。

 

なので

ファンデルワールス力=チラチラ力の総和

だと思ってください。

ファンデルワールス力の大小関係とその原因

分子量

分子量が大きいほどファンデルワールス力が大きいです。その理由は、「分子量が大きくなればなるほど用紙が大きくなり、同時に電子が多くなるからです。

 

分子量が大きくなる⇒陽子が多くなる⇒同時に電子が多くなる

 

これだけ!つまり、分子量が大きくなるとチラチラ力をやってくれる電子が増えるので、結合が大きくなる事で、

 

チラチラが多い方がいいでしょ!

ファンデルワールス力 分子量

 

接触表面積

これも実はファンデルワールス力=チラチラ力だと分かっているとすぐに解決する。

例えばメタンを考えると

メタン ファンデルワールス力

 

表面積が小さいからチラチラ力の数が少ない。

 

しかし、

ファンデルワールス力 表面積

このように分子の表面積が大きくなると接触しやすくて小さい引力が多くなります。すると、合計したファンデルワールス力が大きくなというわけです。

ファンデルワールス力というのは、距離の6乗に比例します。よって距離が近ければ近いほど強いし、遠くなればメチャクチャ弱くなると言うこと。

なので、直鎖(枝分かれがない)方が、分枝(枝分かれがある)よりも近づきやすいので

 

分子量が同じものの中でもファンデルワールス力の大きさの大小がつく事がある。

 

例を出すと、C5H12など。

ファンデルワールス力 表面積

これはメチャクチャ接触面積が広くて、チラチラを感じやすい。

 

しかし、おなじ分子式でも次の分子はどうだろうか?

ファンデルワールス力 表面積

こうなると枝分かれが邪魔で接触面積が小さくなる。すると、チラチラ結合する数が少なくなる

 

 

と言う事は距離がおおきくなってファンデルワールス力はめちゃくちゃ弱くなってしまう。

 

ファンデルワールス力 枝分かれ

こうなったら終わり。もはやどこでチラチラするの?

 

ファンデルワールス力 表面積

実際分子量が同じこいつらの沸点を左から並べると

36℃,27.7℃,10℃と

 

表面積が小さくなるにつれてどんどん小さくなる。

 

こういう理由からファンデルワールス力は接触表面積が大きいほどチラチラ力が働く数が多くなるので、ファンデルワールス力が大きくなる!

極性分子に比べれば小さい

よく参考書を読んでいると、極性分子は水素結合!無極性分子はファンデルワールス力!

 

でも極性分子にも”一応”ファンデルワールス力は働いている。

 

 

ただ、『水素結合』のように、極性がある分子に比べると遥かに弱い

 

ファンデルワールス力は非常に弱い結合です。

 

だから、水素結合に比べると全然取るに足らない引力なのです。

豆知識:ファンデルワールス力はヤモリにも働いている

実は、こいつもファンデルワールス力を使っているのです。

スクリーンショット 2016-05-28 15.01.00

そうヤモリもファンデルワールス力を使っています。

 

ヤモリ ファンデルワールス力

ヤモリのこの足の指は壁でも登って行けますよね!

ヤモリ ファンデルワールス力

このようにヤモリが壁をゴリゴリ登っていけるのもファンデルワールス力を使って壁の分子と

ファンデルワールス力まとめ

重要ポイント
  • ファンデルワールス力は瞬間的に現れる引力

 

ステップ1

ファンデルワールス力は陽子の周りを電子が回る事からチラチラする。

 

ステップ2

チラチラが重なるとだんだん+ー+ーの順番が決まり、引力が働くようになる。

 

ステップ3

チラチラによる力、そう!チラチラ力が働く!

 

ステップ4

チラチラ力は電子によって起る。

 

ステップ5

分子量が大きい⇒陽子数と電子数が多い⇒チラチラ力が多い!だから、ファンデルワールス力も大きい!

 

ステップ6

チラチラ力が多いほどファンデルワールス力が大きい、つまり接触表面積が大きいほどファンデルワールス力がおおきい。

 

この流れで唱えていると確実にファンデルワールス力がなんなのか絶対に分かる!キッチリマスターしてください。



6 件のコメント

  • けんと より:

    ファンデルワールス力に関連して沸点の質問です。

    まず沸点を決める要因はファンデルワールス力(つまり分子量が大きい程沸点が高い)。
    ただし水素結合を生じてる物質の場合は水素結合>ファンデルワールス力なので水素結合があればより沸点が高くなる。

    そして、分子量も同じ。水素結合も生じてない。という時は極性があるほど沸点が高くなる。

    こういう考えであってますか?

    • 受験化学コーチなかむら より:

      そういうことになります。

      また、水素結合も見かけの分子量が大きくなることによって沸点が上がっているとも考えられます。

  • 迫真化学部 結合の裏技 より:

    非常に分かりやすかったです!いままでモヤモヤしていたものがスッキリしました!

  • 雷瑞 より:

    学校の授業でも、わかることにはわかったけどボンヤリしていてつかめなかったのが、よくわかりました!チラチラ力という例え方はうまいですね!

  • もっち より:

    分子結晶が電気を通さないのは分子同士がチラチラ力でくっついてるので電子が通らないからだという解釈で合ってますか?

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    ABOUTこの記事をかいた人

    浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。