こんにちは。
僕は高校生の時に先輩から教わったことです。物理化学は勉強すれば成績が伸びる。そう言われてきました。
だけど実際のところ、
このような悩みを持つ人が多いと思います。高校化学って数学とか英語よりは点数がとりやすいとか言われるものの、実際は全然難しいですよね。
結論をいうと、高校化学は実力がつけば非常に点数が取りやすいものの、そのレベルまで到達する人は意外と少ないです。
また定期テストをこなすことだけが目的の人も、化学の世界を楽しく勉強することで、
というのは非常にもったいないです。この面白き世界の知識を楽しみながら試験で点数が取れるようになっていきましょう。
目次
高校化学が難しいと感じる原因
1.molという新しい概念が出てくる
mol=個/NA (NA:アボガドロ定数)と言うことを覚えている人は多いでしょう。つまり原子や分子やイオンの個数を表しているんです。
これについては「物質量モル(mol)とは?モルの求め方や計算の本質を解説してみた」で解説しているのでぜひ読んでみてください。
だけど、実際に勉強を始めるとmolっていろんな求め方ができてしまいます。
こういうふうなよくわからんけど、超万能な謎の単位「mol」の概念を受け入れきれなくて、最初から高校化学が難しいと感じてしまうんです。
と頭がクラクラして混乱してしまいます。中学までの化学はgだけで計算したり、A(アンペア)だけで計算したり、Paも個別に覚えました。
高校化学はそれらの単位がmolを介して繋がるんです。これがわかりにくいんです。
2.理解しにくいことが増えた
直感的に理解しにくいことが増えてきます。
例えば、中学生の時だと酸化といえば酸素とくっつくことですよね。でも、高校の時の酸化の定義として重要なのは、「電子が奪われる」ですよ。
っていうツッコミを入れたくなりますよね。歴史的な問題なんですが、酸素と化合することが酸化だったのが、それだけでは説明がつかなくなる事案が増えてきたんです。
ほんまやったら、電子と離脱するから、「離電(りでん)」とかっていう単元の名前であるべきだったんです。
他にも圧力や体積で計算問題を解いたりするんです。
計算問題で混合気体なんかでは、mol計算を圧力や体積でやることがあり、そもそもなぜ圧力を使うのか、体積を使うのかという根本理解ができていないと、まじで何の問題も解けなくなってしまいます。
3.暗記ではどうしても問題が解けない部分がある
高校受験まで化学って暗記みたいなところがありますよね。
ですが、高校化学は全然違います。暗記ではなくむしろ知識を入れつつ、それを運用していく科目になります。
今まで覚えてさえいたら解けていたものが、これからは理解したものを使って具体化して問題に当てはめていく必要が出てきます。
下の動画で化学、特に理論化学の勉強方法について解説しています。このような意識、抽象的なノウハウを理解する意識を持ってみてください。
記事では、「理論化学の計算なんて簡単!2つの事を意識するだけで解ける!」で解説しました。
4.高校の授業のスピードが早い
高校の時って化学が週に2回ほど入っていました。
また週に2回ほど授業があっても、大学受験のセンター試験ではギリギリ追いつくか追いつかないかくらいのレベルなんです。
センター試験前に高分子化合物の授業が終わってない高校って結構ザラにあります。僕のメルマガ読者の受験生にも、
こんな受験生結構たくさんいます。こちらの記事で憤慨しておきました(笑)「化学反応式を覚え方も載せずに「覚えろ!」という教師に憤慨!」
もちろん学校の先生も少ない授業日数で、教育指導要領を終わらせようとするとこういうことになります。すごいスピードで進むので、理解が進んでいないのに、その知識が前提でどんどん勉強が進んでいきます。
高校化学は難しい単元まとめ
mol
先ほども言いましたが、molってやっぱり難しいんですよ。これまでの概念では習ってこなかったことだからです。
それでいながら、高校化学の主役の単位といってもいいです。計算問題での方針は『とにかくmolに変換して、mol比で関係式を作れ!』です。
やはりこのmolを理解していないと話になりません。逐一このmolを復習する癖をつけてください。一方で、最初に化学を習い始めてすぐに理解できるものでもありません。
