こんにちは。
ベンゼン環の反応として、水素や塩素などが、『付加』する物があります。
ベンゼンは、本来付加反応はメチャクチャしにくい物なのです。
なぜなら、ベンゼン環は、
非局在化して、共鳴しているため、メチャクチャ安定なんです!
『ベンゼン環の構造式の書き方の謎、中に◯書くやつなんなん?』
だから本来付加しにくいのです。だからこの共鳴をぶっ壊していく反応なので、アルケンやアルキンの付加より、難しいことに注目して読んでいってください。
目次
水素付加
アルケンの時の水素付加を思い出してください!
アルケンの反応!付加反応のマルコフニコフ則とはなにか?
このようなNiやPtのような、触媒に水素ラジカルをくっつけてアルケンがそれにぶつかっていくというものでした。
で、ベンゼン環になったとしても全く同じです。
Ni、Pt触媒です。ですが、違う事と言えば、ベンゼン環はアルケンより遥かに安定であると言う事です。
アルケンのときは、Ni,Pt触媒はありましたが、それは水素ラジカルのまま保持するためのもので、アルケンは勝手にぶつかって反応していました。
しかし、ベンゼンは、π電子がめちゃめちゃ安定しているため、普通にぶつけてもあまり反応しません。
なぜなら、共鳴している電子がキレてもすぐに元に戻ってしまうからです。
なので、ちょっとずつ反応しても無駄です。同時に一気にこのベンゼン環の電子をブチ斬る必要があります。
なので、ベンゼン環をNi,Ptに一気にベンゼン環をぶつけないといけません。
こんなイメージで
よって高圧条件でぶつけていきます!
これにより、ベンゼン環にぺたぺたと水素がくっついて、
このようなシクロヘキサンになります。
塩素付加
コチラもラジカル反応です。
塩素付加は特に高圧条件は必要ありません。塩素は非常に激しく電子を求めていきます。そりゃそうですよね、あと1個で閉殻構造になれるのですから!
そしたら、死にものぐるいで、電子を奪ってきます。
塩素がラジカルになると、置換反応でもあったようにσ結合でさえ斬ってしまいます!
なので、アルケンであろうと、ベンゼンであろうと、光(紫外線)や熱条件下でラジカルになりベンゼン環にアタックしていきます。
そして、このラジカルがベンゼン環の共鳴にアタックしていきます。
これによってベンゼンヘキサクロリドが出来上がります。
BHCと略されたりします。
この名前は覚えておいてください!
ベンゼンヘキサクロリドです!
また置換命名法で言うと、
ヘキサクロロシクロヘキサン
といいます。
置換命名法はこちらで解説しています。
いかがでしたか?
ベンゼン環を破壊してくこの反応ですが、ベンゼン環の反応はなかなか覚えにくい物が多いですが、電子の動きをキッチリ見ればちゃんとわかるようになります!
なのでまずは、電子の動向をみるために、有機に必要な化学基礎、理論化学の基礎知識を身につけましょう!
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