理論化学2015.12.23 2023.08.11 受験化学コーチなかむら

受験化学のコロイド溶液の性質完全制覇！正誤問題68選！

コロイドの性質を覚えるのは意外と面倒だし、覚え間違いがあることもあります。

そこで、問題を解きながら知識を定着させるという目的で、正誤問題６８問を書き並べてみました。

これの使い方は、ひたすら上から読んでいって、「◯かな〜×かな〜」と考えていくだけでいいのです。

この正誤問題には１つの内容に関して何回も何回も色々な問題で取り上げています。

全68問です！

これだけ解けばかなりコロイドは身に付いているはずです！

それではやっていきましょう！

頭を使いながら◯×を解くことで徐々に理解度が上がっていきます。ぜひ一度考えてみてください！

◯×クイズでコロイドを極める

1.牛乳はコロイド溶液の１種である。

◯

2.コロイド粒子は、10^-5〜10^-7m程度の直径をもち、電子顕微鏡では見えない。

光学顕微鏡では見えないんです。
電子顕微鏡では見えます！

3.「ゾル」と「ゲル」はコロイド溶液の流動性を区別する用語である。

◯

そうです。一応知らない人はこちらの記事を参考にしてみてください。

【一発暗記】ゾルとゲルとは？違いを分かりやすく解説！

4.流動性を示す液体状のコロイド溶液をゲル、流動性を失って固体状となったものをゾルという。

逆です。

5.コロイド溶液をろ過することによって、コロイド粒子をろ紙上に集めることが出来る。

ろ過は混合物を取り除くためのものです。
コロイド溶液は「水溶液」ではあるので、ろ紙では取り除けません。

混合物の分離法のろ過の実験手順と注意点、実験器具など重要ポイントまとめ

6.コロイドのうち流動性のあるものをゾルという。

◯

7.直径を10^-4〜10^-3cm程度の大きさの粒子をコロイド粒子といい、コロイド粒子が分散している物をゾルという。

大きさが違います。

ゾルの説明は正しいです。

8.卵白を加熱するとゾルがゲルになるのは、卵白中のタンパク質分子の立体的な形が、熱によって変化するからである。

◯

9.寒天水溶液を冷却すると、流動性を失ってゲルになる。

◯

10.コロイド粒子はろ紙を通過するが、セロハンを通りぬけることはできない。

◯

11.半透膜はコロイド粒子は通すが、溶媒や小さな溶質粒子は通さない。

逆っす。コロイドは通しません。

12.コロイド溶液が光を散乱させるのは、コロイド粒子が分子やイオンより大きいからである。

◯

13.１分子でコロイド粒子を構成するものを分子コロイドという。また、多くの分子が集まってコロイドになる物を会合コロイドという。

◯

くっつく系に「会合コロイド」と「ミセルコロイド」があります。

会合コロイド＆ミセルコロイド

14.塩化鉄(III)を水に溶かし,NaOH水溶液を加えると水酸化鉄(III)のコロイドが出来る。

水酸化ナトリウムではなく純水です。

水酸化ナトリウムを入れてしまうとあっという間に沈殿が生成されてしまいます。

15.沸騰水に塩化鉄(III)溶液を少しずつ加えると、赤色のコロイド溶液が出来る。

◯

16.コロイドには少量の電解質を加えると溶液より沈殿する疎水コロイドと多量の電解質を加えないと沈殿しない親水コロイドがある。

◯

17.デンプンやタンパク質などの親水コロイド粒子には多数の水分子が水和している。

◯

親水コロイドに関してはこちらの記事にまとめました。

18.疎水コロイドの溶液に少量の電解質を加えると、コロイド粒子は沈殿する。この現象を凝析というう。

◯

19.親水コロイドに少量の電解質を加えるとコロイド粒子を沈殿させることが出来るが、疎水コロイドでは多量の電解質を必要とする。

20.親水コロイドに多量の電解質を加えても、沈殿が生じない。

親水コロイドに多量の電解質を

21.多量の電解質を加えて親水コロイド粒子を沈殿させることを凝析という。

22.疎水コロイド粒子が沈殿しにくいことの主な理由はコロイド粒子が同じ電荷を持つことで互いに反発し合うためである。

◯

23.疎水コロイドは親水コロイドを加えると、凝析しやすくなる。

24.墨汁ではゼラチンを加えて、コロイドが沈殿するのを防いでいる。このような働きをするコロイドを疎水コロイドという。

25.親水コロイドに疎水コロイドを加えると、疎水コロイドが親水コロイドの粒子を包んで安定になり、電解質による凝析が起りにくくなる。このようなはたらきをする　疎水コロイドを保護コロイドという。