じっくりひたひた身につけていきましょう。ちなみに、先ほどご紹介した電子書籍にも「モルに変換し、モル比で関係式を作る」という流れを徹底的に解説しました。
ぜひこちらの流れをマスターしてみてください。
[quads id=5]電気陰性度
電気陰性度は非常に重要です。
もう有機化学だろうと無機化学だろうとどこでも出てきます。そして重要な反応や物質の性質って大抵この電気陰性度が関わっています。
エステル化が起こる理由も、酸化力還元力が生まれる理由も、本当にほとんどが電気陰性度に支配されているといっても過言ではありません。
気体
気体は非常に苦手な人が続出します。
という浅い理解のまま勉強を進めちゃう人が多いです。しかも、気体、混合気体を理解できていないとその後で勉強する内容が将棋倒しのように全滅します。
- ヘンリーの法則
- 飽和蒸気圧
- 気体平衡
この辺りの問題も混合気体の融合問題が出るのが当然です。
よく「ヘンリーの法則がわかりません」とか「気体平衡がわかりません」という質問がきますが、その人の質問してくる問題を見てみると、たいてい混合気体がわかっていないことが理由です。
なので、特に混合気体をしっかり理解できるようにしていきましょう。僕は混合気体に関しては電子書籍を発行し、計算問題の解き方を解説していますので、ぜひこちらもダウンロードしてみてください。
↓
[quads id=5]
有機化学の構造決定
脂肪族や芳香族の有機化学の分野全般です。有機は暗記だと言われることもありますが、暗記はスタートラインです。もちろん覚えるべきものはあります。
ただその後入試問題を解けるようになる。模試で結果が出せるようになるためには、構造決定という問題形式になれなければなりません。
一気に覚えるものが増えて、さらにそれだけでなくそれを使いこなさないといけないんです。
高分子
高分子化合物の分野は苦手な人が多いです。そもそも高分子は脂肪族や芳香族の有機化学の知識の上に成り立ちます。高分子自体はそれほど難しくないんです。
なぜならほとんどがこれまで学習してきたことの集大成です。
大学受験でも非常に点数を取りやすいジャンルです。だけど、その一方で高校の授業が全く追いつかずに、受験前に一気に覚えることが増えて、パニックになってしまう人が多いでしょう。
どうすれば高校化学ができるようになるのか?
化学基礎の知識を疎かにしない
化学基礎って簡単なようで、しっかり理解までたどり着いていない人が多いです。
とはいえ、化学基礎の学習って理論化学や有機化学や無機化学を学ぶことで腑に落ちてくる部分もあります。
定期的に化学基礎で学ぶmolの概念や原子量の概念に遡るクセをつけましょう。また電気陰性度のような概念は非常によく使われます。
最低限以下の概念は非常に非常に重要で、今後の勉強でも
問題集を覚えてなんとかしようとしない
問題集を暗記するタイプの勉強方法は通用しません。特に2次試験や私立の一般入試で化学を使う人は、まじで暗記では必ず限界が来ます。
知っている問題は解けても、模試で少し応用されたり、難関大学の問題となると途端に解けなくなる。結局覚えたことをそのまま使える問題が出なければ解けないんです。
何周もする人に警鐘を鳴らしています。
このような疑問が湧くでしょう。結論、まずは解法を固めてください。
丸暗記をせず覚える
化学は覚えることはそこそこあります。だけど丸暗記をすることは無機化学の一部以外はあまりありません。有機化学もきっちり理解しながら覚えることができます。
丸暗記とは意味もわからず呪文のように唱えて頭に刷り込む行為です。コピーを取るようなものです。一方で覚えることは自分で再現できるように理解した上で自力で頭に写しとるイメージです。
例えば、有機化学の反応でも全部丸暗記をしている人がいます。だけどそれをすると、本気で全ての反応が丸暗記になってしまいます。定期テストはいいですが、受験レベルだと教科書に載ってない反応も出題されます。
このようになんで有機反応が起きているのかや、メカニズムをしっかり理解するように勉強することです。例えば有機反応はちゃんと理解している人にとっては3パターンしかありません。詳しくは「有機化学の反応は実は3パターン?結合と再生で考える3つの反応様式!」でご覧ください。