こんにちは。
コロイドが電荷を持つ理由が教科書や参考書できちんと説明されていないので、ほとんどの受験生は「正コロイドは水酸化鉄(III)とタンパク質。負コロイドは粘土とデンプン」のように丸暗記をしないといけません。
でも理由も分からずにただ暗記したことは忘れやすいのです!
この記事ではコロイドが電荷を持つ理由と正コロイド・負コロイドの見分け方を徹底解説します!!
それを踏まえて、2度と忘れない覚え方も伝授しちゃいますよ!
目次
コロイドが電荷を持つ理由
コロイド粒子は電荷を持ち、お互いに反発し合うことによって水の中に均一に分散しています。
しかしコロイド粒子はある程度の大きさを持った分子や結晶であり、電解質である食塩のようにバラバラに電離してイオンにはなりません。
ではどうやってコロイド粒子は電荷を持つのでしょうか?
それには3つの理由があります。
イオンを引きつける
コロイド粒子の内部に電気的な偏りがあると、周辺にあるイオンを引きつけます。
引きつけられたイオンがコロイド粒子と一体化するので、全体として粒子が電気を帯びたことになるんですね。
例えば水酸化鉄(III)コロイドの鉄原子とヒドロキシ基の結合には電気的は偏りがあり鉄原子には+の、ヒドロキシ基にはーの極性があります。
これがたくさん集まったものがコロイドなので、表面は全て負の極性を持つヒドロキシ基になりますよね?
これが水中にあるFe3+などの陽イオンを引きつけることでコロイド粒子は正に帯電します。
水酸化鉄はコロイド溶液で非常によく出題されるポイントです。水酸化鉄(III)コロイドに関して詳しくは、「受験頻出問題「水酸化鉄(III)コロイド溶液の性質」を分かりやすく徹底解説!」で解説しました。
金属原子が置換される
粘土の主成分は二酸化ケイ素(SiO2)です。
二酸化ケイ素は下の図のように格子状に結合しています。
そしてこの格子の所々でケイ素(Si4+)がアルミニウム(Al3+)に置き換わっています。
これにより電気的なバランスが崩れ、粘土コロイドは負に帯電するんですね!
部分的に電離する
カルボキシル基などを持つ物質(石けんなど)がコロイドになると、表面の一部が電離し電荷を帯びます!
しかし全体から見ると一部が電離するだけなので、イオンとして扱うことはできません。
正コロイド・負コロイドの見分け方
教科書や参考書に出てくる正コロイド・負コロイドを下の表にまとめてみました。
正コロイド | 金属水酸化物、タンパク質 |
負コロイド | 粘土、硫黄、金属硫化物、デンプン、金、銀、白金、石けん |
気づきましたか? ほとんどが負コロイドだということを!
正コロイドに分類されるのは金属水酸化物とタンパク質だけ。
しかもタンパク質には「pHによって正コロイドにも負コロイドにもなる」という性質があるので、あまり問題には出てきません。
そして金属水酸化物の中でも、テストに出るのは理科室で調整しやすい水酸化鉄(III)が圧倒的に多いです!
つまりなかむら式の見分け方はこれだ!
正コロイド…水酸化鉄(III)
負コロイド…それ以外!
でも教科書からそのまま問題を出す先生は、タンパク質=正コロイドとして作問するかもしれませんね…
余力がある人は「正コロイド…水酸化鉄(III)とタンパク質」まで覚えてください!
正コロイド・負コロイドの覚え方
では
正コロイド…水酸化鉄(III)
の「絶対に忘れない覚え方」を伝授しましょう。
覚えるポイントは「鉄のコロイドが正コロイドだ」という点です。
水酸化鉄以外の鉄の化合物はコロイドの問題にほぼ出てこないので、「鉄」のコロイドは「正」コロイドと頭に擦り込みましょう!
さあ、この呪文を10回唱えよう!
「徹子は聖子」
実は黒柳徹子=鉄コ(ロイド)と松田聖子=正コ(ロイド)は同一人物だったというイメージです!
え? 例えが古いって!?
いいんです! 覚えれれば!
黒柳徹子と松田聖子をよく知らない人は、お父さんやお母さんに聞いてみよう!
まとめ
この記事では「コロイドが電荷を持つ理由」と「正コロイド・負コロイドの見分け方」を徹底解説しました。
コロイドが電荷を持つ理由は
- イオンを引きつける
- 金属原子が置換される
- 部分的に電離する
正コロイド・負コロイドの見分け方は
- 正コロイド…水酸化鉄(III)(とタンパク質)
- 負コロイド…それ以外!
です!