高吸水性ポリマーは、おむつや生理用品、更にはローションなんかに使われている高分子です。
名前の通り、圧倒的に水を吸収するんです。
こちらははじめしゃちょーが高吸水性ポリマーに水を吸収させて、ふくらませるという実験をしています。
この実験がどのようにして起きているのかを化学的に説明していこうと思います!
目次
高吸水性ポリマーのモノマーはなんだ?
C=Cに対してカルボキシ基がついた物をアクリル酸といいます。

こいつのカルボキシ基がナトリウム塩になったものをアクリル酸ナトリウムといいます。

これがモノマーとして働きます。
高吸水性ポリマーの構造とは?
アクリル酸ナトリウムが付加重合することで、ポリアクリル酸ナトリウムになります。

出典:wikipedia
ただ、これだったら、鎖状のポリマーですので、————————-こういう状態です。
ただの鎖状のポリマーに水を掛けまくっても全く意味が無いと思います。そこで、こういう立体網目状を目指していきます。

このように立体網目状のポリマーにしていきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーと
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幾つかつなぎ合わせればいいのです。
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このようにポリマー同士に橋を繋いで
架橋していきます。すると、
だんだん網目状になってきます。
このポリマーが乾燥しているときは
-COONaという形で電荷が±0の状態です。
しかし、これに水をぶっかけると、、、、、
まず-COO–とNa+に電離します。
するとポリアクリル酸の-COO-同士が反発し合います。

反発すると、分子が大きくなるので網目状がどんどん大きくなりますよね。この広がったスキマが大きくなることで更に水が中に入り込みやすくなるんです。

出典:http://donou.jp/question/question.html
このように架橋されたポリアクリル酸ナトリウムに水が入り込むことで膨らみます。
水に接するとカルボン酸ナトリウムがナトリウムと電離してい-COO–になり、分子内で反発する。
反発し合うと、分子の構造が大きくなるので更に水を分子内に溜め込むことが出来るようになる。
という流れです。
高吸水性ポリマーの用途とは?

このようにおむつとか生理用ナプキンに使われています。
このように、高吸水性ポリマーがいかに水を吸収するかということがわかりますよね。
なんと1gの粉末から約1Lの水を吸収する能力を持ちます。
水を留めておく効果がありますので、砂漠緑化のための保水剤や人工雪などの利用法もあります。
砂漠の木の根本にこの高吸水性ポリマーを置いておくと、少々雨がふらなくてもずっと水を止めておける高吸水性ポリマーのお陰で、水を確保し続けることが出来ます。

なかむら先生、流石です。大変わかりやすい説明、ありがとうございますm(_ _)m
ありがとうございます!
架橋ってポリアクリル酸ナトリウムのみで出来るのですか?
少量の架橋剤を加えて乾燥させれば出来ますよー
分かりやすい説明ありがとうございます。
水を取り込む能力はわかりましたが、どのような原理で水を保持しているのでしょうか?
雑巾やスポンジは毛細管現象によるものと認識していますが、ポリアクリル酸ナトリウムも同じ原理で物理的な力でしょうか?
それともイオン化したCOO-との水素結合的な化学結合で保持しているのでしょうか?
質問なのですが、水分を吸収してぷよぷよになった後はどのような原因で縮むのでしょうか?
また、芳香剤等にも使われておりますが、このぷよぷよ事態に臭いや何かを吸収する効果はあるのですか?