元素分析の方法!ただちに組成式を確定させ、分子式を決定せよ!

元素分析

どうも、受験化学コーチわたなべです。

今日は、元素分析の問題について、問題演習をしながら、攻略して行きたいと思います。

これが出来ないと、そもそも構造決定の問題が全滅します。なので、最も慎重に解かなければならない問題だと言えます!

 

そして、構造決定ではこの組成式を求めることから全てが始まるのです。組成式を求めてから分子式を求めて行くのです。

受かる人はここを完璧にこなしますのできっちり勉強していきましょう。

「そんなたいした事じゃないだろ!組成式決定はどうせ元素分析だろ!」ですが、一応言っておきますが、

元素分析は、

元素分析

この図を使うものだけではないのです。

逆滴定を使ったり、窒素が組成式に入って来たりと様々な物があります。今回は最もオーソドックスな問題をご紹介します。

組成式と分子式を決定する問題演習

構成元素として炭素、水素、酸素だけを含む化合物Xの化学式を決定するたえに、以下の実験を行った。必要ならば、原子量としてH=1.0、C=12.0、O=16.0を用いよ。ただし標準状態(0℃1.013×10^5Pa)における気体のモル体積は22.4L/molとする。

元素分析

上図の装置内に、化合物Xを21.0mg入れた白金皿を置き、図の→の場所から乾燥した(ア)を通しながら加熱して、化合物Xを完全に燃焼させたところ、白色粒状の固体(イ)を含むガラス管Bと白色粒状の固体(ウ)を含むガラス管Cの重量がそれぞれ12.6mg、30.8mg増加した。また化合物Xを気体にして密度を測定したところ2.68g/Lであった。

問1空欄(ア)〜(ウ)に適切な語句を埋めなさい。

問2化合物Xの組成式を記せ

問3化合物Xの分子量を整数値で記せ

問4化合物Xの分子式を記せ

この問題はかなり誘導が丁寧です。

実際の入試問題では、この誘導が一切ないこともあります。誘導がなくても勝手に解いて、組成式を決定して、分子式まで決定してしまいましょう。

この元素分析をする目的は構造決定の問題で一番最初にする、『分子式の決定』をするためなのです。

超オーソドックスな元素分析のパターン

超オーソドックスな元素分析のパターンとして、

元素分析

この問題のような図を使うパターンがあります。

 

構成元素がCHOである有機物は、完全燃焼させて、CをCO2に、HをH2Oに変化させてCO2はソーダ石灰(NaOHとCaOの固体の混合物)H2OはCaCl2に吸着させてその質量を得て計算します。

この流れについて動画で解説しています。

水と二酸化炭素を別々の乾燥剤に吸収させるのが、この元素分析のミソなのです。

ソーダ石灰は二酸化炭素だけを吸着する事で二酸化炭素がどれだけあったかが分かるのです。

塩化カルシウムは水だけを吸着する事で二酸化炭素がどれだけあったかが分かるのです。

元素分析の注意点

最も注意すべきところは、ソーダ石灰と塩化カルシウムの順番です。

1つ手前でお話ししたことですが、『気体を別々に吸収する事』が大事なのでした。

これは、ソーダ石灰についてお話しした記事を読めば分かります。

ソーダ石灰とは?入試で出る乾燥剤としての役割まとめ

ソーダ石灰は塩基性の乾燥剤なので、水も二酸化炭素も吸収することが出来ます

 

ソーダ石灰に先に気体をくぐらせると、二酸化炭素と水両方を吸収してしまいます

 

今回の問題の解法!

すこし問題とはなれてしまったので、もう一度問題文を提示します。

構成元素として炭素、水素、酸素だけを含む化合物Xの化学式を決定するたえに、以下の実験を行った。必要ならば、原子量としてH=1.0、C=12.0、O=16.0を用いよ。ただし標準状態(0℃1.013×10^5Pa)における気体のモル体積は22.4L/molとする。

元素分析

上図の装置内に、化合物Xを21.0mg入れた白金皿を置き、図の→の場所から乾燥した(ア)を通しながら加熱して、化合物Xを完全に燃焼させたところ、白色粒状の固体(イ)を含むガラス管Bと白色粒状の固体(ウ)を含むガラス管Cの重量がそれぞれ12.6mg、30.8mg増加した。また化合物Xを気体にして密度を測定したところ2.68g/Lであった。

問1空欄(ア)〜(ウ)に適切な語句を埋めなさい。

問2化合物Xの組成式を記せ

問3化合物Xの分子量を整数値で記せ

問4化合物Xの分子式を記せ

 

問1当てはまる語句

C,H,Oからなる有機物Xを酸素(ア)で完全燃焼させると、CO2とH2Oに変化します。

 

乾燥していないと、CaCl2で吸収する、H2Oのデータが大きくなってしまいます。

 

CaCl2はCO2を吸収出来ません。逆にソーダ石灰はCO2やH2O両方吸収してしまうので、先にCaCl2を配置します。

なので(イ)はCaCl2です。

 

その後、酸性気体を吸収する能力を持つソーダ石灰を用います。

 

Xを完全燃焼させた気体のうち、H2OはCaCl2に吸収されているので、CO2のみソーダ石灰は吸収する。

(ウ)ソーダ石灰

 

問2有機物Xの組成式は?

(1)炭素の物質量の決定

Cの物質量=CO2の物質量×1=CO2の質量/44=30.8/44=0.70mmol

(2)水素の物質量の決定

Hの物質量=H2Oの物質量×2=H2Oの質量/18 ×2=12.6×2/18=1.4mmol(H)

(3)酸素の物質量の決定

Oの物質量=(全体の質量-Cの質量-Hの質量)/16=(21.0-12×0.70-1×1.4)/16=0.70mmol(O)

(4)の決定

<物質量比>

C:H:O=0.70:1.4:0.7=1:2:1

となり、

Xの組成式CH2O

 

問3化合物Xの分子量

標準状態に置ける気体の密度

d=2.68g/Lで与えられています。

 

これに(標準状態の)モル体積である

22.4L/molをかけると、

化合物Xのモル質量g/molになる。

 

スクリーンショット 2016-03-28 16.01.26

の式より、

M=60となります!

 

このような流れで元素分析をして、構造決定に繋げて行きます。

 

これはかなり重要で、構造決定のはじめの第一歩なので必ず出来るようにしておいてください。

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浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。