こんにちは。
本日は大学受験でめちゃくちゃ重要な酸化還元の非常に重要な電池の原理について解説していきます。この辺り勘違いして暗記している人がめっちゃ多いです。
という風に覚えている人も多いです。
確かにイオン化傾向が大きい金属の場合は電子を投げやすいです。そしてイオン化傾向が小さい金属は電子を受け取りやすいので電池になります。
ってなりませんか?
世の中ボルタ電池やダニエル電池のように単純ではないのです。燃料電池は極板が金属ではありません。鉛蓄電池は両方とも同じ金属のPbの化合物です。
本記事の目的はこのような電池の例外を無くして、全ての電池で使える定義をして、大学受験で本当に使えるテクニックを理解してもらうことです。
目次
絶対ちゃんと知らない電池の原理
電池ってなにか?
と言われると、
『遠距離恋愛』
が一番近いかなと思います。
ステップ①ラブラブカップルの酸化剤、還元剤
ここにラブラブの
還元剤君と酸化剤ちゃんが居ました。
2人は本当に愛し合っていて、特に還元剤君が愛(電子)を酸化剤ちゃんに注いでいました。
このように、還元剤から酸化剤へ電子が送り込まれる反応が起ります。まあこれが酸化還元反応なんですが!
で、言ってしまうと、この電子を取り出すこと=電気化学なわけです。
ステップ②2人を少し離す
じゃあまず何をしなければならないでしょうか?こんなに還元剤と酸化剤がくっついている状態で電子は取れるでしょうか。
取り出すスキマがありませんよね!だから、ここでこの2人を引き離します!
こうすることで、還元剤から酸化剤へ電子が流れる経路の中で電子を取り出すチャンスが出来ます。
このように、還元剤と酸化剤に遠距離恋愛をさせるのです。
ステップ③2人の連絡手段を与えて上げる。
でもやはり還元剤は酸化剤へ電子と言う名の愛を送りたいのです。でも電子って還元剤と酸化剤何も繋がっていないときに流れる事はありません。
だから、そんなときは、この2人にスマホというつながりを与えるのです。
つまり『愛』を取り出したいのです。愛を送る手段が必要です。
だから、還元剤と酸化剤に、『ライン』を使わして上げないとダメです。2人をつながないとダメなんです。
そう!これが電池の導線ですね!!!
この愛のライン、そこをハッキングするんです!!
ハッキングして少し電子を使わさせてもらうんです!!
このようにハッキングしてテレビに電子、電流をパクってくるのです。これによって、酸化剤と還元剤の間で電子を奪ってきて機械を動かすのです。
この酸化還元の電子を使わしてもらっているのが『電池』なのです。
ステップ④マイナスをお返しする
このように電子を取り出してめでたしめでたし。しかし、このままでは一瞬で電子が無くなってしまいます。
というのも、還元剤が電子(愛)を投げまくりますが、さすがに投げ続けるのは辛いのです。
酸化剤ちゃんからも見返りが無いとだんだん冷めていってしまいます。
負極は電子が無くなり正に帯電し、正極は電子を受け取りすぎて負に帯電してしまいます。
このようになってしまいます。
だから、このような電荷の偏りを解消するために、酸化剤の方から陰イオンを還元剤の方へマイナスの帯電を返します!
それが陰イオンです。例えば、電池にはよく硫酸銅水溶液を入れていることがあります。この溶液の陰イオンである硫酸イオンが酸化剤の周りから還元剤の周りに移動して、
このエネルギーでラジオやリモコンなどが動きます。
この動画で説明しています。
電池の極板がイオン化傾向で決まってると思ってる奴は終わってる
電流と電子は逆向きに流れますので、(ー)→(+)に電子が流れます。
つまり負極が電子を投げて、政局が電子を受け取るということから、
(ー)=還元剤
(+)=酸化剤
と言う対応が成り立つのです。
負極の還元剤から正極の酸化剤へ電子が投げられます。
そして、
この以前の記事
「酸化還元の学校では教えてくれない受験最重要定義!」
これこそが、
電池の原理
なのです。
だから、たしかに『イオン化傾向が大きいものが負極』というのは、合ってるんだけども、そういう人って燃料電池出たときどうすんの?
って思うわけですよ。
金属にしか当てはまらないから
この覚え方だけで考えるのは辞めてほしい。
そもそも、燃料電池の正極と負極って触媒だから、反応にかかわらへんって言う恐ろしいことが起こりますからね。
還元剤が酸化剤に電子を投げる反応と言う事がわかっていればええんです!
