酸性とは?塩基性とは?酸塩基の2つの定義を攻略せよ!

受験化学コーチなかむら
こんにちは受験化学コーチなかむらです。
酸塩基は入試で頻出の『中和滴定』がある。ここを入試で得点できるかは今日の記事の内容が身に付いているかにかかってんで!

さあ、気合いを入れて酸塩基の定義を理解していきましょう!

目次

酸塩基には2つ定義がある

落ちこぼれ受験生のしょうご
酸塩基の定義って何?
酸っぱいのが酸で、苦いのが塩基じゃ無いの〜?
受験化学コーチなかむら
まあ文系ピーポーで化学を入試で使わないなら、
それでもいいかな!
でも僕達は入試問題を解かなくちゃいけないし

大学でも絶対に化学を使うから、
厳密に覚えとかなあかんねん!

落ちこぼれ受験生のしょうご
じゃあ、俺は何を覚えたらいいの?
受験化学コーチなかむら
うん、それは歴史の偉人が残した2つの定義を覚えていればいいよ!

アレニウスの定義

酸塩基の定義アレニウス

アレニウスさん

受験化学コーチなかむら
この親父が提唱した定義が『アレニウスの定義』って言うて、

これは物質が、水素イオンを投げるか、水酸化物イオンを投げるかで酸か塩基を決めているねん!

落ちこぼれ受験生のしょうご
え、どういうイメージか分からないんですが、、、、
受験化学コーチなかむら
せやな〜しょうごが言葉で理解するとは思ってへん!次の画像でイメージ作ってくれ!
酸塩基の定義のイメージ

酸塩基のイメージ

受験化学コーチなかむら
こんな感じで、
酸は水素イオンのピッチャー
塩基は水酸化物イオンのピッチャー

って言う風に覚えてくれ!
落ちこぼれ受験生のしょうご
なるほど、酸と塩基では投げる『ボール』が違うんですね!
受験化学コーチなかむら
うん!そういうかんじやね!

アレニウスの定義の例外

落ちこぼれ受験生のしょうご
アレニウスの定義があるんだから、もう一つの定義なんていらなくないですか?
受験化学コーチなかむら
そうやな〜ほとんどの物質はこの定義でいけるねん!
でもな、超有名な塩基がこのアレニウスの定義で説明できひんねん、

それがアンモニアやねん!

アンモニアには投げるべきボール、つまりOH^-がないのです。

アンモニア分子

アンモニア

なので、アレニウスの定義では『塩基』では無くなってしまいます。

ですが、アンモニアって普通に塩基ですよね?
そこで、アンモニアが塩基であると言えるように
別の定義が必要になります。

ブレンステッドの定義

池下先生(高校教師)、通称イケ氏

酸とは水素イオンH+を反応する相手に与えるものであり、塩基とは水素イオンH+を反応する 相手から得るものである。
出典:マナペディア

落ちこぼれ受験生のしょうご
池氏、、いちいち説明が堅苦しい、、、
受験化学コーチなかむら
まあこれも野球で例えると、
ブレンステッドの定義
酸は水素イオンのピッチャー!
塩基は水素イオンのキャッチャー!

こう考えて!

落ちこぼれ受験生のしょうご
なるほど、反応で酸が塩基に水素イオンを投げつけるんですね!
受験化学コーチなかむら
うん、そういうことやな!
落ちこぼれ受験生のしょうご
じゃあアンモニアは反応するときは水素イオンをキャッチすると言うことか!!!

アンモニアは、
アンモニア 画像
この反応式で反応します。

左辺を見てください、
アンモニアは水から水素イオンを投げつけられて、
キャッチしています

ということは、
ブレンステッドの定義によって
アンモニアは『塩基』となります!

受験化学コーチなかむら
この結果から面白いことがおこるんだ!
右辺のアンモニウムイオンを見てくれ!
アンモニアの電離は可逆反応だから、
右辺から左辺にも進む!

アンモニウムイオンは水酸化物イオンに
水素イオンを投げつけるから、『』と言うことに
なるんだ!

理論化学の問題を解く上で重要な定義は?

重要定義

重要定義

落ちこぼれ受験生のしょうご
よし、じゃあアンモニアを含めたブレンステッドを駆使して入試問題解きまくるぞ!
受験化学コーチなかむら
いや!ちょっと待って!
そういうことではないねん!
実は計算問題を解く上ではほとんど、
アレニウスの定義』が使われるねん!
落ちこぼれ受験生のしょうご
ウソだろ!!!

入試問題の理論化学の計算問題では、
化学反応式の代わりにモルの関係式を

酸塩基のモル比

酸塩基の関係の付け方

で表します。

次の記事やその次の記事で
紹介していきます、中和滴定の問題でも
この関係式を立てていきます。

つまり、
『中和滴定』などの計算問題を解くときは、
ブレンステッドの定義は使わないのです。

受験化学コーチなかむら
だから、アンモニアは
水と反応して水酸化物イオン(OH^-)を
投げつけている!