26.墨汁は「にかわ」が保護コロイドの役割をしている

◯

27.保護コロイドを加えると、疎水コロイドが親水コロイドに似た性質を示すようになる。

◯

28.電解質を加えて疎水コロイドを沈殿させるとき、同符号で原子価が大きいイオンほど効果が大きい

29.疎水性コロイド粒子を凝析させるには、コロイド粒子の電荷と反対符号で電荷数の大きいイオンを含む電解質を用いると良い。

◯

30.水酸化鉄(III)のコロイド粒子は負電荷を帯びているので、そのコロイド溶液にSO4^2-やPO4^3-などを含む電解質を用いると良い。

31.粘土で濁った川の水を浄化するには硫酸アルミニウムが硫酸ナトリウムよりも有効である。

◯

32.金のコロイド粒子は親水性が小さい。

◯

33.デンプンのコロイド溶液ではコロイド粒子が強く水和している。

◯

34.硫黄コロイドのような疎水コロイドは、塩析により少量の電解質で沈殿させることができる。

35.疎水コロイドである炭素のコロイドに、ニカワを加えた墨汁がある。この墨汁に少量の電解質を加えると、容易に凝析が起る。

36.豆乳やゼラチン溶液に、多量の電解質を加えると、沈殿が生じる。

◯

37.コロイド溶液をセロハン袋に入れて純粋中に浸しておくと、ブラウン運動によりコロイド粒子が袋の外に出て行く。このような操作を透析という。

38.コロイド粒子が半透膜を通過できないことを利用して、コロイドを精製することが出来る。

◯

39.コロイド粒子はセロハン膜を通過しないが、小さな分子やイオンはセロハン膜を通過する。この性質を利用して、コロイド溶液は精製する操作を塩析という。

40.セロハンや硫酸紙など半透膜はイオンを通すがコロイド粒子は通さないので透析に用いられる。

◯

41.透析操作でコロイド溶液からコロイド粒子をふくまない溶液を作ることができる。

この記事のコメント欄を見てみてください。
１番質問がきている問題です。

透析の目的は「きれいなコロイド溶液を作ること」ですよ！

コロイドを取り除くことじゃないですよ！

↓こちらの記事を読んでみてくださいね！↓

コロイド粒子の析出法「凝析」と「塩析」の違いを徹底解説！

42.血液の浄化に用いられる人工透析は、血液中の低分子量の老廃物の除去に有効である。

◯

43.セロハンの袋にデンプン、ショ糖、および食塩を溶かした溶液をいれて流水中に浸しておくと、電解質である食塩が透析によってのぞかれ、デンプンとショ糖が袋内に残る

◯

44.コロイド溶液に強い光をあてると、溶液全体が均一に輝いて見える。これをチンダル現象という。

45.コロイド溶液を限外顕微鏡で観察すると、コロイド粒子の不規則な運動を見ることが出来る。

◯

46.コロイド溶液に強い光を当てると、光の進路が輝いて見える。これをチンダル現象という。

◯

47.ショ糖の水溶液に光束をあてると光の通路が光って見える。これをチンダル現象という。

ショ糖は高分子じゃないので、コロイド溶液ほどの大きさになりません。

48.煙に懐中電灯の光線を当てたとき、光の進路が見えるのは、コロイド溶液のチンダル現象と同じ現象である。

◯

49.デンプン水溶液に横から強い光を当てると、光の通路が輝いて見える。これは、コロイド粒子が光を吸収するからである。

チンダル現象ですね。

