コロイド粒子の析出法「凝析」と「塩析」の違いを徹底解説!

分散コロイド

どうも受験化学コーチわたなべです。

しょうご
なんてっこった!「凝析」と「塩析」の問題でまたミスした! どうしたら違いをちゃんと覚えれるんだー!?
受験化学コーチわたなべ
凝析と塩析はどちらも「コロイド粒子を電解質で析出させる」ことなので、混乱しやすいですね。この記事で違いをはっきりさせましょう!

【総まとめ】コロイドの種類とその違いのわかりやすい覚え方を徹底伝授で凝析・塩析・保護コロイドについて説明しました。

分散コロイド

【総まとめ】コロイドの種類とその違いのわかりやすい覚え方を徹底伝授

しかし、ここは受験生の皆さんが混乱しやすく質問も多い部分ですので、もう一度「凝析と塩析の違い」に的を絞って徹底解説します!

名前の似ている「透析」も重要語句ですが、これは全然違うメカニズムなので次の記事で詳しく説明しますね!

コロイド粒子を析出させる(凝析と塩析)のメカニズム

コロイド粒子が水溶液中で沈澱せずに分散できるのは「粒子が電気を帯びており、お互いに反発しあっているから」です。

磁石の「NとN」や「SとS」が反発し合うように、「+と+」や「ーとー」の電気を帯びたコロイド粒子も反発しあうので、大きな塊になって沈澱することができないんですね。

凝析塩析メカニズム1

しかしここに「電解質」を加えると、水溶液中で電離し電気を帯びた粒「陽イオン」と「陰イオン」が生じます。

そして陽イオンはーの電気を持つコロイド粒子に、陰イオンは+の電気を持つコロイド粒子に引きつけられて、コロイド粒子にくっつきます。

凝析塩析メカニズム2

すると、なんということでしょう! お互いの電気が打ち消されるんです! 反発する力を失ったコロイド粒子は、お互いにくっつき大きな塊になって沈澱します。

凝析塩析メカニズム3

このように、「コロイドの電荷」と「電解質が電離して発生したイオンの電荷」が打ち消し合うことでコロイド粒子は反発力を失い、水中に分散した状態で存在できなくなるんですね!

凝析とは

疎水コロイド溶液に少量の電解質を加え、コロイド粒子を析出させることを「凝析」といいます。

疎水コロイドは、読んで字の如く「水との親和性が低い」コロイドです。

金属や金属化合物がこれにあたります。具体例は金(Au)や水酸化鉄(Fe(OH)3)です。

これらはそもそも水に溶けやすいわけではないので、少量の電解質を入れただけで析出し沈澱を生じます。

疎水コロイドー凝析

またコロイドの電荷と反対で価数の大きいイオンほど、凝析させる力が大きいです。

たとえば、ーの電荷を持つ土の微粒子を沈澱させるには、+の電荷を3つ持つアルミニウムイオン(Al3+)の方が、電荷を1つしか持っていないナトリウムイオン(Na)より有効です。

同様に+の電荷を持つ鉄(III) イオン(Fe3+)を凝析させる力は、リン酸イオン(PO43+)の方が塩化物イオン(Cl)より強いです。

コロイドの凝析効果

PO43ー > SO42ー > Cl

Al3+ > Mg2+ > Na

コロイドの凝析効果

浄水場で「硫酸アルミニウム」や「ポリ塩化アルミニウム」を加えるのは、三価のアルミニウムイオン(Al3+)は土の微粒子を凝析させる性質が強いからなんですね。

凝析の例

浄水場以外の凝析の例は、河口にできる三角州です。土などのコロイド粒子を含んだ川の水が、河口で電解質を大量に含んだ海水と混ざると凝析が起き、土が堆積します。

これが長年続くことで広大な平地を持つ三角州になるんですね。

三角州

塩析とは

親水コロイド溶液に多量の電解質を加え、コロイド粒子を析出させることを「塩析」といいます。

親水コロイドは、ーOHやーCOOHなど、親水性の原子団を持つ「水との親和性が高い」コロイドです。

デンプン水溶液やタンパク質水溶液などが、親水コロイドの代表です。

コロイド表面に多数の水分子が水和しているのでイオンの影響を受けにくく、少量の電解質を入れただけでは析出しません。しかし、多量の電解質を入れると析出し沈澱を生じます。

親水コロイドー塩析1

親水コロイドー塩析2

塩析の例

豆乳に多量の電解質(ニガリ=塩化マグネシウム)を加えて豆腐を作ることが塩析の例として有名です。

その他の例としては、石けんの製造です。油脂に水酸化ナトリウム溶液を加えると「けん化」して石けん溶液ができるのですが、これに多量の食塩(塩化ナトリウム)を加えると石けん成分が塩析し、固形石けんができるのですね。

ボディーソープを水で薄めたものに食塩を入れるとこの反応を確かめることができるので、ぜひお家でやってみて下さい!

塩析実験

覚え方①:替え歌

凝析と塩析の違いはクリアになりましたか?

では今日は「替え歌」で記憶をしっかりと定着させましょう!

「カエルの合唱」のメロディで3回歌ってみてください。

覚えよう!

疎水 凝析〜 (カエルの歌が)

親水 塩析〜 (聞こえてくるよ)

少量っ 凝析っ (クワクワ)

多量っ 塩析っ (クワクワ)

疎〜水凝析 (ケロケロケロケロ)

親水塩析 (クワックワックワ)

覚え方②:イメージ法

別の覚え方も紹介します。

凝析の「」の字をよ〜く見てみてください。

凝

なんと「ヒマ」が隠れています!!!

凝ーヒマ

「疎水コロイドは水分子が周りにいなくてヒマしているから、ちょっと電解質が加えられただけですぐ凝析する」と覚えましょう!

「少しの電解質で沈澱するのが凝析」だということが分かれば、もう片方が塩析ということも自ずから分かるはずです。

名前が似ている「透析」も同じ現象?

透析」は、セロハンなどの半透膜を用いてコロイド溶液に含まれるイオンなどを除去し、コロイド溶液を精製することです。 名前は似ていますが、全然違う現象です!

透析

透析をすることで、コロイド溶液中の不純物を取り除き、より純度の高いコロイド溶液を作ることができます。

病気などで腎臓が十分に機能しない人は「人工透析」によって、コロイドである血球は血液中に残したまま、尿素などの不純物を血液中から取り除いています。

透析については次の記事でより詳しく説明します!

まとめ

覚えるべし

凝析疎水コロイドが少量の電解質を加えることによって析出し沈澱すること

塩析親水コロイドが多量の電解質を加えることによって析出し沈澱すること

コロイドの種類 性質
疎水コロイド 少量の電解質で沈澱 = 凝析
親水コロイド 多量の電解質で沈澱 = 塩析