と理解すると問題が解きやすいんだ!

それでは具体的にどのような式を立てるかを
見ていきます!

しかし、その前に『価数』について分かっておかなければならないのでその説明から入ります。

価数とは?

価数ってなに?

池下先生(高校教師)、通称イケ氏
価数とはな、水素イオンや水酸化物イオンを何個持っているか?ということだ!
受験化学コーチなかむら
うん、そういうことや!
落ちこぼれ受験生のしょうご
池氏、、珍しい、、、

具体的な立式

水素イオンモル=水酸化物イオンモルは
実際にどのように立てられるかご覧ください!

以下
酸のモル濃度をCa
塩基のモル濃度をCb
とします!

塩酸と水酸化ナトリウムの中和

酸塩基反応式①
このように最後の赤文字の『価数』を
忘れずに掛けましょう!

今回は塩酸は1価の酸なので1を掛けます。

酸塩基反応式②
そしてこちらも水酸化ナトリウムの価数1を
掛け忘れないようにしましょう。

酸塩基反応式③

また注目してもらいたいのは、
キッチリ計算の各段階で
『どの物質の単位か?』と言うのを
書き記していってください。

こうすることで、

落ちこぼれ受験生のしょうご
あ、まだ塩酸のモルだ!
価数を掛けて水素イオンのモルに変えないと!

と思えるわけです!

硫酸と水酸化ナトリウムの中和

酸塩基 硫酸 反応式

硫酸反応式

このように2価の酸である硫酸の場合は、
×2を忘れないようにしてください!

またこの計算式でもキッチリ各段階の
単位を書き記しているのが分かると思います。

これは濃度変換の問題でも学んだと思います。
「モル濃度とパーセント濃度を脳みそを使わず変換する計算法」

受験化学コーチなかむら
俺は浪人したときにこれを知って、
大幅にケアレスミスが減りました!
このテクニックは酸塩基に関わらず
使っていってください!

今日はここまでです!
次も酸塩基に関する話題なので、
今回の内容が基礎となります。

キッチリ復習していきましょう!



8 件のコメント

  • Nico-chan より:

    お久しぶりです。
    今回も質問があるので、コメント致します。

    ①センター試験の問題では、「炭酸カルシウムに塩酸を注ぐと、二酸化炭素が発生する。」という形で出題されることもありますが、これが何の反応なのかを見極めるのに、反応式を書いたほうが良いでしょうか。

    ②それと、そもそも反応式を見ただけで 酸化還元反応なのか、酸塩基反応なのか、他の反応なのかが分かりません。
    e-が移動している、H+が移動しているというのは同じことのように思えるのですがいかがでしょうか。

    宜しくお願いします。

    • 受験化学コーチなかむら より:

      ①>問われている内容によりますね。
      ②>酸塩基が反応していたら酸塩基ですし、酸化剤と還元剤が反応していたら酸化還元ですし、
      分解されてたら分解反応です。

      どういうのがわからないか
      いくつか出していただければ、
      判断出来るべきか言えるのですが、、
       

      • Nico-chan より:

        9つ挙げさせていただきます。
        (使っているテキストの引用です。)
        A.酸塩基反応の利用
        ⑴硫化鉄(Ⅱ)に希塩酸、または希硫酸を注ぐ。
        ⑵炭酸カルシウムに塩酸を注ぐ。
        ⑶亜硫酸ナトリウムに希硫酸を注ぐ。
        ⑷塩化アンモニウムに水酸化ナトリウムを加えて熱する。

        B.酸化還元反応の利用
        ⑸水素よりもイオン化傾向の大きな金属と塩酸や希硫酸を反応させる。
        ⑹銅に熱濃硫酸を加える。
        ⑺銅に濃硝酸を加える。
        ⑻銅に希硝酸を加える。
        ⑼酸化マンガン(Ⅳ)に塩酸を加えて熱する。

        以上になります。
        お忙しいところお手数をおかけしますが、ぜひ 宜しくお願いいたします。

        • 受験化学コーチなかむら より:

          Aとかは結構塩が多いので、
          水と反応させて見たら良いと思います。
          その後、反応させれば良いと思います。
            

          Bは酸化還元としておもったほうがいいですね。
          反応式を書くときは、半反応式が必要ですので、
             
          濃硝酸、希硝酸、熱濃硫酸の半反応式は
          あまりにもゆうめいなので
          その瞬間判断は出来ないとダメです。
             

          • Nico-chan より:

            具体的にどう考えればよいのか良く分かりました!
            本当にありがとうございました。
            これからも 宜しくお願い致します。

            • 受験化学コーチなかむら より:

              こちらこそよろしくおねがいします。

  • 匿名 より:

    仮に酸塩基反応で酸化数を考えたとき、酸化数が変化してたらそれは酸化還元反応ともいえますか?

    • 受験化学コーチなかむら より:

      いえます。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。