どうも受験化学コーチなかむらです。
このような悩みは抱えていませんか?
本記事では水でさえ酸化してしまう酸化剤のフッ素を扱います。この反応は高校化学で時々出てきますので、しっかり理解しておいてくださいね!
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
フッ素は酸化剤
フッ素は全ての原子の中で最強の電気陰性度を持ちます。
こんな常々思っています。
フッ素は電子を1個他の原子から奪って、陰イオンになりたいと思っています。
他の原子から電子を奪う力が強くなります。
「他から電子を奪う=酸化剤としての役割」でしたよね?
還元剤:電子を投げる
酸化剤:電子を受け取る
このような理由からフッ素だけでなくハロゲンの塩素や臭素は酸化力を持ちます。
非常に酸化力が強くて水さえも酸化してしまいます。(この反応は「フッ素が水を酸化する反応」で解説しています。)
フッ素の半反応式の作り方の手順
- 左辺に反応物(反応前の物質やイオン)、右辺に生成物(反応後の物質やイオン)を書く
- OとH以外の原子の数を合わせる
- 両辺で酸素が足りない辺にH2Oを加える
- 両辺で水素が足りない辺にH+を加える
- 両辺の電荷をe–で等しくする
ステップ1:左辺に反応物、右辺に生成物を書く
F2→F–
ステップ2:OとH以外の原子の数を揃える
Fの数は左辺が2個右辺が1個なので、右辺を2個にする必要がある。
F2→2F–
ステップ3:両辺で酸素が足りない方にH2Oを加える
両辺ともOがないのでそのまま。
F2→2F–
ステップ4:両辺で水素が足りない辺にH+を加える
フッ素の半反応式にHは生じていないので、何もしない。
F2→2F–
ステップ5:両辺の電荷をe–で揃える
左辺の電荷が右辺より+2大きいので、左辺に2e–加えます。
F2+2e–→2F–
このようにしてフッ素の半反応式は完成いたします。
フッ素で水を酸化する化学反応式
フッ素が酸化剤として働く反応で、最もよく出題されるのがフッ素が水を酸化する反応です。
還元剤:F2+2e–→2F–・・・①
酸化剤:2H2O→O2+4H++4e–・・・②
※これ作れない人
①×2+②より、
2F2+2H2O→4HF+O2
このような化学反応式の反応が起こります。
補足として、水の半反応式が作れない人って実は多いと思います。
水が関わる半反応式って燃料電池や電気分解、融解塩電解などなどいろんなところで出てきます。
①2H++2e–→H2
②2H2O+2e–→H2+2OH–
③4OH–→O2+2H2O+4e–
④2H2O→O2+4H++4e–
これの作り方を知らない人も多いと思います。
詳しくは「【暗記不要】水が絡んでくる半反応式の書き方はこうやれ!」で解説しましたので、こちらの記事をしっかり読んで暗記せずに作れるようにしてください。
まとめ
- フッ素は強い酸化力を持つ
- フッ素は水さえも酸化してしまう。
いかがでしたか?
ハロゲンは電子を1個得ることで閉殻の陰イオンになれるため、酸化剤として働くものが多いです。
フッ素以外の記事も随時更新していきますので、ぜひこちらも確認してみてください。
- ハロゲンの酸化物の半反応式の作り方
- フッ素の半反応式の作り方(本記事)
- 塩素の半反応式の作り方
- 臭素の半反応式の作り方
- ヨウ素の半反応式の作り方