【総まとめ】コロイドの種類とその違いのわかりやすい覚え方を徹底伝授

分散コロイド

どうも受験化学コーチわたなべです。

しょうご
分子コロイド、会合コロイド、ミセルコロイド、分散コロイド、親水コロイド、疎水コロイド、保護コロイド…  なんでコロイドにはこんなに色々種類があるんだ! 名前を聞いても違いが分からねー!
受験化学コーチわたなべ
確かに…! 世の中にはいまいちピンと来ない名前って色々ありますよね。 スタバの「グランデ」と「ヴェンティ」も「L」と「LL」とか、「大」と「特大」の方が分かりやすいのに…。  

ややこしいのですが、どのコロイドの種類の名前も意味がついているからついているのです。本記事では名前の覚え方も徹底解説します。

今日はコロイドの種類と違いをはっきりさせて、2度と混乱しないようにしましょう!

そもそもコロイドって何?

コロイドとは、直径1.0×10-9~5.0×10-7mの大きさの粒子(コロイド粒子と言います。)が均一に広がっている状態のことです。液体の中にコロイド粒子が分散しているものは「コロイド溶液」、気体の中にコロイド粒子が分散しているものは「エアロゾル」といいます。

 

ペンキ

コロイド溶液の例:ペンキ

 

けむり

エアロゾルの例:けむり

 

コロイド粒子は水に入れると沈澱する物質の粒子よりは小さいですが、普通の水溶液(「真の溶液」といいます)を作る分子やイオンよりは遥かに大きいので、色々とユニークな性質を持っています。これについてはまたの機会に。

コロイド溶液

前回の記事「ゾルとゲルとは? 違いをわかりやすく解説!」にもコロイドの説明と例がありますので、ぜひ読んでみて下さい。

ゾルゲルキセロゲル

【一発暗記】ゾルとゲルとは?違いを分かりやすく解説!

コロイドの分類 その①:構造による分類

コロイドは着目点によって2つの分類方法があります。まず一つ目は「コロイド粒子の構造」に基づく分類です。一口にコロイドといっても、拡大してみると全く違う成り立ちをしているものがあるんですね。

この方法で分類できるのは、分子コロイド会合コロイドミセルコロイド、そして分散コロイドです。

早速、確認していきましょう!

分子コロイド

分子1個でコロイド粒子のレベルの大きさになっているもののことを「分子コロイド」と言います。

デンプンは糖がたくさんくっついたモノ、タンパク質はアミノ酸がたくさんくっついたモノです。

どちらも分子がデカくなり、直径1.0×10-9~5.0×10-7mに達するのでコロイドになるんですね! このようなデカい分子のコロイドを分子コロイドといいます。

分子コロイド

寒天やゼラチン、卵白などが分子コロイドです。

卵

会合コロイド&ミセルコロイド

会合は「かいごう」と読みます。政治家とかがよくやるヤツと同じ名前ですね。

そしてなんと、会合コロイドとミセルコロイドは同じものです!

なぜかこのコロイドだけは日本名と英名の両方が使われます。

「鮭」と「サーモン」みたいな関係ですね。

では会合コロイド=ミセルコロイドとはどんなものなのか?

それは「会合」という言葉が表す通り、いくつもの分子が集まってコロイド粒子を作ったものです!

代表的な例は石けん水です。

石けん

石けんの分子には水によく溶ける部分と油によく溶ける部分があります。これを水中に入れると、油によく溶ける部分を中心にボール状に集まり、直径1.0×10-9~5.0×10-7mのコロイド粒子になるんですね。

会合コロイド

ちなみにこのように分子が集まることを会合といい、その集合体をミセルといいます。

分散コロイド

金属など本来は水に溶けない固体でも、粒子が小さくなり直径1.0×10-9~5.0×10-7mになると水に均一に分散しコロイド溶液になります。このようなコロイドを分散コロイドといいます。

