酸塩基『弱酸遊離反応』とは?ドラえもんに例えて覚える方法

弱酸遊離反応

こんにちは。

しょうご
酸塩基の中でも弱酸遊離反応ってどうにもうまく覚えられないんだよな・・・
しょうご
理解しようにも意味がわからないしどうしたものか・・・

よくある参考書には、

『弱酸の塩 + 強 酸 → 強酸の塩 + 弱酸』

『弱塩基の塩 + 強塩基 → 強塩基の塩 + 弱塩基』

みたいな書かれ方をされています。

しょうご
これ丸暗記しろってことですか?

と聞きたくなるような状態です。

本記事では丸暗記ではなく、弱酸遊離反応、弱塩基遊離反応がきっちり印象に残って無理やり覚えなくて良いようなイメージを付けてもらいます

「暗記したことを長期記憶にするために意識する3つのこと」

まあこの記事ではなるべくあなたが知っている内容に例えて、身近に感じてもらえるようにします!

目次

前提として覚えておいて欲しいこと!

必ず覚えておいてほしいことは、
強酸強塩基と弱酸弱塩基の違いです。

 

この強酸、強塩基の性質と、

弱酸、弱塩基の性質の違いによって

弱酸遊離、弱塩基遊離反応が起きます。

 

それは、

 

強酸強塩基は電離しやすい

つまり、『イオンの状態が安定

 

弱酸弱塩基は電離しにくい

つまり、『分子の状態が安定

 

これです。

 

これが重要です。
だから、
『強酸強塩基が分子だと、すぐに別れたくなります。』

また、
『弱酸弱塩基がイオンだとすぐにくっつきたくなります。』

よくある弱酸遊離反応例

弱酸遊離反応で最も有名な反応例は、
酢酸ナトリウムと塩酸で酢酸が遊離する反応だと思います。

弱酸遊離反応

これはCH3COO^-が分子とした方が

安定だからH^+とくっついて

分子になって遊離するのです。

 

 

この反応を弱酸遊離反応と言います。

 

ですが!!!

 

 

もちろんこんな説明だけで終わらせる

つもりはありません!

 

この記事は

ここからが本番です!

 

 

ここからがこの記事です!

 

なんと、弱酸遊離反応を

ドラえもんの世界』で例えるのです!

ドラえもん

ドラえもん

ドラえもんの力関係ならみんな知っていますよね。

 

弱酸遊離反応

弱酸遊離反応

これです!笑

 

のびたはジャイアンにいじめられています。

のびたはいつもジャイアンに、

ぶっ飛ばされています

 

ここで言うと、

弱酸は『のびた(CH3COO-)』

強酸は『ジャイアン(HCl)』

 

のびた『どらえも〜ん、僕やっと

イオン化できたよ〜』

ジャイアン『伸びたがイオン化だと』

『追い出してやる!』

ジャイアン

こうなりますよね!

スクリーンショット 2015-12-18 13.21.27

そしてこのように追い出します。

 

弱酸遊離反応とはこういう反応の

ことのなのです。

スクリーンショット 2015-12-18 13.22.12

隠れているのびたの弱酸である

酢酸がイオン化しています。

強酸のでジャイアンのHClに

追い出されて酢酸分子が追い出されます。

まとめ

  • 本来電離しにくい「のびた」が、やっと電離できたと思ったのに、

 

  • ジャイアンに目を付けられて、のびたは元の分子に戻され、ジャイアンは優雅にイオン化する

弱酸遊離反応が使われる例は実はかなり多い

弱酸遊離反応は気体の生成反応でもよく使われます。さらに他にも色々あるので思い立ったらどんどん更新して行きます。

カルボン酸の検出反応

有機物の酸の強さは、
スルホン酸>カルボン酸>炭酸第1電離>フェノール>炭酸第2電離
の順番です。
『スカタンフェノール』で覚えましょう!
もし、構成元素がC,H,Oのみと決まっていたら、
炭酸第1電離、NaHCO3を追い出せるのは、
『カルボン酸のみ』となります。

RCOOH+NaHCO3→RCOONa+H2CO3
となります。
そして、H2CO3は不安定なので、速攻
H2CO3→H2O+CO2
の変化をします。

カルボン酸 検出反応

カルボン酸は、炭酸イオンに
「お前は地球でも温めとけ!」
と言って炭酸を追い出し、
二酸化炭素が検出されるのです。

このように、炭酸水素ナトリウムに、
加えて、気体が発生すれば、
カルボン酸であると切れます!

復習は動画で!

こちらの動画でキッチリ復習してどんな反応でも反応式を作り出せるようにしましょう。



26 件のコメント

  • ダイコン より:

    こんにちは。

    弱酸遊離反応の動画を見て疑問に思ったのですが、イオン化とはどのように定義されいるのでしょうか?

