こんにちは。
高校生の時から今に至るまで約10年間化学の新研究を使ってきています。旧課程で発売されたものですが、ここまで使い混みました。
大学生になってからも、大学受験の情報発信をするようになってからもずっとお世話になっている書籍です。
本サイトでも大いに参考文献として活用させてもらっています。
本記事では受験生の「化学の新研究」との向き合い方について解説していきます。
目次
化学の新研究のメリット
高校化学レベルは完全に網羅できる
高校化学レベルで新研究に載っていないことはもはやありません。
あらゆる入試問題で見たことがない反応でも大抵新研究で調べると出てきます。
大学受験の問題は教科書に載っていない知識は使わなくても解ける問題が多いですが、問題を解き終えた後で問題の背景を理解しやすいです。
受験化学では絶対に起きないような入試問題が出題されることは(滅多に)ありません。物理の力学なら自由自在に実験器具を変えられます。
一方、化学は全く起こりえない反応を題材にするような問題は出題されません。そんなことしたら化学者としてのプライドが許さないでしょう。
なので、新研究を全て理解できるようになれば知らない問題が題材になることはほぼなくなるでしょう。無茶ですけど。
記述問題で完答する力をつけられる〜「なぜ」に答えられるようになる〜
大学受験の問題の化学の記述問題でよくあるのが、「Why」系の問題です。
「なぜこの反応が起こったのでしょうか?」
「なぜこの物質はこのような特徴があるのか?」
この手の理由を聞く問題にめちゃくちゃ強くなれるでしょう。新研究はなぜその事象が起こっているのかを詳しく解説してくれます。
化学を暗記頼みにしなくてよくなる
高校化学は理屈をすっ飛ばして答えだけ教えさせようとすることが非常に多いです。無機化学はその流れに拍車がかかっていますよね。
しかし、新研究は最初理解するのは大変ですが、理解できたら覚えるのが割と簡単です。
理解して納得している知識は、そうではない知識と定着のしやすさが雲泥の差です。それくらい勉強において理解は大事なものなのです。
時々すごくいい解法が書かれている
新研究は解法書ではありません。しかし、時々問題集よりもはるかに使いやすい解法が書かれています。
新研究の解法がいいと言っている人はあんまりいないでしょう。僕は例題まで見ましたが、重要問題集の解説よりもはるかに使いやすい解法が書かれていました。
文字量や文字の細かさの割にかなり読みやすい
新研究って字が細かくてなかなか読むのが大変そうです。しかし、めちゃくちゃ詳しく書かれていて重要問題集で詰まった時に調べるといつもサクサク解決できました。
化学の新研究って結構文字小さいし、文字量も多くて活字が苦手な人って嫌悪感を示してしまいがちです。僕自身活字を読むのはかなり苦手です。
しかし、そんな人でも化学の新研究は非常に読みやすい参考書です。
化学の新研究のデメリット
高校3年生から始めて全部マスターするのは難しい
新研究を1から全部を学ぶことができることしかできません。高校1年生からなら毎日少しずつ理解していけば、
ただ高校1年生は数学、英語、国語の基礎を固める勇気なんですよね。
デカくて重くて持ち運びが大変
新研究って殴ったら人をぶっ倒せてしまうくらいにでかいし重いです。カバンの中に入れていると重くて肩が凝りやすくなります。
僕の場合は数ページを写真に撮影して写真で読んでいました。
電子書籍版を待ち望んでいます。
実際の理論的には間違っていることもある
時々理論的に間違っているものがあります。
僕のブログの中でも、完璧な厳密な話ではないことが多いです。そもそも高校化学の内容も本来的に正しくないけど、教育カリキュラム的に仕方なく突っ込まれているものも多いんです。
その点は頭の片隅に入れておいておくと良いです。
とは言え、高校化学や大学受験レベルで問題になることはまずありません。
受験勉強に最適化されてはいない
新研究は軌道の話も当たり前のように書いてありますし、大きく高校レベルを超えています。
なので、受験勉強に最適化された本というよりは、多少レベルを超えても化学反応を何とか理解するための本だと思っておくといいでしょう。
化学の新研究を使っていいレベルや対象者は?
2次試験で化学を使うレベルの人
2次試験を受ける人は記述問題もありますし、きっちり理解して化学を学ぶ必要があります。
なので、2次試験を受ける人は全員持って起きましょう。たとえ標準問題が出る大学でも勉強中につまづく部分はたくさんあります。
そのような時にきっちり自己解決するために、逆引きできるように化学の新研究は持っておくことを強くオススメします。
問題集を学びながら背景にある知識を理解しておいたほうがいいことも多いです。
そういうことではありません。また、新研究は一見高いですが大学でも十分使えます。普通に大学3年生レベルの内容も混ざっていますので、大学の勉強への橋渡しにもなります。
化学の重要問題集や新演習を使うような人
化学の重要問題集や新演習を勉強している人は問題を解いている時に、どうしても理解できない解法があるでしょう。
こういう時に新研究を使って調べるといいでしょう。
高校生が問題集をみて迷うことの大半は網羅されています。なので、わからないときの理解の手伝いになります。
化学の新研究の使い方は「化学の辞書」
新研究の最後のページには索引が付いています。これで辞書のように必要に応じて内容を調べるために使います。
たとえば、僕が高校2年性の時に初めて化学を学んで、
と考えて、新研究で調べた記憶があります。
参考:イオン半径とは?大小関係を見抜くために知っておくべき2つの法則
非常に痒いところに手が届きます。高校生がつまづいて疑問を思うところはかなり網羅されているので、化学の新研究で調べればまず解決できます。
なので、毎日最初から読み込むものというよりは、わからないことがあった時に調べるための辞書だと思ったらいいでしょう。
最後に:問題集や参考書よりも重要なこと
- 新研究は大学受験2次試験レベルの人は全員持つべき
- 使い方は辞書として使う
これまで新研究のメリットデメリット、対象者、使い方などを解説してきました。
しかし、そもそも難しいレベルを網羅する参考書を使えば、志望校に合格するわけではありません。
全ての問題集も参考書もあなたが取り組むときの姿勢や、頭の使い方に依存します。
・重要問題集をやれば〇〇大学を合格できますか?
・この問題集を何周したら身につきますか?
・残り期間間に合いますか?
・この問題といてみたんですけど、どこが間違ってますか?
・この問題集次何やったらいいですか?
こういう質問をする人は参考書や問題集の選び方で合否が決まると思っている人が多いです。
〇〇大学レベルの問題集で勉強したら〇〇大学に合格できるわけではありません。
実際そういう風に話す人の多くは問題集を正しく使うことができないからです。大事なのは問題集ではなくいかにその解法を思いつけるか? を考え続けることです。
実際本番で大事なのは「解法」が自分の力で思いつくことです。そんな解法を僕のサイトでは解説していますので、そちらをご覧ください。