【還元剤】アルデヒドの半反応式の作り方を徹底解説!塩基性条件の半反応式とは?

アルデヒド半反応式のアイキャッチ画像

どうも受験化学コーチなかむらです。

しょうご
アルデヒドって有機化学で出てきて「還元性」があるって聞いた。アルデヒドも半反応式を作れるってこと?
しょうご
銀鏡反応やフェーリング反応でも計算問題が出題されたんだけど、計算できるようになるべき?

本記事ではこのような悩みにお答えしていきます。

今回の記事を読むことでアルデヒドの酸化還元反応式を作り出すことができます。

ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

アルデヒドは還元剤

アルデヒドは還元性を持つ有機化合物です。

アルデヒドはカルボン酸にとてもなりやすいです。

アルデヒドがカルボン酸になる反応は、

RCHO→RCOOH

で酸素と化合しています。つまりアルデヒドは酸化されています。

アルデヒドが酸化されるということは、アルデヒドは相手を還元しているわけです

アルデヒドの還元性を確かめる化学反応として「銀鏡反応」と「フェーリング反応」があります。

受験化学コーチなかむら
この2つの反応は有機物の構造決定の問題で最重要な知識なので頭に入れておこう!

アルデヒドの半反応式の作り方の手順

酸化剤と還元剤の半反応式の作り方!極限まで暗記を減らす方法

ステップ1:左辺に反応物、右辺に生成物を書く

アルデヒドは還元剤として働いた後はカルボン酸が生成されます。

RCHO→RCOOH

ステップ2:OとH以外の原子の数を揃える

アルデヒドとカルボン酸ではOとH以外の原子の数に差はありません。

特に追加する物質はありません。

RCHO→RCOOH

ステップ3:両辺で酸素が足りない方にH2Oを加える

両辺ともOがないのでそのまま。

RCHO+H2O→RCOOH

ステップ4:両辺で水素が足りない辺にH+を加える

右辺は2個H+が足りないので

RCHO+H2O→RCOOH+2H+

ステップ5:両辺の電荷をeで揃える

左辺の電荷が右辺より+2大きいので、左辺に2e加えます。

RCHO+H2O→RCOOH+2H++2e

このようにしてアルデヒド半反応式は完成いたします

塩基性条件だと少し半反応式が変わってきます。

塩基性条件の半反応式の作り方

フェーリング反応ではフェーリング液を使います。

フェーリング液の中身
  • CuSO4
  • NaOH
  • 酒石酸イオン

フェーリング液の中には水酸化ナトリウムが入っています。

すると液性条件で酸化還元反応が進みます。この時アルデヒドの半反応式は若干変わります。

RCHO+H2O→RCOOH+2H++2e

先ほど作った半反応式です。

塩基性条件だとH+が溶液中に存在することはおかしいです。

NaOHが中和してH2Oになっているからです。溶液中にはOHが存在しているはずです。

ですので、H+を中和するように両辺にOHを足します。

RCHO+H2O+2OH→RCOOH+2H++2e+2OH

すると右辺の2H++2OHがくっついて2H2Oになります。

RCHO+H2O+2OH→RCOOH+2H2O+2e

左辺と右辺のH2Oが1個ずつ打ち消し合います。

すると↓こちらが新しい

RCHO+2OH→RCOOH+H2O+2e

塩基性条件ではこちらの半反応式を使います。

覚えるものではなく普通に考えれば作り出せますので、今みたいにH+をOHで打ち消すように反応式を作ってみてください。

このような考え方で水の半反応式も塩基性条件のバージョンを作り出すことができます。

ややこしい水の半反応式の作り方に迷っている人は以下の記事もお読みください。

受験化学コーチなかむら
アルデヒドは還元剤として働くのは有名だし、有機化学だけど計算問題も出てきます。ちゃんと覚えておきましょう!

アルデヒドの半反応式の作り方まとめ

重要ポイント
  • アルデヒドは酸化されてカルボン酸になるので還元剤として働く
  • フェーリング反応は塩基性条件なのでH+を中和するように両辺にOHを足すことで半反応式を作る

有機化学でも酸化還元反応の計算問題は出題されます。

それだけ酸化還元の知識は重要だということです。

これ以外にも半反応式を作れるように半反応式の作り方と一覧の記事を作りました。

こちらの記事も合わせてお読みください。

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浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。