グリコシド結合とは?加水分解の反応も合わせてどうぞ!

グリコシド結合

こんにちは。

 

今日は糖の勉強では絶対に避けられない『二糖』や『多糖』の勉強に深く関わるところです。

 

単糖がグリコシド結合をすることで二糖や多糖になります。またグリコシド結合をします。

目次

グリコシド結合とは?

グリコシド結合とは、糖同士を連結する結合で、『アセタール』が出来ます。

グリコシド結合 アセタール

アセタールについては下をご覧下さい!

アセタールとヘミアセタールとは何かが面白いほどわかる記事

 

このようにアセタールが出来ます。

グリコシド結合生成の様子

グリコシド結合,脱水縮合

グリコシド結合はアセタールを作るもので、つまりは『エーテル結合』を作る事です。

 

なので、分子間脱水と同じ反応で出来ます。

 

なので、まず

グリコシド結合 配位結合

これによってOHがH2Oになります。するとOが「陽イオンなんていらんねん!電子よこせ!」といい

 

Cからごっそり共有電子対を奪い取ります。するとCが+になります。
グルコース 正電荷 グリコシド結合

そして、この生じた炭素の陽イオンに対して、別の糖の非共有電子対が穴に挿入してくれるのです!

グルコース 正電荷 グリコシド結合
このようなながれでアタックします。このときOの非共有電子対で+を埋めるため、

 

埋めたOHのOは電子ではなく、陽イオンを受け取った事に怒り、O-H間の共有電子対を全て自分のものとし、H+が飛んでいきます。

 

これにより二糖類が完成します。
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まあ見覚えがある人はわかると思いますが、エステル化とほとんどの同じ反応をしているのです。

エステル化など絶対に押さえておくべきカルボン酸の反応5選!

なので先ほどのH+をヘミアセタールに投げつけてくるのはもちろん、希硫酸です。エステルと同様加熱は必要です。

 

必ずヘミアセタールのOHが脱離する

 

H+が配位結合して、その後H2Oが脱離しますが、このとき脱離するヒドロキシ基は必ずヘミアセタールのOHです。

 

グリコシド結合,ヘミアセタール

このようにヘミアセタールのOHが抜けるときは、近くにあるOの非共有電子対がCからOHが抜けたときに、電子が埋めてくれるのです。

 

「あれ、+がよわまったら反応しにくくなるんじゃないの?」と思われるかもしれませんね。

 

しかし、これはそもそもOHを脱離する事が難しいのです。

 

だって、-OHを抜き去るというのは、わざわざ不安定な状態にすると言う事ですよね。

 

こういうとき『活性化エネルギー』がデカくなるのです!

 

これより反応が起りにくくなります!

 

なので、Oが+を電子を埋めやすくすることによって、より安定です。なので、活性化エネルギーが小さいのです。

 

なのでヘミアセタールからOHが奪われます

 

 

 

グリコシド結合の加水分解

次は加水分解です。加水分解もこのエーテル結合のOに向けてH+を投げつける反応から始まります。

 

そしてC+が出来上がるのでそこに水H2Oの非共有電子対が穴に挿入します!

グリコシド結合,加水分解

この位置で切れます。その理由は、、、

 

もちろん先ほどと同じです。

グリコシド結合,ヘミアセタール

ヘミアセタールのOが近いため、+を埋めてくれるのです。

 

これによって加水分解する事が出来ます。

 

まとめ

糖の反応ももはや芳香族までの反応の知識を使えば楽勝である!

 

 

糖が苦手だと思っている人は、それよりも

 

「エステル化」「エステルの加水分解」「分子間脱水」

 

を学んだ方がいいです!

 

それではありがとうございました!

 



1 個のコメント

  • 化学苦手な大学生 より:

    楽しく読ませてもらってます。加水分解はいつも適当にどちらかの結合を切ってOHとH付けとけ!とか思っていたので目からうろこと涙が出ました。

    仮の状況を想定した場合のご意見を伺えればと思うのですが、
    この二糖の加水分解を阻止したいと考えたときに、Oの非共有電子対を使っちゃえばいいと思ったのですが、そういう考え方でよろしいでしょうか。
    (Oの共有電子対の使い方とかは良く分かりませんけど、酸とかのH+もってくるか、何かで水素結合させればいいんですかね?)

    素人質問ですみませんが、より理解を深めるためと思ってお相手いただけると嬉しいです。
    よろしくお願いいたします。

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    浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。