カルボン酸の性質は?構造決定で頻出な理由とは?

こんにちは。

今回受験にカルボン酸の入試で構造決定などで構造異性体の区別に使われる。

または、記述問題で書かされる。

とても重要な性質を学んでいただきます。

カルボン酸は構造決定で出題されるかなりの割合を占める、『エステル』を形成する物質です。

だから、カルボン酸は非常に重要なので、マスターしていきましょう!

目次

カルボン酸とは?

カルボン酸とは、カルボキシ基を持つ、化合物の事を言います。
カルボキシ基
カルボン酸は、カルボキシ基のH+を投げる力があるので、弱酸性です。

この弱酸性を利用した、有機物の分離や、構造決定で、使われる、カルボン酸の検出反応があります。

それが、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えることです。

これは有機物の酸の強さの順番に関わってきます。

有機物の酸の強さの順番は、下の順になります!

スルホン酸>カルボン酸>炭酸第1電離>フェノール>炭酸第2電離
覚え方は、
スカタンフェノール
です。
で、炭酸水素ナトリウムNaHCO3を加える事が検出反応になる理由を説明していきます。

炭酸水素ナトリウムの水溶液を入れ居ると言う事は、カルボン酸より弱い、弱酸の炭酸の第1電離、

しかも、炭酸水素ナトリウムということで、ナトリウム塩は、イオン化している。そう、自分より強酸がいながらも、弱酸がイオン化していると言う状況です。

あれ、、より強酸のカルボン酸が分子なのに、それより弱酸の炭酸第1電離が、イオン化している、、、、

弱酸遊離反応起るやん!!!

酸塩基『弱酸遊離反応』とは?ドラえもんに例えて覚える方法


というわけで、弱酸遊離反応で、

R-COOH+NaHCO3→RCOONa+H2CO3

という反応がおこります。

これでめでたく、炭酸第1電離より強酸のカルボン酸がイオン化し、炭酸が分子となりました。

そして、炭酸は、分子状態は不安定だから、

H2CO3→H2O+CO2

となり、

CO2が発生します。

構造決定って、分子式を求めたり、しますよね。

そして、その時点で構成元素C,H,Oだとわかります。

スルホン酸は、
スルホン化 スルホ基
スルホ基にSが含まれるため、

構成元素がC,H,Oとわかっているときは、炭酸水素ナトリウムを入れて、CO2を発生させるのは、カルボン酸のみ!

という検出反応になります!

カルボン酸の性質

カルボキシ基

カルボン酸のカルボキシ基は、分子間で水素結合出来るので、沸点・融点が同じ分子量くらいのやつらより、高いです!
カルボン酸 水素結合

これにより、見かけの分子量が大きくなりますので、沸点が大きくなります。

分子量が大きくなると沸点が高くなる理由は、分子量が大きくなるとファンデルワールス力が大きくなるからです。

【完全解決】ファンデルワールス力とは?働くものと働かないものに違いある?

例えば、酢酸は、融点は、17度になります。

水よりも遥かに高いですよね!

しかも17度だったら、、、

凍るやん!!

ということで酢酸は冬場固体です。

なので純度が高い酢酸は、このような沸点がそのまま当てはまるため、氷酢酸と言います!

 

 

 

純度が高い酢酸の事を氷酢酸と言います!
氷酢酸

カルボン酸を分類

カルボキシ基の数で分類!

カルボン酸は、カルボキシ基の数で、分類が異なります。

カルボキシ基が1個の場合、モノカルボン酸と言います。
酢酸 構造式
酢酸などもものカルボン酸です。モノは、数詞で1を表しました。

カルボキシ基が2個の場合、カルボン酸と言います。
アジピン酸
このような、アジピン酸はジカルボンです。

ジは数詞で2で表します。

脂肪酸という分類

脂肪酸とは、
脂肪族のモノカルボン酸
です。

脂肪族は、鎖状の有機化合物の総称でした。

有機物の脂肪族や芳香族の分類の仕方をスッキリ明らかに!

アミノ酸・ヒドロキシ酸という分類

天然高分子化合物の分野で頻出のアミノ酸です。

これは、

1分子中に1個のカルボキシ基(-COOH)とアミノ基(-NH2)を持つものの総称です。

アラニン
このようにアラニンなどがあります。

また、ヒドロキシ酸とは、

1分子中に1個のカルボキシ基とヒドロキシ基(-OH)を持つものの総称です。

乳酸
この乳酸は代表的なヒドロキシ酸です。

注意すべきカルボン酸

カルボン酸では注意しなければならない物があります。

それがギ酸です。

ギ酸
このような構造です。

でも、ギ酸は、

よく見ると、
ギ酸
カルボン酸でありながら、アルデヒド基も持っています。

このことから、カルボン酸でありんがら、アルデヒドの性質を持つ、

もちろんアルデヒドの性質とは、
還元性!

なので、銀鏡反応したりします。

銀鏡反応の構造決定の使い方と反応式の作り方まとめ


ちなみに、ギ酸はフェーリング反応は
しにくいと言われています。

フェーリング反応の覚え方と反応式の作り方がスッキリわかる!

いかがでしたか?

カルボン酸の性質をまとめました。

非常に重要で構造決定の決定だともなる非常に重要な情報もありますので、頭に完全に定着させておいてください!



3 件のコメント

  • あいうえお より:

    氷酢酸は、凍った(固体の)酢酸ではなく、純度の高い酢酸のはずだった気がします。

    • 受験化学コーチなかむら より:

      ありがとうございます!
      修正します!

  • セロリ より:

    カルボン酸の酸性度についての質問です。
    「CH3COOH,CCl3COOH,CF3COOH
    の3つの化合物を酸性度の高い順に並べよ。」という問題がありました。これに対し僕は、

    右に行くほどCOOH基でない方のCが+に帯電するからCOOH基側のCの電子が引き寄せられる。で、右に行くほどOH基のOがHから電子を奪う力(=酸性度?)が大きくなる。

    と考えたのですが、コーチはどう思われますか?
    お返事いただけると嬉しいです。

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    浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。