電気化学でも速攻モル求めるよ!
電気化学は『電池』か『電気分解』が出題されます。
これの計算問題もいつもずっと言っているように、『モルに変換』してから計算します。
しかも電池というのは、酸化還元反応だから、普通に酸化還元反応の立式をすれば良いだけなんです!
これは普通に酸化還元と全く同じです。
にも書きました。
つまり、還元剤と酸化剤の電子のモルを求めればいいんです。
ですが、電池なので、電子のモルではなく、流れる電流量の単位『A(アンペア)』で与えられてしまうのです。
だから、
『A(アンペア)をmolに変える方法』
を覚えなければなりません。
そして、それが
この計算式なのです。
96500とはファラデー定数です。これは、単位を考えればすぐにわかりますが、
A[C/秒」でF[C/mol]なのです。molを求めるためにCと秒を消そうとすれば当然この式になります。
これを使えば、アンペアをmolに変換できます。
そして、これは
完璧に覚えてしまってください。
それでは今日はここまでです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
やべー知らなかった
今日知ったらそれは成長です!
物理で電子は -→+
還元剤電子投げるから
-還元剤 +酸化剤
確かに!!めっちゃわかりやすい
やっぱさすがやね!
コメントしてくれると思ったよ!
これからもどんどん続けて行きましょう!
はい!!
今まで電池全くわからなかったのに、一瞬で分かった!!
例えが素晴らしいです。
ありがとうございます!!
酸化剤ちゃんが別ルートで電子を還元剤君に与えるというところで引っかかってしまいます。
どういう仕組みで電子が移動するのでしょうか?
電子を貰う酸化剤ちゃんがどんどんマイナスになっていくので、電解質を通じて、陰イオンが陽イオン側に移動すると言う事です!
例えばCl–なんかは負極に移動してくれると
2Cl–→Cl2+2e–となってまた再び電子を投げてくれます。
こういう風に巡回できます。
なんで、発熱反応でないといけないのですか?
流れはわかったんですけど…
お願いします
吸熱反応だとエネルギーが奪われてしまって、エネルギーを取り出すという目的で言うと真逆になってしまいます。
エネルギーを取り出すと言う目的なので発熱反応となります。
ここでもモル比ですね!
自分の中での化学計算がどんどん単純化されてきているのを実感します。
そうなんですよね!
いろんなところで幅広く使えるのが、
この『モル比』なんですよね。
化学反応式で解くというのは、別にそれほど重要な事ではないんですよね!
今までよくわからなかった電池がわかるようになりました!
ありがとうございます!
例えがかわいらしい!
この例えなら電池の問題が嫌じゃなくなりそう!
還元剤から酸化剤へ電子が移動するのを上手く取り出したのが電池である
とてもよくわかりました! でも、新たな疑問が生じました。
例えば、ダニエル電池では、還元剤は亜鉛板、酸化剤は硫酸銅水溶液の銅イオンですよね。
そしたら、正極が銅板じゃなくて、負極と同じ亜鉛板でも電池はできると思うのですが
どうですか? 教えてください。よろしくお願いします。
すみません。間違っていました。
負極と同じ亜鉛板では、直接、酸化剤、還元剤が出会っているのでダメですね。
負極は炭素棒でもダニエル電池はできますか?
物理の知識(電流と電子の流れる向きは反対 等)を活かしながら、化学を学べるのも楽しいですね
こちらの記事も分かりやすかったです。
ありがとうございました。
硫酸銅水溶液を使い、陰極がPtで陽極がPtのとき陽極で2OH→O2+2H+4eに対して2Hがつくのがいまいち分からないです
半反応式書いたらわかる
初歩的な質問ですいません。
例えばボルタ電池を考えたとき、亜鉛板が溶けて電子を出して、それを正極側で水素イオンが受けとると思うんですけど、なぜ電子が正極側に移動するんですか?亜鉛板と水素イオンは近くにいるから亜鉛板付近で酸化還元反応が完結してもいいのに、なんでわざわざ電子は一回正極側に移動してから水素と反応するんだろうっていうのが疑問です。
坂道があって、もう少しで頂上ってところでボールを置いたとします。
坂の上にも坂の下にもボールを取る人がいます。
ボールはどちらの人の方に転がっていきますか?
坂の下の人ですよね。坂の上の人の方が近いとしても、電子は坂の下へ転がります。
金属は電気を通しやすいんです。