50.硫黄をアルコールに溶かした物を水に入れると硫黄の親水コロイドになるが、このコロイドがチンダル現象を示す。

51.水酸化鉄(III)のコロイド粒子は電気的反発のためブラウン運動をする。

52.チンダル現象を利用して限外顕微鏡で拡大してみると、コロイド粒子が絶えず不規則な運動を行っているのが認められる。このような運動をブラウン運動という。ブラウン運動はコロイド粒子が熱運動をしているために起る現象である。

コロイド粒子の熱運動じゃなくて、”溶媒分子“の熱運動です！

53.ブラウン運動はコロイド粒子どうしが衝突して起る現象である。

溶媒分子がコロイド粒子に衝突する現象です。コロイド同士の衝突ではないです！

54.ブラウン運動は溶媒分子がコロイド粒子に激しく衝突し、コロイド粒子を動かす現象である。

◯

55.ブラウン運動は温度が高いほどまた粒子が小さいほど活発であり、限外顕微鏡で観察できる。

◯

56.チンダル現象を利用して、水の濁りの度合いを測ることが出来る。

◯

57.コロイド溶液に電極を入れ直流電圧をかけると、コロイド粒子が陽極または陰極に移動する電気泳動が起る。

◯

58.帯電していないコロイド粒子は電気泳動を起こさない。

◯

59.水酸化鉄(III）コロイド溶液に電極を入れて直流電圧をかけるとコロイド粒子は陰極側に移動する。

◯

60.硫黄のコロイドは正の電荷を帯びているので、電気泳動によって陽極に移動する。

61.電気泳動で陽極の方に移動するコロイド粒子は負に帯電している。

◯

62.硫黄コロイドの水溶液に直流電流を通すと、コロイド粒子は陰極側に集まる。

◯

63.シリカゲルには、水を吸着する働きがある。

◯

64.活性炭が脱臭剤として使用されるのは大きな表面積を持ち分子を効果的に吸着するためである。

◯

65.手についた油をセッケンで洗うとよく取れるのは、油がセッケン分子により加水分解され、水によく溶けるようになるためである。

66.エタノールを皮膚に付けると冷たく感じるのは、蒸発熱のためである。

◯

67.ドライアイスが融解せずにいつのまにか消失してしまうのは、昇華するからである。

◯

68.魚の煮汁を冷蔵庫に入れておくと固まるのは、ゾルのゲルかによる。

◯

いかがでしたか、このようにコロイドは問題を解きながら、身につけていくとかなり早いです！

もしわからないことがありましたら、コメント欄にお願いします。

また理論化学が苦手な人は、こちらの無料テキストを手に入れましょう！

23 件のコメント

２って×なんですか？
他のサイトなどで調べると，コロイドの大きさが様々でどれが正しいかわかりません．

返信する

受験化学コーチなかむら より:

大きさが×なのではなく、電子顕微鏡が×です。

返信する

なかむら先生こんばんは！いつもお世話になります。コロイドは学校で「覚えるだけだからな！」で、授業ほぼとばされて、先生のコロイド問題集とか重問で自力でやってたんで、実際どういったものかをしっかり理解してなかったのですごく助かります！
早速ですが、コロイドのわからないとかを書き込みます！
1、透析は、一体どういうことで、何をしてるかがよくわかりません
2、保護コロイドって、結局どういうものかがイマイチわかりません
3、ゲルとキセルゲルの違いがわかりません。
4、凝析と塩析の違いと、どういう反応してるかがわかりません。
以上です！よろしくお願いします！

返信する