分散コロイド

ステンドグラスの赤い色は、ガラス中で「金」を分散コロイドにすることで作られています。コロイドになると金が赤色になるってなんだか不思議ですね。

ステンドグラス

それぞれの違い

分子コロイド・会合コロイド・分散コロイドを分類するポイントは「どのように直径1.0×10-9~5.0×10-7mの大きさの粒子になるか」です。

重要ポイント

原子がつながり大きくなっていき、この大きさの分子になる → 分子コロイド

小さな分子がたくさん集まって、この大きさの「ミセル」を作る → 会合コロイド

水に不溶の大きな粒子が小さくなり、この大きさの粒子になる→ 分散コロイド

コロイドの違い

コロイドの分類 その②:安定性による分類

二つ目の分類は「水溶液中の安定性」に基づく分類です。実はコロイドはいつも安定的に存在できるものではなく、条件によっては沈澱してしまうのです。

この方法で分類できるのは、親水コロイド疎水コロイド、そして保護コロイドです。

さあ、詳しく見ていきましょう!

疎水コロイド

前半で説明した「分散コロイド」はそもそも水に溶けない物質が、粒子を小さくすることによってコロイドになったものでしたよね?

このようなコロイド溶液に塩などの電解質をちょっとだけ入れると、水に溶けていられなくなり沈澱してしまいます! この水との親和性が低い性質により分散コロイドは「疎水(そすい)コロイド」とも呼ばれます。

コロイド粒子は電気を帯びている(電荷を持っている)ので、お互いに反発しあって水の中に分散できるのですが電解質を入れると電気的に中和し、お互いにくっついて沈澱するんですね。この現象は「凝析(ぎょうせき)」といいます。

疎水コロイド

この現象の身近な例は、川の水から水道水を作る「浄水場」です。

水の「濁り」は疎水コロイドになった細かい土の粒子です。これに硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウムといった電解質を加えると、この土の粒子が凝析して取り除かれ、透明できれいな水になります。

浄水場

親水コロイド

ではタンパク質やデンプンなどの「分子コロイド」はどういう時に沈澱するのでしょうか?

分子コロイドの粒子には水酸基(ーOH)やヒドロキシル基(ーCOOH)など、水原子(H2O)と構造が似ているパーツがあるため、水によく馴染みちょっとやそっとでは沈澱しません。それでも大量に電解質を加えると沈澱します。この現象は「凝析」ではなく、「塩析(えんせき)」といわれます。そして、この水に馴染む性質から分子コロイドは「親水(しんすい)コロイド」とも呼ばれます。

塩析の代表例は「豆腐」です。親水コロイド溶液である豆乳に大量にニガリや海水などの電解質を加えると、タンパク質が塩析して豆腐になるんですね。

豆腐

保護コロイド

少しの電解質を入れるだけで沈澱してしまう疎水コロイドを、なんとかして沈澱しないようにすることはできるのでしょうか?

なんとできるんです! 疎水コロイド溶液に親水コロイドを加えると、少しの電解質を入れただけでは沈澱しなくなります

疎水コロイドのまわりを親水コロイドが取り囲むため、水との親和性が高まり凝析しなくなるんですね。このような働きをする親水コロイドを「保護コロイド」といいます。

保護コロイド

この性質を利用したものが書道に使う「墨汁」です。墨汁は「疎水コロイド」である炭素(スス)のコロイド溶液です。ただそのままでは沈澱しやすいため、「保護コロイド」として「親水コロイド」であるゼラチン(にかわ)を加え、沈澱しない墨汁にしているんですね。

書道

覚え方:ゴロ合わせ法

さあ脳に情報を確実に定着させましょう!

今回しっかりと区別して覚えるポイントは、名前の似ている凝析」と「塩析」の違いだと思います。

そこでこのような覚え方はどうでしょうか?

ゴロ合わせ!

水コロイドはしの電解質で析し、水コロイドは量の電解質で析する。

⬇︎

訴訟業、親大炎

(そしょうぎょう、おやだいえんじょう)

訴訟 炎上

人を訴える仕事(訴訟業)をしたせいで、恨みを買い自分の親のブログが大炎上したというイメージです。


まとめ

この記事ではコロイドの分類について確認しました。

分子コロイドは、大きな分子(例:タンパク質、デンプン)

会合コロイドミセルコロイド)は、分子が集合したもの(例:石けん水)

分散コロイドは、小さな粒子(例:金属)

疎水コロイドは、凝析する(例:浄水場)

親水コロイドは、塩析する(例:豆乳)

保護コロイドは、凝析を防ぐ親水コロイド(例:墨汁)

です!