    僕は「イオンの状態(例えばCH3COO ̄)になること」がイオン化の定義だと思ったのですが、動画ではCH3COONaの状態が「イオン化している」状態だと感じました。

    教えて下さい。よろしくお願いします。

    • 受験化学コーチなかむら より:

      もちろんそうですが、
      ナトリウム塩は100%電離するので溶液中で余裕でイオン化しています。

  • けんと より:

    2NH4Cl+Ca(OH)2→2NH3+CaCl2+2H2O

    FeS+H2SO4→H2S+FeSO4

    NaHCO3+HCl→CO2+H2O+NaCl

    • 受験化学コーチなかむら より:

      おお!これらも全て弱酸遊離反応、弱塩基遊離反応ですね!

  • 吉本果穂 より:

    課題の答えをどこに書いたらいいかよく分からなかったのでここに書きます。
    1、NH4Cl+Ca(OH)2=CaCl2+2NH3+2H2O
    2、FeS+H2SO4=FeSO4+H2S
    3、Nacl+CO2+H2O

    • 受験化学コーチなかむら より:

      あ、なるほど、宿題出したこと忘れてました笑。

      塩化アンモニウムの前に係数が2ですよ〜!

  • ふくぶちょー より:

    宿題の3番が
    NaHCO3+HCl→NaCl+H2CO3になりました。
    上のコメントの人達と同じ答えになりませんでした。
    答えは→NaCl+CO2+H2Oなのですか?

    • 受験化学コーチなかむら より:

      炭酸はH2CO3→H2O+CO2の反応が起ります。炭酸は不安定だからです。

  • koju より:

    硫酸銅と硫化水素で硫酸が遊離するのは
    弱酸遊離反応に対しても、
    揮発性酸遊離反応に対しても
    例外であると覚えれば良いですか?
    何か簡単な理由はありますか

    • 受験化学コーチなかむら より:

      弱酸遊離反応の例外は在りません。
      それは、違う反応で酸化還元反応です。

  • volley より:

    2NH4Cl+Ca(OH)2→2NH4OH+CaCl2
    にはならないんですか?

  • もえこ より:

    宿題
    1: 2NH4Cl+Ca(OH)2→2NH3+CaCl2+2H2O
    2: Fe2S+H2SO4→H2S+Fe2SO4
    3: NaHCO3+HCl→H2CO3+NaCl

  • せーや より:

    2NH4Cl+Ca(OH)2→2NH4OH+Ca(OH)2
    FeS+H2SO4→FeSO4+H2S
    NaHCO3+HCl→NaCl+H2O+CO2

  • ごんちゃん より:

    アメリカの大学でBiochemistryを専攻している者です。
    非常にわかりやすく、ためになります!
    これからも、応援しています!

  • らる より:

    2NH4Cl+Ca(OH)2 → CaCl2+2NH3+2H2O

    FeS+H2SO4 → H2F+FeSO4

    NaHCO3+HCl → NaCl+H20+CO2

  • kk より:

    HClはイオン化してないんですか?
    HCl→H+Cl とはならないんですか?
    (二乗の±は打ち方がわかりません笑)

    • 受験化学コーチなかむら より:

      します。

  • ころね より:

    弱酸の塩、などというのを考えるとき、例えばFeSだったらH2S由来だから弱酸由来の塩、と考えると思いますが、このとき別の言い方をすれば弱塩基由来の塩と言えますか?

    また、なぜ勝手にH+、OH-をくっつけていいよですか?物質はすべて塩なのですか?

    よろしくお願いします。

  • 匿名 より:

    ジャイアンが
    電離するなんて生意気だ
    というのはなぜでしょうか?

    • 受験化学コーチなかむら より:

      電離定数がのびたよりでかいから

  • speranza17 より:

    炭酸第1電離、NaHCO3を追い出せるのは、
    『カルボン酸のみ』となります。
    ↑これはそれよりも強いスルホン酸はなぜ追い出せないのですか?

    • 受験化学コーチなかむら より:

      弱酸じゃないので議論に入ってない

  • りこ より:

    1.NH4Cl+Ca(OH)2→NH3+CaCl2+H2O

    2.FeS+H2SO4→H2S+FeSO4

    3NaHCO3+HCl→CO2+H2O+NaCl

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    浪人の夏休みまで死ぬほど勉強したにも関わらず偏差値50を割ることも。そんな状態から効率よく化学を学び化学の偏差値を68まで爆発的に伸ばした。その経験を塾講師としてリアル塾で発揮するも、携われる生徒の数に限界を感じ化学受験テクニック塾を開講。 自己紹介の続きを読む。